教育行政

2015年07月21日

待機児童だけでなく、質の高い幼児教育の実現に向けて

イタリアのレッジョ・エミリア市のように、自治体をあげて子どもが育つ環境を整え、質の高い幼児教育を提供できるように働きかけていきます。
これは子育て支援のみなず、地域全体にとって効果的な政策です。
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2000年にノーベル経済学賞を受賞したヘックマン氏の『幼児教育の経済学』を読みました。
■就学前教育がその後の人生に大きな影響を与えること。
■学力やIQに代表される認知能力だけではなく、忍耐力、やる気、協調性、計画性、リーダーシップといった非認知能力も重要。
■就学前教育への公的投資は、非常に収益率が高い。就学前教育は、将来の所得や健康を向上させ、生活保護率や逮捕率が低くなるという調査結果が出ている。
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幼児教育の重要性は認識されが、現在の日本では、幼児教育は家庭まかせになっています。
熱心なご家庭は素晴らしい幼児教育を受ける一方で、幼稚園や保育所に通わせることが困難な家庭が増えてくることが心配されています。

教育機会の保障という面からも、幼児教育は必要な政策だと考えています。

子育て環境が充実した自治体は、人口増加も期待できるということで、どの自治体も待機児童対策に力を入れてきました。
待機児童解消の実現が見えてきた今、もっと大きな視点で子育て支援や教育について取り組むべきです。

イタリアのレッジョ・エミリア市では、二十世紀最先端の教育理論と発達理論を研究し、それらをバランスよく組み立て、地域特性に合わせた教育を、公教育で実現させました。その幼児教育局主事は、以下のように語っています。

「子どもをめぐる政策が、子どもをめぐる政策だけにとどまることは決してなく、人々の現在の生活の質、未来の生活の質、そして未来の可能性と密接にかかわるものである」、と。

教育実践には、社会的運営と参加が大切です。学校内だけではなく、親や地域・社会をどう巻き込むか。他者への心遣いが、新たな心遣いを生むのです。公共のスペースに対する心遣いが、地域社会への参加へとつながります。

成功している教育実践は、地域コミュニティを築き、豊かな地域社会を実現させています。教育制度の改革が地方主権を推し進める、と言われるのはそのためです。

教育は、社会や人々の未来にとって、堅実な投資なのです。



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2015年02月05日

不登校児童生徒の支援

柏市の適応指導教室「きぼうの園」を見学。 
小学生・中学生を対象とした不登校支援として、学習指導や基本的生活習慣の改善のための相談などを行っている教室です。
※教育支援センター(適応指導教室)整備指針(試案)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/06042105/001/006/001.htm

現在、一時的に、旧•柏幼稚園の施設で、学習指導、来所相談や電話相談などが行われています。
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少人数で、一人ひとりに寄り添い、それぞれに合った学習指導とコミュニケーションの力を身につけられるための活動が準備されています。

指導員の先生と、じっくりとお話をさせていただきました。
柏市では、学校に行けない児童生徒の「心の居場所」となる学習相談室が、3カ所と、この適応指導教室「きぼうの園」で、サポートしています。
http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/270300/p003865.html
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新築された適応指導教室「きぼうの園」。木造で温かい雰囲気です。

これらの施設に来られるようになれば、じっくりと学べることができますが、自宅から一歩を踏み出すことが難しいものです。
ご家庭に訪問し、根気強く働きかける教育相談訪問指導員の果たす役割が大きいと感じます。

新しく建設された適応指導教室「きぼうの園」も見学させて頂きました。
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※適応指導教室「きぼうの園」
http://www.edulab.kashiwa.ed.jp/…/sou…/futoukou/H24kibou.pdf


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2015年02月03日

国をあげての学校のリストラ−人口減少時代とこれからの学校

学校統廃合に向けた流れ】

少子化で、人口減少が進み、学校の統廃合について、国は次々と対策を打ち出している。

201412月に地方創世会議が発足。長期ビジョンや総合戦略が閣議決定。


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119日、文部科学省は、教育委員会が小中学校の統廃合を検討する際の指針となる「手引き」を約60年ぶりに改定した。中学校で3学級以下の学校は統廃合を速やかに検討する必要があると明記。通学範囲の条件も緩和した。
 

2015年度の予算編成では、財務省は、公立小学校の1年生で導入されている「35人学級」を見直し、1学級40人体制に戻すよう文部科学省に求めた。教育上の明確な効果が見られないと主張し、40人学級に戻せば、必要な教職員数が約4千人減り、人件費の国負担分を年間約86億円削減できるとの試算を提示する。文部科学省や教育関係者などの反発を受けて撤回することにはなったが、教職員を減らそうという方向性は今後も続きそうだ。

 現在の制度では、子どもの数が減れば、学級数は減り、学校が減っていくことになる。40人学級に戻すことで、学級数は減り、学校が減っていくことになる。
 

 さらに、国立教育政策研究所からも、「人口減少時代の学校配置は、地理・歴史的な理由以外に、都市間のつながりや交通網などの経済的背景が重視される」と報告があった。国立社会保障・人口問題研究所などのデータをふまえ、現在の自治体による学校設置では対応できないため、新たな教育行政のあり方を提案している。ICT活用によるバーチャルな学習も議論され始めた。
 

また、総務省からは、地方自治体に対して、公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進するため、速やかに「公共施設等総合管理計画」の策定に取り組むよう要請が出た。  

今後、人口減少等により公共施設等の利用需要が変化していくことが予想されることを踏まえ、早急に公共施設等の全体の状況を把握し、長期的な視点をもって、更新・統廃合・長寿命化などを計画的に行うものである。

学校は、地方自治体に持つ公共施設の中で多くを占める。学校の統廃合が進められると予想される。
 

 教員数を減らすことには反対する学校現場も、学級の児童・生徒数を減らすことには賛否両論がある。ただ、40人学級か、35人学級という議論の背景には、学校を統廃合し、教育費を削減していくという方針があることを指摘したい。

 

【学校統廃合のメリット・デメリット】

  201411月、京都市教育委員会を視察。学校統廃合について、担当者から説明を受け、調査した。

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  京都市では、昭和50年代から学校の統廃合が議論され、行政主導で反対運動が起こり挫折する一方、地元主導で円滑な統合が実現している。68校あった学校は、平成26年度現在で17校。

 もともと京都市の学校は、近代教育制度の始まる前から、地域住民の手で設立され、地域の子どもは地域で育てるという意識が高い。学校への思い入れが、他の自治体より強い。それでも、子どもたちの教育環境を考えるPTAなどの声もあり、学校の統廃合を進めてきた。

 京都市教育委員会は、学校の統廃合に関して、地域の意向を尊重するという方針である。小規模校の問題を考える冊子を作成し、小規模校や学校統廃合のメリット・デメリットを提示し、地域と話し合ってきた。

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昭和63年2月に発行された冊子
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平成21年3月に発行された冊子 

 京都市は、2014年度から国の特例を使い、小中一貫教育に取組み、現在では全学区で導入されている。多くは、小中学校が従来通り、それぞれの校舎を持ち、連携しているが、東山区では11あった小中学校を統廃合して、施設を一体にした小中一貫校2校に再編された。新しい校舎と小中一貫の教育、地域の力を活かしたキャリア教育などで、住民からの評価は高い。学校の評判で、子育て世代の流入にもつながっているという。



 学校跡地には、国際マンガミュージアムや漢字博物館など、芸術・文化施設や高齢者福祉施設として活用されている。学校跡地は、様々な可能性があるという声もある。

 学校統廃合は、都市再生にも有効であるという研究者もいる※1

 

 一方で、学校は地域の核であり、学校がなくなると地域の衰退が進んでしまうという指摘がある。児童生徒の通学距離は延び、バス通学も必要となる。地域とのつながりも薄れていく懸念もある。小中一貫教育の効果の検証も必要である。実際に、統廃合で学校を失った地域の人口は減少している。

 学校跡地の活用は、地域活性の切り札のようにも持ち上げられるが、安易な活用は無駄なハコモノを増やしてしまう可能性もある。

 
 

【小規模の良さを活かした学校】

 千葉県柏市では、「小規模校の特色を活かした個別教育について」に取り組んでいる。

 柏市には、マンション建設や住宅地開発で急激に児童生徒数が増える学校がある一方で、全校生徒が数十人という小規模校も存在する。そこで、柏市では、児童数の少ない手賀東小学校に、小規模特認校制度を活用し、他学区からも児童の受け容れを行うことにした。

 小規模校に通わせるのは、大勢の中でもまれる機会に恵まれず、全国的なレベルに遅れてしまうのではないかという不安が持たれる。

 ただ、小規模校ならではの強みがある。

 少人数クラスで、教員の目が行き届き、きめ細やかな指導が可能になる。やはり、担任する児童生徒数が少ないと、採点・面談・通知表等の所見・生活記録チェック・連絡などなど、教員は一人一人に手厚くなり(負担も軽減され)、じっくりと子どもに向き合うことができる。授業も、黒板に板書して、学習内容を伝達する一斉授業ではなく、児童生徒に問いかけながら、一緒に学んでいく授業が可能になる。「アクティブラーニング」や「学びの共同体」といった能動的な学びは、今、世界の流れで、日本の学校でも求められている最先端の授業形態である。

