2010年09月08日

地域通貨の取組み―トランジッション・タウン藤野を視察

8月末、柏まちカレ福島副学長と、藤野町(神奈川県相模原市)に行ってきました。
トランジッション・タウンの試みに、柏まちカレやサステナ義塾のヒントがあるのではと思い、代表の榎本英剛さんに連絡を取り、会議に参加させて頂きました。

藤野は、新宿から中央線で1時間ほど。
森と相模湖の豊かな自然に恵まれた町です。
戦時中から芸術家が移り住み、文化的な雰囲気を感じます。
人口は約1万人。地元の方と移住してきた方の割合は、ちょぷど半々。

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トランジッション・タウンとは、石油の限界と気候変動を危機と感じ、
市民の創意工夫と地域の資源を最大限に活用して、
脱石油社会へ移行していくためにイギリスで始まった草の根運動です。
イギリスで、この運動に感銘を受けた榎本さんが、日本で立ち上げられたのが、このトランジッション・タウン藤野なのです。

私たちの参加した会議は、公民館の和室で開かれ、
子ども連れのお母さんも参加され、和やかな雰囲気でした。
メンバーの日常の報告から始まり、話しやすい場作りに
榎本さんの見えない心遣いを感じました。

トランジッション・タウン藤野の活動内容は、ソーラークッカー作り、草木染め・ふんどし作り、梅干作りなどのイベント開催、他の地域への参加などです。
他の地域イベントへの参加を通して、まちに溶け込み、団体同士の横のつながりができていくのは、私たち柏まちカレとも共通するところで、やはり大切なことだと確認できました。

建設中の里山長屋も見学しました。
4世帯が協力して、持続可能な暮らしをしようという試みです。
長屋建設の様子はブログで報告されています。
http://blog.canpan.info/nagaya
藤野里山長屋
たくさんの興味深い活動の中で、1番刺激を頂いたのが、地域通貨。
地域通貨「萬(よろず)」を媒介に、地域とのつながりを強めています。
私は、通貨制度を作るというのは、大変なこととビビッていた面がありました。
しかし、藤野で実践されている地域通貨を見て、
柏でもやってみようと思い立ちました。
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紙幣を発行するのではなく、通帳に書き込む方式が採用されています。
これだと、立上げ時のコストは小さくてすみます。
ただ、勝手に嘘を書いて、地域通貨を増やしたりすることもできます。
でも、そんなことしても「むなしい」だけ。
地域の方々の良心にまかせているとのこと。
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参加者は、「自分のできること」と「自分のお願いしたいこと」を書き、
事務局がそのリストを作り、配付します。
たとえば、私は「悩み相談聴きます(200萬)」と載せてもらい、相談を受け、200萬の地域通貨を記帳してもらう。
そして、「撮影します(300萬)」という方に撮影してもらい、−100萬になるわけです。
交流の過程が、通帳に記されるのは素敵です。

この地域通貨を普及させるコツを教わりました。
「勧誘しないこと」。
人前で、楽しそうに、そしてコソコソとやっていると、
仲間にいれてもらいたくなるそうです。

私たちが、昼食をとっていたときに、早速、
地域通貨に参加したいと声をかけられていました。
こんな感じで広がっていくのかぁと、貴重な場面に遭遇できました。

柏まちカレで、年内に勉強会を開き、準備委員会を募り、
年始あたりには実験的にスタートしてみます。
多くの事例が3-40人程度で始めたそうです。
まずは、実践です。

勧誘しないで始めていきますので、
ご興味をお持ちの方は、気軽にご連絡下さい。
y@ryokuyo.org


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