2014年06月02日

ギフティッド教育の必要性

カナダ在住の14歳の大川翔さんが、この春カナダ国内の大学5校に合格して、現地でも大きなニュースになっている。
彼は、中学高校と飛び級して、現在はブリティッシュ・コロンビア州にあるトーマス・ヘイニー高校の3年生。複数の大学から奨学金支給のオファーがあるということが、日本のマスコミなどで話題になっている。
「ちなみにサイモン・フレイザー大学は3万4000ドル、ビクトリア大学は2万6000ドル、トロント大学は合計で1万ドルの奨学金を申し出ている。マギル大学は2万5000ドルの奨学金に加え給料付きの仕事を、そしてブリティッシュ・コロンビア大学は3万ドルの奨学金に加え、リサーチ・アシスタントという給料付きの仕事までオファーしている。」

大川翔さんのブログにもあるように、カナダの大学入試は、州政府の統一試験の結果と学校の成績、課外活動で決まる。
これらの成績が優秀だったら、複数の大学から奨学金支給の合格を得ることになる。日本のメディアでいわれるような「獲得合戦」には、少し違和感がある。

このニュースで注目したいのは、大川翔さんが、9歳のときにカナダで「ギフティッド=天才児」登録され、通常の学校教育とは別にギフテッド・プログラムも公費で受け始めたという点である。
ギフティッドとは、IQが高い子ども達や、ある特定の学術分野で高いレベルの潜在能力を持った子ども達のことを指す。ギフティッドの定義は一つではないが、国、州、学区、学校、プログラムによって異なる。
ギフティッドの子ども達がADHD、双極性障害、強迫性障害、または、アスペルガーと誤診され、社会問題になっている。まだ、ギフティッドに関する知識の少なく、日本においてはギフティッドという言葉が社会で認知されていない。学校教育が、素晴らしい才能の開花を邪魔している場合がある。今の日本の学校教育では、大川翔さんの才能を開花させる教育機会が提供されていないと言える。
私は、画一的な教育ではなく、一人ひとりに合った教育を提供するシステムが必要だと考える。
今、障がいのある子ども達のために、特別な教育支援を充実させてきている。このギフティッドの子ども達にも、特別なプログラムが必要なのだ。

ここで、飛び級についても議論される。
「現段階」では、飛び級飛び入学は、日本の教育制度では必要ないと、私は考えている。
学校は、知識や技能を得るだけではなく、仲間との協働を学ぶ場でもある。才能ある子どもは、どんどん高度な内容を学び、大学院の研究を越えるくらいの研究を進めていけるような支援は、必要である。だからこそ、ギフティッド教育のプログラムや支援体制を整えていくべきと考えるのである。
「現段階」ではと書いたのは、留年はマイナスで、飛び級はすごいといった、先取りすることを良しとする風潮を感じるからである。
大切なことは、一人ひとりに合った教育を提供すること。学年という制度そのものを考え直す必要は感じている。



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