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手賀西小HPより

 小規模校は、学校全体が家族的な雰囲気がある。学年を越えた交流もある。核家族化が進み、世代を超えた交流が持ちにくい都市部とは一味違った、地域の方との交流も期待されているのではないだろうか。
 

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 自分たちの母校がなくなってしまうのは、コミュニティ・アイデンテティや地域への愛着という、これから時代に必要とされる地域資源を損なうことになる。

 また、競争も激しく、勢いのある都市部の大規模校がある一方で、少人数でじっくりと学び合う小規模校が存在するというのは、多様な教育体制が整った、深みのある自治体であると、私は考える。

 
 

【地域の施設としての学校】

 学校の統廃合により、子育て支援センター、多世代交流のサロン、ブックカフェ、多文化共生の文化施設、起業家支援センター、フリースクールなど様々な廃校活用の事例が注目されている。たしかに、これらの取り組みは素晴らしい。しかし、私は納得出来ない。

 学校を廃校にする必要はあったのか。災害時の避難場所、投票所、そして何より地域の拠点としての機能は、引き継いでいけるのかどうか。素晴らしい取り組みだとしたら、学校が存続していた時に、子どもたちの学びと相乗効果を生み出せる形で実現させるべきではなかったか。

 

 今、学校施設と公共施設を一体化する動きが広がっている。

 公民館、児童館、保育所、老人福祉施設、体育館、図書館など、学校を中心に、地域の幅広い年代の住民との交流が生まれ、子どもたちの成長のも好影響が期待できる。

 

 野田市立岩木小学老人デイサービスセンターを視察した。

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 小学校の空き教室を活用し、老人デイサービスセンターとして活用されている。昼休みには小学生が遊びに来るなど、定期的に小学校と交流している。特別養護老人ホームや小規模多機能型居宅介護事業所や心身障害者福祉作業所などを運営している社会福祉法人が指定管理者となっている。

 専門的なサービスだけでなく、高齢者の居場所としても重要である。小学校は、歩いて通える場所にあり、地域コミュニティの核として存在する。高齢者は小学生から元気をもらい、小学生は高齢者から知恵や経験を学ぶ。核家族化した地域では、特に、貴重な機会である。

 

 文科省によると、こうした複合施設の小中学校は、平成26年5月時点で1394校あり、前回調査した1996年と比べ3倍に増えた。今後、ますます、この流れは加速するだろう。

 廃校を斬新なアイデアで活用することも魅力的ではあるが、財政が厳しいのなら、余計な施設は作るべきではない。廃校ではなく、学校は学校として活用できるようにして欲しい。

 学校の統廃合という議論だけでなく、自治体の持つ公共施設の全体像と住民のニーズを総合的に把握し、管理計画を立てていくことが求められている。学校と公共施設との一体化は、行政の効率化だけではなく、子どもの学びやコミュニティ形成にも有効な手法である。

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2015年01月31日

市場化する教育改革への警鐘

昨夜は、社会的な課題や教育の課題について、美味しいものを食べたり飲んだりしながら、まずは知っていこうという「ソーシャルごはん・マイミシュランの会」に参加し、
鈴木大裕さんから『アメリカの市場型教育改革と、失われゆく「公」教育』についてお話をお聴きしました。

鈴木大裕さんのプロフィールは以下です(Journalism 2014.4 no.287より)
「コロンビア大学大学院博士課程在籍・講師。1973年神奈川県生まれ。97年、米コールゲート大学教育学部卒。99年スタンフォード大学大学院修了(教育学)。2001年日本大学通信教育部教職課程修了。
02年から08年まで千葉市の公立中学校に勤務。
08年からフルブライト奨学生としてコロンビア大学大学院博士課程に在籍。
12〜13年PAGE Fellow。13〜14年Honjo International Scholar。「季刊人間と教育」で「アメリカ公教育の崩壊」を連載中。」
 
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教育を市場化するアメリカでの新自由主義改革と、日本の教育の流れにも重なる部分があります。
財政が厳しいのは確かですが、教育を市場に委ね、効率化することで、アメリカの教育現場はどのようになったのか。教育が、格差を拡大させているとのご指摘がありました。
 
公設民営学校教育バウチャー制度学校選択制ICT教育正規教員の削減、標準•スタンダードと説明責任•アカウンタビリティ学力テストとテスト対策、地方教育行政での首長の権限強化など、アメリカの現状も踏まえて考えなければならないと思います。
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2015年01月27日

退職校長の勉強会で講演

退職校長の勉強会「東葛の教育を語る会」に講師としてお招き頂き、柏市の教育施策の現状についてお話ししました。

人口減少、コミュニティの変化、教育格差と子どもの貧困などの課題と、柏市の具体的な教育施策とこれからの教育について、議会から見た教育についてを中心にお話し致しました。

子どもや親御さんの考え、教育現場や行政のことがわかる議員に、議会から柏市の教育を支え、より良いものにしてもらいたいと元・教育長にも激励して頂きました。
私は、参加された先生方から、多くを学ばせて頂きました。
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不登校児童生徒の支援、図書館指導員、特別支援教育、理科教育など全国に先駆けて取り組んだ柏市の教育実践の話や、戦後すぐに発足した教員の研究会など、先人の汗と涙の上に今があると気づかされます。
すぐれたシステムや教材の大切さもさることながら、何よりも、教育は「人」であること。

東葛地区の、いや日本の教育文化を語り継いでいくことが、若手としてこの会に参加させて頂いた私の役目の一つだと思います。


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2014年10月23日

全国学力テスト

 全国学力テストと柏市学力テストの結果分析と今後の対策について、柏市教育委員会に報告を求めました。
 学力テストは、学力•学習状況調査といって、義務教育の機会均等とその水準の維持向上のため、全国の状況を把握し、検証し、授業改善に役立てるものです。
 全国学力テストは、4月に小学校6年生と中学3年生が、国語と算数•数学を受験します。

 柏市でも、独自で柏市学力•学習状況調査を行っています。こちらは、小学校2年生から中学3年生までの全学年が受験。国語、算数•数学のほか、中学2、3年生は英語、理科、社会も受験。
 柏市版の学力テストは、全学年が受験するので、経年変化や、他学年との比較も可能です。
 柏市版は7月に報告書が、教育委員会によって作成され、各学校への分析がなされ、2学期からの指導に活かされます。
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 全国学力テストのニュースでは、○○県が何位だったたとか、本県の平均点が0.3ポイント上昇したとか、結果を公表すべきかどうかなどと騒がれています。
 たとえば、教育委員会が取り組んでいる報告書や授業改善の取り組みに注目したり、学習状況調査で指摘される家庭での会話を増やしたり、早寝早起き朝ご飯を呼びかけたりするほうが有意義だと思うのです。
 点数を上げるために、学力テスト対策すべきという声もあります。私は、反対です。
 学力は、個人や学校の努力だけで成り立つものではありません。家庭環境や地域の教育環境、社会経済にも左右されます。
この学力•学習状況調査で、現状を把握し、出てきた課題を直視し、それらを解決するために社会全体で取り組む必要があります。


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2014年10月19日

地域のクラブチームの意義

今朝は、沼南体育館で開催されているレオビスタ杯にお邪魔しました。
バスケットボールのクラブチームの大会です。地域のクラブチームは、技術の向上だけでなく、子どもたちの第三の居場所としての役割も果たします。部活動のこれからを考える上でも大切な存在です。
部活動から考える学校と地域
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決勝戦前には、柏のチアリーディングチームのゴールデンホークスさんにパフォーマンスして頂きました。
私も、そういったクラブチームの活動を応援していきたいと思います。



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2014年10月16日

小学校の空き教室を活用した老人デイサービスセンター

野田市立岩木小学老人デイサービスセンターを視察しました。
小学校の空き教室を活用し、老人デイサービスセンターとして活用されています。昼休みには小学生が遊びに来るなど、定期的に小学校と交流しています。特別養護老人ホームや小規模多機能型居宅介護事業所や心身障害者福祉作業所などを運営している社会福祉法人が指定管理者となっています。
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専門的なサービスだけでなく、高齢者の居場所としても大切だと思いました。小学校は、歩いて通える場所にあり、地域コミュニティの核として存在します。高齢者は小学生から元気をもらい、小学生は高齢者から知恵や経験を学ぶ。核家族化した地域では、特に、貴重な機会です。
実は、柏市でも、富勢東小、土小、柏六小でも、空き教室を老人デイサービスセンターとして活用していました。柏に戻り、当時、担当されていた方からもお話をお聞きしました。利用率が伸びず、小学校の改修などを機に廃止されたとのこと。
柏市の小学校などの公共施設や空き家などの施設総合マネジメント計画の中に、地域の居場所作りや異世代の交流の場などのアイデアを提案していきたいと思います。
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今回の野田市視察では、鈴木有•野田市議会議長がご同行くださり、お考えや野田市の状況についてご説明頂き、大変勉強になりました。


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2014年10月15日

小規模特認校制度-少人数の良さを活かした教育と地域と共にある学校

小規模特任校の野田市立福田第二小学校を視察しました。
小規模特任校とは、少人数の良さを活かした教育を受けるために、学区外からの就学を認める制度です。柏市では、手賀東小学校が、この制度を活用しています。
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福田第二小学校は、明治7年開校の伝統ある学校です。地域に愛され、学校行事や運営への協力はもちろん、賛助会員として月に一口千円を払い、読み聞かせや交通安全のボランティアなど、地域に支えられています。小規模特任校のチラシもPTAが作成しています。
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近隣には、保育園や老人ホーム、障がい者の福祉施設などがあり、学校行事などで交流しています。運動会では、各地域ごとにテントが立つそうです。地域とのつながりの強い学校です。
手賀地域の方々とお話し、小規模校の学力を心配されていました。しかし、一人ひとりにあった教育が丁寧にできるのは、小規模ならではです。この福田二小では、朝の時間を活用し、読み書き計算の自学自習教育を行い、読書時間も設けられています。
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 【写真 自学習のための教材】
また、学力は、親の経済力や学歴の他、地域とのつながりとも相関関係があるという研究報告が出ています。地域に支えられ、地域のつながりの強い学校では、学力面でも期待できるのです。
その他にも、給食や体育、体験学習など学年を越えた交流の機会が多く、同じ学年の児童同士では得られない経験にも恵まれます。
住宅地の学校では、少人数の教育を実現して欲しいという要望が出ています。少人数は望ましいことです。また、オランダで視察したイエナプラン教育では、あえて、3学年が同じクラスで勉強する複式学級を取り、学年を越えたコミュニティを作っています。複式学級の良い面にも注目すべきだと思います。
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【写真 この小ホールで、毎日、全校児童が一緒に給食を食べます】

人口減少が叫ばれる今、こういった小規模校は全国的に増えるでしょう。人口減少を嘆いて学校を統廃合してしまうのではなく、これを、むしろチャンスととらえ、積極的に少人数の良さを活かした教育や地域の拠点となる学校を実現していくことが、地域社会のためになると、私は考えています。


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2014年09月25日

公立学校に国際バカロレアの導入を

21世紀に入り、大量生産大量消費のシステムから、グローバルに通用する多様で独創的な知識を基盤とした知識経済社会システムへの移行が始まっています。

これからは、価値観の異なる人々と協力しながら、問題を解決していくために必要なスキルが必要となってきます。知識を詰め込む教育だけではなく、「一生学び続けられる力」を育てていくための教育が求められています。そこで、今、国際バカロレアの教育プログラムが、国でも推進されようとしています。2014年9月に、文科省でのヒアリングのご報告です。

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国際バカロレアとは、生徒を主体とした独自の教育理念に基づいて1968年に設立された非営利教育機構で、カリキュラムの開発、生徒の評価、専門のIB教員の養成、IB校の認定・評価を実施している組織です。

図 国際バカロレアプログラムが求める学習者像

IB

児童・生徒が将来、急速に進むグローバル社会を生き抜く上で、学び、そして働き続けるために必要な知性、人格、情緒、社会的なスキルを身に着けることが可能な3歳〜19歳の児童・生徒を対象にした4つのプログラムを提供しています。

IBプログラム

2014年3月現在にて、世界147カ国、3,725の学校で導入され、1,167,000人以上の生徒が学んでいます。

平成25年6月14日閣議決定された日本再興戦略-JAPAN is BACK-では、「一部日本語による国際バカロレアの教育プログラムの開発・導入等を通じ、国際バカロレア認定校等を2018年までに200校の増加を目指す。」とあります。
平成25年5月に出された教育再生実行会議 第三次提言「これからの大学教育等の在り方について」でも、「国は、国際バカロレア認定校について、一部日本語によるディプロマ・プログラムの開発・導入を進め、16校から200校へと大幅な増加を図る」とあります。

IB認定校
これまで、国際バカロレアは、インターナショナルスクールや一部の私立高でしか導入されておらず、一般の家庭の児童生徒は、学びたくても学べないものでした。今、札幌市、東京都、佐賀県、滋賀県、京都府、北海道などでも国際バカロレアの導入が検討されています。
公立の学校で導入されることは、学力にバラつきがある児童生徒たちの協同的な学びの実現と教員の授業改善の
突破口になるとの期待が見込まれます。

公立学校でも、ぜひ、国際バカロレアの導入を進めていくべきであると考えます。私は、各自治体の教育委員会にも、働きかけてまいります。

具体的な部分もご紹介いたします。
海外の有名大学を目指す高校生も増えつつあり、
国際バカロレアではDP(ディプロマ・プログラム)が注目されています。カリキュラムは以下のようになっています。

IBカリキュラム
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□で囲まれている科目は、日本語で学べるようになります。数学は、日本語で学べません。しかし、数式は世界共通のものですので、そこをクリアできれば。
国際バカロレア資格の取得条件は、以下のようになっています。
IB取得条件
点数は大学入試で活用されます。
IB活用事例
点数の評価は、以下のようになっています。
IB評価

図や内容は、「国際バカロレア日本アドバイザリー委員会 報告書」より


今後、国内で国際バカロレアプログラムを実践されている学校の視察報告なども行っていくつもりです。




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2014年08月28日

学校を設立するには?

現状の学校教育に満足できず、何とかしなければならないと考え、
「ないならば、自分で作ってしまおう」と、
理想とする教育を実現できるよな学校を設立しようと活動を始めたい方に向けて、どのような学校の形があるかを簡単にご紹介したいと思います。
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学校教育法1条に定める学校の要件に該当せず、正規の学校としての認可を受けていない。様々な形がある。
児童・生徒の在籍する学校長の裁量により、フリースクール等の民間施設に通った期間を、学習指導要録上出席扱いすることができるようになり、進級・卒業も可能となった(小中学校は1992年から、高校は2009年から)。
事例:東京シューレ箕面子どもの森学園東京コミュニティスクール など
参考 NPO法人フリースクール全国ネットワーク

▲ぅ鵐拭璽淵轡腑淵襯好ールとして
現在、日本国内には117校のインターナショナルスクールが各種学校として存在。幼稚園から高校まで4918 名の児童・生徒が在籍 。(文部科学省 Website)。
一般的には外国人児童・生徒を対象としたものですが、近年様々な理由から日本人児童・生徒も増加傾向。 
国際バカロレアやアメリカのWASCの認定校として、海外の学校に進学することを前提としているものが多い。近年、日本の大学でも国際バカロレアを受け入れる大学が増えてきた。
WASC :Western Association of Schools and Colleges:米国西部地域私立学校大学協会
米国では6地区に分かれた米国教育省認定の学校認定機関があり、WASCはカリフォルニアを含む太平洋エリア、東アジア地区を担当。WASC認定校で12年の課程を修了した18歳以上の者には、大学入学資格(高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者)が認められる。
国際バカロレア 1968年に発足した財団法人国際バカロレア機構 (IBO:本部=スイス・ジュネーブ)によって作られた国際的な教プ ログラムである。以下のプログラムがある。
(PrimaryYears Program = PYP)3−12歳・幼稚園・小学校レベル
(Middle Years Program =MYP)11−16歳/5年間/中学校レベル
(Diploma Program = DP)16-19歳/2年間/高校レベル・大学進学
(the International Baccalaureate Career-related Certificate
=IBCC) 16-19歳/2年間/高校レベル・就職・専門学校進学 
事例:東京インターナショナルスクール ISAK代表理事小林りんさんのインタビュー) 

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つ命制高校に通う生徒のサポート校や学習センターとして

コ式会社立学校
小泉純一郎内閣の下で実施された構造改革特区の制度(特例措置番号816;学校設置会社による学校設置事業)を利用して、株式会社が設置した学校である。通信制学校が多い。

Τ惺史/佑鮴瀘する
新規に設立するほか、既存の学校や幼稚園、専門学校を再建する形もみられる。
トヨタ、JR東海、中部電力などが中心になって2006年に設立された学校法人海陽学園海洋中等教育学校など、企業の注目を浴びた。
河合塾は、東京学園と業務提携を結び、海外トップレベルの大学進学を目指した中等教育学校の設立を計画している。

大規模な話もありますが、一人の親が立ち上がって設立された事例もあります。
基本的には、ヽ惺擦鮑遒蠅燭い箸いγ膣屬鮟犬瓩襦↓教育理念や方針を立てる、事業計画を立てる、ぅ好織奪佞鮟犬瓩襦∋楡澆鮹気后∋童・生徒を集める。順序は、状況によって変わりますが、理念を立てること、仲間を集めることが、最初の一歩になります。 塾や寺子屋から始めた方もいます。
私も多くのご相談を頂き、様々な事例を見てきました。時代やみなさんの意識の変化し、ここ数年、学校の設立や教育への提言が進んできたと感じます。何かありましたら、ご連絡ください。

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2014年08月15日

小規模特認校「手賀東小学校」の学校見学会

私が柏市議会議員になって間もない平成23(2011)年12月の議会にて、手賀東小の教育について以下の質問しました。
「私は、手賀東小の授業や行事を見学し、地域の方の協力に支えられ、地域の伝統を大切にしながら、教職員が地域に開かれた学校運営の取り組みを見ました。教員の目が行き届き、児童一人ひとり、成長の物語が紡ぎだされていると感じました。もし、複式学級(※人数の関係で複数の学年で学級を編成すること)になったとしても、児童同士の学び合いを促進した新しい形式の授業が展開される可能性も考えられます。ただ、学習指導要領の兼ね合いもあります。文部科学省の研究開発校に手を挙げるなど、特色あるカリキュラムを作成することを提案しました。」
昨年度から「手賀東小学校」を小規模特認校に指定し、少人数ならではのきめ細かな指導や地域の特性を活かした活動など、特色ある教育を行うようになりました。来年度の新入生(全学年対象)など、このような教育環境でお子さんを学ばせたいと希望する方は、ぜひご参加ください。

学校は地域の核です。人口減少時代の小学校の統廃合問題は、まったなしです。手賀東小学校では、これからの学校のあり方のモデルとなるよう、イエナプランのような学年を越えた学び合いの実践や自然の中での学びなど、小規模だからこそ可能な教育を、とことん追求していくよう、私の全力で働きかけていきたいです。

【学校見学会】
・平成26年9月4日(木曜日)午前9時15分から正午頃まで
・集合場所 柏市役所本庁舎1階ロビー、沼南庁舎1階ロビー
・当日の予定
 午前9時15分 柏市役所本庁舎1階ロビー集合
 午前9時40分 沼南庁舎1階ロビー集合
 午前10時から11時30分頃 手賀東小学校到着後、学校の説明、学校内見学
 正午頃 沼南庁舎、柏市役所の順にて解散
・移動方法 市のマイクロバスにて移動
・平成26年8月15日(金曜日)から8月29日(金曜日)に、学校企画室までお電話にてお申し込みください。
・受付時間 受付期間中の月曜日から金曜日の午前9時から午後5時まで
・学校企画室 04-7191-7210


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2014年06月09日

東葛飾高校同窓会での校長先生のお話−中高一貫や医歯薬コース、リベラルアーツなど

東葛飾高校同窓会の定期総会に参加しました。
その中での学校長からのご挨拶の中で、母校の近況をご報告いただきました。
 「自主自律」の校是のもと、自らを律することで、「学力」「人間力」「教養」を高め、さらに生涯にわたるキャリアアップをとおし、 グローバル社会で活躍できる人材を育成することを教育の方針、理念として進めているとのこと。
その上で、特に3点をご説明頂きました。
/奮愡愼浬電盛擦箸靴
医歯薬コース(本年度・平成26年度より)の運営と中高一貫校(H28年度より)の準備作業の円滑な運営
リベラルアーツ講座(教養講座)の充実
※参照 東葛飾高校HPでの学校長あいさつ
 
進路重点指導校について
平成19年度より東葛飾高校は,千葉県教育委員会から進学指導重点校の指定を受けることになりました。授業について、力のある教員を集めているとのことです。
具体的には、以下のような授業を行っているとのこと。
(1)1,2年次に週2回7限授業を実施し,幅広い学力の充実に努めるとともに,3年次に多くの選択科目を設定し,生徒のニーズにきめ細かく対応します。
(2)実験実習を効果的に行うなど,各教科の特性に応じた学習形態を工夫し,生徒の知的好奇心を満足させ,学びを育む魅力ある授業を実践します。
(3)自ら課題を見つけ探求し,知識や技能の総合化をはかる自由研究を各学年で実施します。
※主に放課後,土曜日,長期休業中を活用し、東葛リベラルアーツ講座の名の下にサイエンス・パートナーシップ・プロジェクト等,高大連携や本校職員等による発展的講座を設けています。これについては、で紹介します。
私の在学中(1994‐96年度)は、授業で一切の受験対策が排除されていました。(1)3年次に時間割を自分たちで組める選択科目、(2)実験実習、(3)自由研究など、一つひとつの項目については変わらないと感じますが、進路重点指導校の指定による進路希望の実現を最重点課題と設定しているところに、当時と大きく変わったと感じます。

医歯薬コース小中一貫校
特に、小中一貫の付属中学について、塾でも話題になっています。現在の小5から対象です。併設型中学校では原則として、「学力検査」を行わないこと言われ、適性審査などが、親御様の間で話題にあがっているようですが、まだ何も決まっていないとのこと。すべて中高一貫になるのではなく、中学での募集は1学年80名程度と言われています。※詳細の募集人数は、確認をお願いいたします。
本年度・平成26年度より、新しくキャリア教育の視点を取り込んだ県内初の「医歯薬コース」が設けられます。これにより、今後は特に理数教育に力が入れられ、千葉県を支える人材の育成を視野に入れた拠点校への更なる飛躍を目指します。
私個人的には、自由な校風と創造性豊かな伝統を生かし、インターナショナルスクールや各国の現地校の卒業生に国際的に通用する大学入学資格を付与する仕組みとして国際バカロレアの認定校になったらよかったのにと思うところもあります。医歯薬コースでは、やはり「受験勉強」と切り離せなくなってしまうのではないかと思います。

リベラルアーツ講座(教養講座)の充実
これは、すごい取り組みです。
東葛飾高校の教員だけだなく、大学の専門家や社会人を講師に招き、最前線の学問に触れることができる発展的講座です。主に放課後,土曜日,長期休業中を活用して、開催されています。
例えば 平成24年度の東葛リベラルアーツ講座一覧をご覧になってください。実に多彩です。
私も、平成23年度から、柏まちなかカレッジとして、ワールドカフェや東葛白熱教室に関わらせて頂いたり、模擬裁判や西水美恵子さん(元・世界銀行副総裁)のワークショップに参加させて頂きました。柏まちカレ副学長の福島さんが、東葛の教諭として、リベラルアーツ講座を取り組んでこられたいたお蔭でもあります。
本物の学びに触れられます。進路にも大いに良い影響があると考えられます。

卒業生として、母校がより良い学校であって欲しいと願っています。外野から意見を述べるのは学校運営にとってご迷惑なのかもしれませんが、同窓会などで母校のあり方について話し合う場も作ってもらえたらと思います。 


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アメリカの教育あれこれ−東葛飾高校同窓会での講演会

東葛飾高校28回生卒業生の深井順一郎氏を講師にお招きし、「アメリカ教育のあれこれ」と題し、ご自身の50数年のアメリカでの研究生活で感じたことや、アメリカの教育についてお話しいただきました。
深井順一郎氏は、日本の企業を3年勤め、アメリカに留学し、研究生活を経て、物理学博士号を取得し、アラバマ州立オーバーン大学Auburn University)で助教授となり、現在は同大学の名誉教授です。
アラバマ州立オーバーン大学は、アメリカン・フットボールが強く、10万人規模のスタジアムもあります。その他、美術館やゴルフ場、誰でも24時間利用できる図書館(エレベーター付きでバリアフリー)など大学キャンパスの魅力も紹介してくださりました。アップルの最高経営責任者(CEO)であるティム・クック(Tim Cook)も、オーバーン大学の卒業生です。
こういった施設を備えた大学を経営できるのは、大学の資産があるからとのこと。
財産のある大学は、奨学金で優秀な学生を世界中から集めることができる。また、国の助成金などと違って、すぐに役立つ学問だけでなく、文学や基礎研究に力を入れることができる。そんなお話をお聞きしました。
たとえば、ハーバード大学やイエール大学の資産は、日本の慶應義塾大学や早稲田大学、東京大学と桁違いです。※詳細は、これから調査します。これには、アメリカと日本の税制(寄付控除)や寄付文化の違いが大きいと言われます。
大学認証制度についても、お話しいただきました。
世界的に、基礎教育では日本も評価されていますが、高等教育ではアメリカの評価は高いです。これは、住み良さとも密接に関わってきます。ただ、過度な市場主義による教育格差は問題になっています。
最後に、「グローバル人材」についてもお話しいただきました。深井順一郎氏は、以下の3点を示されています。
ヽ姐餮譴話せること、既成概念を飛び越え、革新を生み出せること、0豬櫃暴┐如教養を身につけていること
講演時間が限られていたため、ここで終了でした。この続きは、これから自分で調べてみようと思います。先輩から良いきっかけを頂くことができた同窓会でした。
 

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2014年06月02日

ギフティッド教育の必要性

カナダ在住の14歳の大川翔さんが、この春カナダ国内の大学5校に合格して、現地でも大きなニュースになっている。
彼は、中学高校と飛び級して、現在はブリティッシュ・コロンビア州にあるトーマス・ヘイニー高校の3年生。複数の大学から奨学金支給のオファーがあるということが、日本のマスコミなどで話題になっている。
「ちなみにサイモン・フレイザー大学は3万4000ドル、ビクトリア大学は2万6000ドル、トロント大学は合計で1万ドルの奨学金を申し出ている。マギル大学は2万5000ドルの奨学金に加え給料付きの仕事を、そしてブリティッシュ・コロンビア大学は3万ドルの奨学金に加え、リサーチ・アシスタントという給料付きの仕事までオファーしている。」

大川翔さんのブログにもあるように、カナダの大学入試は、州政府の統一試験の結果と学校の成績、課外活動で決まる。
これらの成績が優秀だったら、複数の大学から奨学金支給の合格を得ることになる。日本のメディアでいわれるような「獲得合戦」には、少し違和感がある。

このニュースで注目したいのは、大川翔さんが、9歳のときにカナダで「ギフティッド=天才児」登録され、通常の学校教育とは別にギフテッド・プログラムも公費で受け始めたという点である。
ギフティッドとは、IQが高い子ども達や、ある特定の学術分野で高いレベルの潜在能力を持った子ども達のことを指す。ギフティッドの定義は一つではないが、国、州、学区、学校、プログラムによって異なる。
ギフティッドの子ども達がADHD、双極性障害、強迫性障害、または、アスペルガーと誤診され、社会問題になっている。まだ、ギフティッドに関する知識の少なく、日本においてはギフティッドという言葉が社会で認知されていない。学校教育が、素晴らしい才能の開花を邪魔している場合がある。今の日本の学校教育では、大川翔さんの才能を開花させる教育機会が提供されていないと言える。
私は、画一的な教育ではなく、一人ひとりに合った教育を提供するシステムが必要だと考える。
今、障がいのある子ども達のために、特別な教育支援を充実させてきている。このギフティッドの子ども達にも、特別なプログラムが必要なのだ。

ここで、飛び級についても議論される。
「現段階」では、飛び級飛び入学は、日本の教育制度では必要ないと、私は考えている。
学校は、知識や技能を得るだけではなく、仲間との協働を学ぶ場でもある。才能ある子どもは、どんどん高度な内容を学び、大学院の研究を越えるくらいの研究を進めていけるような支援は、必要である。だからこそ、ギフティッド教育のプログラムや支援体制を整えていくべきと考えるのである。
「現段階」ではと書いたのは、留年はマイナスで、飛び級はすごいといった、先取りすることを良しとする風潮を感じるからである。
大切なことは、一人ひとりに合った教育を提供すること。学年という制度そのものを考え直す必要は感じている。



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2014年05月30日

学校運営と教育内容の改善する学校評価(accreditation)の仕組み

浜田博文編著『アメリカにおける学校認証評価の現代的展開』(東信堂、2014)「第2章 学校改善ツールとしての認証評価の展開−AdvancEDの創設に着目して」p65-p83より

各学校・各学区の状況に応じた認証評価、研究、継続的な改善の提供を目的としたAdvancEDは2006年に設立された。 p65-66
AdvancEDのHP 

AdvancEDの主な活動】p67
’Ь敝床繊accreditation)- 質の高い基準、継続的な改善、質保証、戦略的なパートナーシップ
調査、研究(resarch)-知識経営、研究、イノベーションの開発

成果物とサービス(puroduct and service)-出版、調査、webを使った改善ツール
だ賁膺Δ箸靴討粒悗咫profesional learning)-専門職能開発、学会、コンサルティング、eラーニン
AdvancEDの組織】p66,67
・理事会-6名・民間企業2名、私学校長1名、学区教育長1名、教員1名、大学教員1名
・最高経営責任者CEO・認証評価部門・専門職としての学び部門・イノベーション開発部門・情報及びテクノロジー部門
学校認証評価に用いられる基準】
.咼献腑鵑般榲、▲バナンスとリーダーシップ、指導と学習、ざ軌蘋果の記録と利用、ソ資源と支援のシステム、Ε好董璽ホルダーとの対話関係、Х兮嚇改善へのコミットメント
AdvancEDのサービスを受けるには】p68
認証評価を希望する学校は年会費625ドルを支払う。初年度は、これに登録料350ドルが加算される。
7つの基準を満たすこと、継続的改善プロセスに携わること、自己評価・外部評価を通じて質保証を示すことが、認証校には義務付けられる。

【学校改善のweb上のプログラム-ASSIST】p69-70
ASSISTとは、Adaptive System of School Improvemwnt Support Tools(学校改善支援ツールの適応システム)の頭文字を取ったもの。.廛蹈侫ール、▲如璽織ぅ鵐檗璽函↓自己評価、こ惺参善計画ビルダー、ゥ廛蹈哀薀猊床繊↓δ敢此↓認証評価マネジメント、保証の追跡、導入の追跡、学習と協働の10項目で構成され、改善計画の策定ー評価・認証−支援を一体的に、継続的に実施できるシステムである。AdvancEDのスケールメリットと企画開発力により可能となった。ASSISTによって、AdvancEDは、学校認証だけでなく、学校改善の支援の事業が確立してきた。

学区認証評価】p74-79
学区認証評価は、個別学校の改善よりも、学区内の関係性を重視し、学区全体に影響を及ぼす改善に力を注ぐ。改善は断続的ではなく、3‐5年間継続して行う。生徒の学習到達度を向上させるために全体システム(whole system)アプローチを採用。学区教育委員会と学校のコミュニケーションが増え、教育員会の支援が円滑となり、ビジョンの共有や確認し合うことができたと言う。
【地域協会の歴史を継承】
AdvancEDの活動を可能にしているのは、NEASやSACSといった地域協会が、アメリカで約一世紀をかけて学校認証評価の活動を蓄積し、社会的信頼や教育界における信頼を築き上げてきたことの上にあると言える。



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2014年05月29日

学校運営と教育内容の改善する学校評価(accreditation)の仕組み

浜田博文編著『アメリカにおける学校認証評価の現代的展開』(東信堂、2014)を読む。学校の評価や教育政策の評価は難しいもの。進学実績や学力テスト結果といった限定された指標による「評定」ではなく、より良い教育環境実現のための「改善」へと移り変わっていったアメリカ合衆国での学校認証評価が紹介されている。

IMG_8184 

【第三者機関による学校評価機関の必要性】学校運営と教育内容の改善を促進・支援するための、第三者による学校認証評価accreditation)の仕組みが、日本でも必要であると私は考える。学校認証評価accreditation)とは、定められた基準に達しているということを、所定の機関によって公式に承認・認定することを意味する。

 日本では学習指導要領によって基準が定められており、どんな地域でも、一定水準以上の教育を受ける機会が保障されている。しかし、その成果を管理する仕組みは整っていないのが現状である。その結果、学力テストや進学実績といった一面的な成果を切り取った評定に陥る傾向がある。学校の地域性、児童・生徒の発達や家庭背景、学校の運営体制、授業、カリキュラム、教育政策など多面的な分析した上で、一定水準以上の教育を受ける機会が保障されているかどうかチェックしていく必要がある。

【※補足 オランダの教育監督局私が、オランダの教育行政を視察して感じたことも、教育の自由を保障する一方で、教育の質を保 障するための管理体制が整っていることだった。たとえば、「CITO」と呼ばれる全国テストなどを活 用し、学習習熟度や発達段階を測定することが義務付けられており、その結果を分析し、児童・生徒 一人ひとりにあった指導が計画される。学校運営に関しては、教育監督局という行政から独立した評 価機関があり、専門的な知見から学校を支援している。

【学校の裁量権拡大の流れ】1990年代以降、教育の規制緩和・地方分権改革が推進され、「学校の自主性・自律性の確立」が求められてきた。コミュニティ・スクールといった、保護者や地域住民の学校運営の参画や学校と地域の連携などの施策が進められてきた。個々の学校が自らのカリキュラムを編成・実施し、その教育の結果に責任を負うことになり、学校評価アカウンタビリティ(説明責任)が重要な政策課題とされてきた。

【日本での学校評価の課題】しかし、学校改善のための学校評価には、課題が多い。たとえば、以下のような点があげられる。
一人あたりの図書数や理科室や体育館の整備といった現状を評価するより、学力テストの結果等に焦点が当たっている。

教育委員会の支援との関わりが弱く、個々の学校の努力義務となってしまいっている。

J欷郤圈γ楼茲粒惺傘娠鳥臆茲函学校評価の公表などアカウンタビリティとが一体となって語られて、学校現場を混乱させている。



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2014年04月29日

スティーブ・ジョブズ・スクールを訪問して-オランダ報告11

2014324日から29日、(社)教育共創研究所はオランダ視察を主催しました。

イエナプラン教育の小学校、ダルトン教育の中等学校、スティーブ・ジョブズ・スクール(小学校)、教員養成機関(高等専門学校)、ロッテルダムの教育サポート機関CEDと特別支援学校を訪問し、この視察のコーディネーターであるリヒテルズ直子氏によるレクチャーと盛り沢山の内容となりました。今後、一つひとつご報告していきます。

 

スティーブ・ジョブズ・スクール

【インターネットの影響】

 現代社会では、インターネットが生活の一部となってきている。書類もPCで作成し、メールで送る。情報の更新が速い。中学生の時に覚えた内容が、20年後に役立つという保証はなくなった。情報量も爆発的に増加し、「知っている」ことよりも、学び方を身につけることが大切になってきた。教育のあり方も変わってくる。

働き方も変わってきた。単純作業をこなすことよりも、考えて行動する力が求められるようになってきた。学校でも、決まった内容を覚え、与えられた課題に答えるだけではなく、自分で課題を発見し、解決していく能力を育てようという流れに変わりつつある。

社会は複雑になり、個人や一つの組織で物事を解決できなくなってきた。関係者との協力が必要となる。学校では、協働することを学ぶようになってくる。

一人の先生が大勢の生徒たちに、知識を伝える画一的な一斉教授から、一人ひとりにあったオーダーメイドの学びに転換していく。

これらの教育についての考えは、教育哲学者デューイが提唱し、日本でも大正時代に新教育運動として、いくつかの実践がみられる。しかし、戦争の影響もあり、衰退した。何より、予算の問題もあり、一人ひとりにあった教育の実現は、当時では難しかった。

今、インターネットによって可能になる。家で授業の動画を見て、学校で協働学習する反転授業と呼ばれる授業方法が注目されている。

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スティーブ・ジョブズ・スクールとは】

上記のような社会変化から、20138月、オランダで10校の「スティーブ・ジョブズ・スクール」とよばれる小学校が試験的に開始された。筆箱やノートではなく、iPad(タブレット型コンピューター)などを活用。教科書と連動したソフトを使ではなく、実社会を教材としている。自由な学び方を採用しているが、学習内容は国が定めた学習目標にそったものである。
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DSCN1787始業時間はなく、決められた時間割はない。児童が自分たちで、時間割を組む。校舎もつねに開かれているので、児童はいつでも登校することができる。従来のようなクラスや学年、教室という概念もない。異なる学年の児童が、共に学び合う。実験や技術、美術など、学ぶ内容にあった教室を整備している。

スティーブ・ジョブズが建てたわけではない。それぞれの学校は独立経営である。私が訪問した学校は、裕福な子どもたちの学校と勘違いされるので、もっとオープンな学校名であるPerpetuum小学校に変更すると話しておられた。

【オランダの教育制度】

スティーブ・ジョブズ・スクールがアメリカではなく、オランダから生まれたのは、オランダの教育制度のおかげであると言える。

オランダでは、教育の自由が認められている。学校の教育理念や教育方法は、学校に任せられている。ただ、国によって、到達すべき学習目標は定められており、定期的に学力テストが行われている。成績を競うようなものではなく、子どもの成長を測定し、適切な指導を行うための材料となるテストである。この結果によっては、教育監督局が、学校の指導に入る。自由であるが、しっかりと行政によって管理されている。

多様な学校があるので、児童・保護者は、学校を選択することができる。通わせたい学校が無い場合は、規定(200人ほど)の児童・生徒が集まれば、学校を設立することもできる。設立の費用は、行政から出る。モンテッソーリ、イエナプラン、フレネ、ドルトンプランといった教育の実践が、提唱された国以上に、オランダで根付いているのも、教育の自由が保障されているからである。

オランダでの先進的な教育実践が背景となって、スティーブ・ジョブズ・スクールの特徴として実現している。たとえば、時間割を児童が自分で作ること、学習内容にあった教室を準備することは、ドルトンプラン教育の特徴である。イエナプラン教育では、異年齢の集団でクラスを作っている。現実社会を教材に、探究する学びを展開してきたことも、これまでの教育実践を引き継いでいる。 

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写真 イエナプランのクラスルーム

補足すると、オランダの小学校は、4歳から12歳。4歳の誕生日から通うことができ、バラバラに入学してくる。幼児の1年の差は大きい。4月生まれも、3月生まれも、一律に4月入学という日本とは違う。


【実際に視察して】

 私は、今年3月に、ブレダ市にあるスティーブ・ジョブズ・スクールを訪問した。日本の小学校のように立派な校舎や校庭ではなく、住宅に囲まれたこぢんまりとした施設であった。

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写真 校舎は手前のオレンジの平屋(後ろの建物は住宅)

iPadによる学習が強調されているが、それは方法論の一つに過ぎない。「ハイテクな」印象を持たれるかもしれないが、実際には技術や美術の実習ができる作業室もあり、対話ができる空間もあった。 

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私たちの訪問時、児童は4名しかいなかった。インターネットのオンライン学習との二本柱での一つである、学校での学び合いが、この人数では機能していない。

在籍は15名。学校設立の条件を満たしておらず、現在は企業の協賛によって運営されている。教育監督局とは設立に向けて話し合っており、児童を増やし、学校として認められるよう準備中とのこと。オランダにおいても先進的な学校のため、まだ保護者の理解が得られていないと校長は説明された。

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この学校について、オランダでも賛否が分かれる。
オランダの進学校の校長は、これからの時代の流れと認識されていた。一方で、私が出会った教員志望の大学生は、iPadに没頭し、友人との交流が薄れ、教育的効果はマイナスではないかと答えていた。政治家や評論家からも、否定的なコメントが寄せられている。

現在、オランダでは約六千人の児童が学校に通えておらず、ホームスクーリングの要請が市民からあがっている。また、国ざかいでは、オランダの教育に不満のある保護者が隣国の学校に子どもを通わせていると、校長は危機感を示しておられた。

「現実の社会にあった教育が求められている。もし、シュタイナー(現代の教育にも影響力のある教育哲学者)が生きていたら、iPadを使っていたであろう」と、校長が語っていたのが印象的だった。 

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2014年03月04日

スウェーデンの「いじめのない学校キャンペーン」動画

スウェーデンの「いじめのない学校キャンペーン(Friends)」の動画です。

赤毛の男の子がいじめられています。
それに対し、いじめ加害者‐被害者ではない第三者が赤く毛を染めて、自分はいじめを支持せず、被害者の味方であることを示し、いじめに働きかけています。

主人公の女の子が無視され、透明人間のように扱われています。
一人で食事をとっている透明人間扱いされている女の子。
彼女と一緒に食事をしようとする女の子が現れ、彼女は透明人間でなくなります。

これらの動画は、いじめを見て見ぬふりすることなく、スマートな方法で介入する積極的な第三者(Active Bystanders)の重要性を示しています。 
この動画のようにかっこいい形ではなくとも、無理なく、いじめに加担しないという意思表示を、周囲ができるようになれば状況は変わってきます。
残念ながら、いじめは起きてしまうもの。
でも、いじめが起きてしまった時に、一人でいる子に声かけして遊ぶ、けんかの仲裁をする、相談ポストの相談にのる、保健室に来た子をやさしく迎える、あいさつをするなど、何かしらの行動が取れる子どもを育てていくことが、いじめの対策なのです。


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2014年03月03日

ピア・サポート・プログラム(Peer Support Program)

前回、フィンランドのいじめ対策プログラムをご紹介しました。
http://goodman.livedoor.biz/archives/52063512.html
日本では、ピア・サポート・プログラムという子ども同士が支え合い、ともに伸びて行けることを目的とした教育プログラムがあります。

ピア・サポートPeer Support)のピア(peer)とは、仲間や同じ立場の人といった意味です。
教員が介入しなくても、同年代の子どもたちが友だちをサポートできるような人間関係を育てていきます。
子どもたちが困ったときに相談する相手の多くは同年代の仲間です。
ピア・サポートはそういった子どもたちの特徴を生かして、友だちをサポートしようとする子どもたちを積極的に育成し、クラスや学校に思いやりの風土を形成していくプログラムです。

千葉県教育委員会では、いじめ対策が課題となる中で、平成19年度から、小・中学校でピア・サポート・プログラム(「豊かな人間関係づくり実践プログラム」)の活用を推進しています。
豊かな人間関係づくり実践プログラム」は、「あいさつ」「助け合い」「コミュニケーション能力」等、人間関係づくりに必要な基本的な力を育むことをねらいとして、千葉県教育委員会が作成したものです。
http://www.pref.chiba.lg.jp/…
自己理解、他者理解、コミュニケーションスキル、対決解消スキル、守秘義務などを
ロールプレイなどの体験も交えて、学んでいきます。
私が見学した時は、感情を表す言葉についての授業でした。

ピア・サポート・プログラムを実施し、学校に思いやりの雰囲気が広まり、子どもたちの安心感がみられたとの声を聴きました。何かあったときに相談相手がいることは、子どもの安心感につながります。
いじめ加害者ー被害者でない第三者のサポーターの支援活動も育てています。
支援活動は、「一人でいる子に声かけして遊ぶ、けんかの仲裁をする、相談ポストの相談にのる、保健室に来た子をやさしく迎える、あいさつをする、新聞を作る」などです。
サポーターの子どもたちが「無理なく自分でできる範囲で何ができるか」をできるような成長が出てきているそうです。

本プログラムは、小・中学校9か年にわたる体系的プログラムで、各学年4時間の授業展開となっています。
教員用に1時間ごとの指導案、授業台本(細案)、教材が準備されており、
県内のどの学校で、どのクラスでも、同じ授業が展開されるようになっています。
教員による主観が入ることなく、一定の質も保つことができるわけです。

オランダの学校を視察して、教育プログラムの充実に驚いたのを思い出します。
日本では、学習指導要領がしっかりとしていますが、
各教員が教材研究に励み、授業案を作成している印象があります。
私自身もそうでした。
教員の事務作業を削減したら、「児童・生徒と向き合う時間を増やす」か「教材研究の時間を増やす」教員が日本には多いと感じます。
しかし、教員独自の教材というのは、当たり外れがあり得ます。
一方、1時間ごとの指導案、授業台本(細案)、教材が準備されているのは、授業の質は確保されます。
自由な教育方法が認められているオランダの学校では、
教育研究機関や民間教育事業者による教育プログラムを採用し、
教育行政の 監督のもと教育の質が保たれていました。
教育委員会などで、教育プログラムを開発し、それを管轄の学校で実施していくのは、合理的であると言えます。
DSCN0500
 ※写真 オランダ・ハーグ市の教育センターでの教材展示
2014年1月に視察した高知市教育研究所から 、「 あったかプログラム」という人間関係プログラムが市内の小中学校で実践されていると説明を頂きました。
DSCN1608



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2014年03月02日

フィンランドのいじめ対策プログラム KiVa program

以前にもご紹介しましたフィンランドのいじめ対策プログラムKiVaについて、あらためてまとめたいと思います。
KiVa 参考情報
読売新聞の記事 2011年11月23日

【フィンランドでKiVaが採用されるまで】
フィンランドでは、1990年代初めに、いじめに関する悲惨な事件や自殺などが相次ぎ、07年には銃乱射事件犯人の母親が幼少時代にいじめられいたなど、メディアが大きく取り上げたこともあって社会の注目を集めるようになった。
99年に学校の安全確保に関する法が制定され、03年の法改正で各学校にいじめ対策の行動計画策定が義務づけられた。だが、学校ごとにプログラムを作ると時間がかかり、効果があるかどうかもわからないので、06年に政府の依頼を受けて、いじめのメカニズムなどを研究してきたトゥルク大学のクリスティナ・サルミバリ(Christina Salmivali)教授らが中心となって「KiVa」の開発を始めた。09年から全国の小中学校で導入が始まり、現在、9割の学校で採用されている。

【いじめ対策プログラムKiVaの内容】
特徴は、いじめ加害者‐いじめ被害者という関係ではなく、学級の傍観者・何もしない児童・生徒に焦点を当てている点である。傍観者は、いじめに関係ないというのではない。学級内での人間関係など、いじめのメカニズムを明らかにする。
学級全体をチームととらえ、学級全員で良い学級を作っていこうという態度を育てる。
学校は民主主義の実践の場である。社会の不正に対し、「おかしいことは、おかしい」と言える市民になって欲しいというシチズンシップ教育が背景にあると感じた。

具体的には、いじめのメカニズムの知識を学び、いじめが学級全体の問題であるということをロールプレイングやイマジネーションゲームで疑似体験し、ディベートや対話、グループ活動を駆使して考えさせる。
年約20授業時間のプログラムである。
校長、保健委員やその他教員など3人以上からなるチームを作り、いじめが起きた学級の担任と協力して対応することになっている。

家庭向けのプログラムも用意してある。
KiVa いじめ対策プログラム保護者向けのガイド
問いかけ、いじめ被害者の家庭でのサポート、いじめに対し「やめて」と言いうための家庭での練習、周囲の仲間をいじめから被害者を救うための行動、ネットいじめ対策、親としての心得など、充実した内容である。
「もし、子どもがいじめに加わっていたら、何をすべきか?」など、具体的なものである。

【いじめ対策プログラムKiVaの効果】
「導入してから9か月後のいじめ被害の報告件数は、導入していない学校に比べて2割前後低かった。生徒の不安感、抑うつ傾向も低く、逆に学校への愛着や学業意欲は高かった。以前は『うちの学校にはいじめはない』と話す校長が多かったのが、『いじめはある。こういう対応をとっている』と報告するようになるなど、意識の改革もあった」とクリスティナ・サルミバリ教授は、読売新聞の記事で答えている。
教育新聞(2013年5月6日6面)では、「実施校では2年でいじめが4割減った」、「クラス内の問題解決に教員が自信を持てるようになり、生徒との間の信頼関係が強くなった」などの効果がみられるという。

【積極的な第三者を育てる】
このいじめ対策プログラムKiVaから、いじめ加害者・被害者ではない第三者への働きかけの研究が必要と感じた。
そういった視点で、マサチューセッツ工科大学の Active Bystanders が要チェックである。
ここでは、いじめを見て見ぬふりすることなく、スマートな方法で介入する積極的な第三者(Active Bystanders)となるための事例が紹介されている 
http://web.mit.edu/bystanders/index.html



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2014年02月11日

村丸ごと生活博物館(水俣市)を視察

2013年1月、水俣市に「村丸ごと生活博物館推進事業」を視察。学びが社会をどのように変えていくのか、生涯学習によるまちづくりの可能性を確かめに行った。まち全体をカレッジと見立てる柏まちなかカレッジとも相通じるものを感じる。近年、まちライブラリーや島まるごと図書館なども注目を集めている。村丸ごと生活博物館は、興味深い実践である。

【説明頂いた内容】 

DSCN0367丸ごと活博物館」(元気村づくり条例に定められている)集落全体を生活の博物館と見立て、水俣市が指定する。そこにこの取り組みの背景には、水俣病がある。住む人々が元気になる、そして地域が元気になるための仕組みである。村丸ごと生活博物館では、そこに住んでいる人々が、地域外の人々を案内する。案内するのは普段の生活であるが、交流(案内)を重ねるごとに、そこに住む人々は自分の持つ力に気付いていく。 http://www.city.minamata.lg.jp/423.html


日本全国から、医学、環境、経済、歴史、社会学、心理学など多様な分野の学者が集まり、公害である水俣病に至る背景についての研究がなされてきた。
単に、チッソが悪いということでは済まされない地域の関係がある。
それらは、水俣学として確立されている。

※水俣学 http://www3.kumagaku.ac.jp/minamata/project/about_project

DSCN0371環境モデル都市水俣市の公用車は電気自動車
村丸ごと生活博物館は、地域の学びを大切にしてきた伝統の上にあると感じた。
これは地域住民が、地域に誇りと愛着を持つことにつながる。
今では、水俣市は環境モデル都市として打ち出している。

沿岸地域から離れた山間地域の課題もある。

山間部には、鉄道がと通っておらず、村落が衰退していた。
この取組によって、村落に観光客が訪れ、住民が地域の良さに気付くきっかけとなった。
住民自身で、地域を美しくみせようとする動きが生まれた。
実際に、現金収入も生まれ、山間地域の住民の満足度が高まっている。

【得られたこと】

これからの修学旅行は、海外を知ることを目的にするのではなく、ショートステイなどで地域の文化を体験し、つながりを作ることに移行していくだろうと実感した。テロなどのリスク、為替変動、原油価格に左右される海外でなくても、日本の山村漁村農村の生活体験の方が、かえって貴重な勉強になるとも考えられる。

電気を使わないで生きていく体験など、「生きる力」を育む上でも有効である。

都市と農村山村漁村、あるいは農村山村漁村間での交流など、普段からの地域間の連携は、大切だ。災害時にも、大きな意味を持つ。物資輸送など緊急支援は、行政や大企業などが担ても、精神的な支援や細やかな手伝いなど、継続的な支援では、複合的な地域間の連携が大切になってくるはずだ。

世間の関心が薄れてしまいそうな時こそ、日常の交流がモノを言ってくるのではないだろうか。

これからの修学旅行のキーワードは、体験と交流と考えられる。 

DSCN0366
水俣湾を埋め立てた「エコパーク水俣」



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2014年02月10日

青年センターと教育研究所の複合施設アスパルこうちを視察

高知市青年センター教育研究所複合施設である「アスパルこうち」を視察。
教育研究所事業、特に、不登校やいじめに対する取り組みをお聞きした。
オランダで視察した教育サポートセンター機能を地方自治体で実現できないか検討しています。自治体の教育委員会には、教育研究所という機関があり、そこで自治体内の教育の質を保つような機能を担えば可能ではないかと考えています。
IMG_6307【目的】 目的の一つは、教育センターのあり方を考えるためである。
柏市は、中核市なので教職員研修を行っている(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第59条「中核市に関する特例」より)。
しかし、教育センターがなく、教職員が集まって研修を受ける場所がないという声を聞いている。中核市で、小学校41校、中学19校、高校1校と柏と同規模の高知市は、参考になると考えた。
 目的の二つ目は、教育研究所のありかたを考えるためである。
教育センターという箱物を作るだけでは仕方がない。その役割や具体的な事業を研究する必要がある。
 目的の三つ目は、青年センター教育研究所複合施設の運営の様子を、実際に足を運び、見ておきたかったからである。
不登校などの子どもたちと青年センター利用者である若者とが、どのように交流し、相互作用しているか?指定管理者制度への声などを教えていただいた 
 
教育研究所について】
  教育研究所は、教育相談班、特別支援班、教職員研修班の3つ機能を有している。
 教育相談版では、不登校やいじめ、帰国・外国人児童生徒、学校改善プラン、スクール・ソーシャルワーカーなどの事業を行っている。
 特別支援班では、障害による特別な支援に関することに取り組んでいる。
ことばの教室、就学前相談、出前研修、調査・研究、各部署との連携、LD,ADHD通級指導教室などの事業を行っている。
 教育研究所は、昭和29年に高知市役所内に設置され、幾多の移転を繰り返してきた。
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 スクールソーシャルワーカーは、平成20年から開始し、今年度・平成25年度では、7名を派遣してる(23,097千円。国3分の1、県3分の2負担)。
26年度には、2名増員し、9名の体制をとっている。虐待や経済的困窮など家庭環境に起因する深刻なケースについて、学校と関係機関を結ぶネットワーク構築をはかり、保護者・児童生徒をサポートしている。
教員やスクールカウンセラーにできない学校の外に出て支援していく仕事であり、評価されている。
Q-Uテストは、平成16年から実施しているが、現在は小3から中3までで年に一回の実施である。
財政的な理由から回数が減っている。
その分、高知市オリジナルの不登校予防のための学級経営・人間関係づくりの「あったかプログラム」と「あったかアンケート」を開発し、実施している
IMG_6241【施設について】 平成10−11年に議会にて提案がなされる。平成12年から高知工科大学へ基本構想が委託され、ワークショップや障害者団体への説明が行われ、進められる。平成19年2月に開館。
 アスパルこうちに入っている高知市青年センターと教育研究所は、個別の条例で制定されている。
 整備費は1,645,441千円。整備の財源は、合併特例債。
 指定管理者については、たとえば、教育研究所も入る公共施設にふさわしくないという意見が予測される。
施設を利用している教育研究所の職員に質問したところ、「不便を感じることはなく、むしろ、子どもたちのことを考えて優先的に使用させて頂いている」との答えが返ってきた。
指定管理者制度導入と言っても、運営を丸投げしたのではなく、市の指針をしっかりと示していることがポイントである。
 施設の予約無断キャンセルについての規定が興味深かった。
柏市でも、近隣センターのキャンセルについて、罰則を作るべきではないかと、市民から改善の声を頂いている。
厳重注意、施設の清掃、予約制限、使用禁止と、段階を追って罰則を科している。
「行政ではできないことだ」と市職員は話していた。
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写真 各社の教科書や教材を閲覧できる
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写真 電話相談は静かに集中して対応できる部屋がある
【課題】 アスパルこうちの課題として、不登校支援と複合施設活用についての二点があげられた。
 教育研究所での支援が充実しており、教育研究所のクローバー教室からの進学率も昨年は九割であった。学校の担任が見に来るなど、学校に戻るようなきっかけは準備しているが、戻らなくても教育研究所内で教育が完結してしまっている。痛し痒しの感あり。
 不登校などの子どもたちと青年センター利用者である若者との交流はない。今後、互いの成長に良い形で交流する機会を作っていけたらと考えている。
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高知市は、アンパンマンの作者やなせたかしさんが幼少期を過ごした地。


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2014年02月09日

ソーシャル・インパクト・ボンド-新しい官民連携の社会投資スキーム

2014年1月10日、ソーシャル・インパクト・ボンド国際シンポジウム「社会的インパクトの定量評価と新しい官民連携の社会投資スキームの構築へ」に参加。
人口が減少し、税収は減る。一方、高齢化やインフラの老朽化で、行政の支出は増えていく。
マイケル・ビチャード卿「今後の社会課題を解決するために、公的予算が充分に供給され続けるとは考えられない」(2012年7月)
地方自治体の経営を考える上で、避けて通れない課題である。
今回のシンポジウムでは、ソーシャル・インパクト・ボンドという仕組みを学んだ。
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ソーシャル・インパクト・ボンドとは?】
ソーシャル・インパクト・ボンド(社会インパクト債権、SIB)とは、社会課題を解決するための投資資金を集め、現行のサービスでは満たされない、社会的弱者のニーズに対応する施策へ資金を提供するものである。
2010 年に英国で開始された、新しい官民連携の金融スキームである。その特徴は、元受刑者の社会復帰や児童養護施設の運営等、長期的に社会的な効用の高い社会的な事業に対して、民間の出資者(財団や篤志家、民間投資家など)が一旦資金を拠出し、その事業の成果に基いて政府が資金を償還するという仕組みにある。 

予防医学や再犯防止の社会復帰プログラム、児童養護施設など、行政が予算を振り向けにくい予防的な施策で、その成果を発揮している。
 
 【期待と課題】
日本では様々な社会的課題が山積みとなっている。
国、地方自治体の債務比率の高さを考えると、
社会的な課題の解決に民間資金を呼び込みこむことが必要不可欠である。
SIBは社会的課題を民間の資金を取り込むことで解決を図る方法である。
また、その社会的な課題が解決された場合にのみに政府が事前契約に基づく成果報酬フィーを提供するスキームであり、失敗した
プロジェクトには納税者の税金が使われない。
この点で、日本のSIBの潜在可能性は極めて高い。
しかし、社会的価値を評価する手法や運用が、まだ確立されておらず課題となっている。

【財務的な評価だけでは測定できない社会的価値を評価する】
投資なので、客観的評価が必要になる。
しかし、「幸せ」や「社会的安定」など、数字で表せない価値をどのように測るのか?
事業に関わる複数のステークホルダーたちが合意できる指標を立てる。
そのためにも、事業の目標を明確にしていなければならない。
目標達成の中間指標を具体的に立て、計測する。
例)児童の交通安全意識>道路横断時の左右確認行動>交通事故件数

以下のような事業に対して、評価が行われた。
1)平成23年度セーフティネット支援対策等事業補助金
2)ITを活用した若者就労支援プロジェクト
3)震災復興プロジェクト
4)釧路市の生活保護受給者の自立支援プログラム ※春に視察しました。
5)日本財団での事業評価 など

図書館や児童相談所など、柏市でも考えていくべきテーマである。
導入に当たっては、市の優先順位や事業目的を明確にしなければならない。
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シンポジウムは、以下のような進行であった。
金子郁容氏(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授/SFC研究所所長)からご挨拶は、形式ばったものではなく、日本の社会課題についての英語でのプレゼンでした。
伊藤健 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任助教からは、「社会的インパクト評価と社会的投資の潮流」について。
伊藤氏は、米国Thunderbird Global School of Management にて経営学修士課程を修了後、GE Internationalに入社。シックス・シグマ手法を使った業務改善や、コーポレート・ファイナンス部門で企業買収後の事業統合等を行う。ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京、NPO法人ISLを経て2010年より 慶應義塾大学政策・メディア研究科 特任助教。主に社会的インパクト評価を中心に研究。「ソーシャル・ファイナンス」「ソーシャル・ビジネスの商品開発とプロモーション」等の授業を担当。Asian Venture Philanthropy Network日本アドバイザー、特定非営利活動法人SROIネットワークジャパン 代表理事。
      
元英国内閣府、センター・フォー・ソーシャル・インパクト・ボンド、社会インパクト分析官のエマ・トムキンソンさんからは、「英国におけるソーシャル・インパクト・ボンドの展開と英国政府の社会投資政策」について。
エマ・トムキンソンさんは、オーストラリア国家監査局を経て、2010年からオーストラリア、ニュー・サウス・ウェールズ州Department of Premier and Cabinet並びに財務局にて青年犯罪の更生事業に関する社会インパクト債の運営に携わる。2012年から2013年まで英国Cabinet Office勤務。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンス修士課程、メルボルン大学修士課程終了。
      
英国ソーシャル・ファイナンスのアントニオ・ミゲールさんからは、「グローバルに展開するソーシャル・インパクト・ボンドの動向」について。
アントニオ・ミゲールさんは、ポルトガルでの社会イノベーション戦略を企業に導入することを中心としたコンサルタンティングを経て、2012年4月よりソーシャルファイナンスにて現職。英国における刑務所再犯率低下関連のSIB事業や、若者の雇用支援するSIBスキームの開発を行っている。Catolica Lisbon大学において企業経営修士課程、ハルト国際ビジネススクールにおいてソーシャルアントレプレナーシップ修士課程修了。
 
パネルディスカッションでは、「社会的インパクト評価とソーシャル・インパクト・ボンドの日本での導入に向けて」について具体的な説明や質疑応答がありました。


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2014年02月07日

農漁村での宿泊体験を

修学旅行林間学校などこれからの宿泊学習のあり方について 
本ブログでも触れ、これからの宿泊学習のあり方として提案した農家民泊に総務省が動き出します。
山下は、鹿児島県をはじめ九州での農家民泊を視察し、柏市議会でも提案いたしました。

小学生もっと農漁村へ、総務省が宿泊体験強化
総務省は小学生に自然と触れ合う機会を提供する農漁村での宿泊体験事業をてこ入れする。2008年度に文部科学省、農林水産省と共同で始めたプロジェクトだが、企画・調整する自治体職員や教員の負担が重く思うように普及していなかった。学校との連絡や調整を担う橋渡し役を自治体が起用できるようにして約2万校にのぼる全公立小への普及につなげる。 2014/2/3 日本経済新聞 より

山下の議会質問 
山下洋輔議員2

※プロジェクトの詳細 総務省HPより 
「子ども農山漁村交流プロジェクト」とは、小学校の児童生徒が行う長期宿泊体験活動であって、農山漁村での自然体験や農林漁業体験等を行うなど、当該児童生徒が宿泊体験活動を行う地域の住民と接触する機会が確保され、かつ当該児童生徒が農林漁業等の受入地域の住民の営み又は受入地域の自然や文化を体験する機会が確保されているものを言います。
子どもたちの生きる力の育成や、農山漁村の地域活性化につながる、自然の中での集団宿泊活動を行う小学校の取組を推進するため、総務省、文部科学省、農林水産省は、連携して支援を行っています。
 http://www.soumu.go.jp/main_content/000215872.pdf

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2014年01月18日

苫野一徳氏「どのような教育が『よい』教育か - 建設的な教育議論のために」

「教育とは何か、そしてそれは、どのようにあれば「よい」といいうるか。」「教育の本質と正当性の原理を探究解明することは、教師だけでなく、教育行政をはじめ教育の構想にかかわるすべての人たちにとっても、きわめて重要な意味を持っている。」(苫野一徳どのような教育が「よい」教育か』序章より)

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2014114日、一般社団法人教育共創研究所で、教育哲学者の苫野一徳氏(早稲田大学・日本学術振興会)をお招きし、「どのような教育が『よい』教育か - 建設的な教育議論のために」と題したセミナーを主催いたしました。

一般社団法人教育共創研究所とは、地域から全国の教育に働きかけていくプラットフォームです。議会質問の研究や結果を全国の地方議員と共有し、地方議会から日本の教育を良くしていこうと取り組んでいます。

議会質問勉強会やセミナー、国内外の教育先進事例の視察、Web上での議会質問共有を行ってきました。

2000年以降、教育行政の政治主導が進んできています。最近の教育委員会改革の議論を見ても、その傾向は強まっています。教育委員会での権限が弱まりつつある中、首長に対する議会のチェック機能がますます重視されてきます。議員も教育に関して、チェックできる力を持たなければなりません。

 

「ゆとり」か「つめこみ」か?「叱る」のか「ほめる」のか?
教育問題の様々な理念対立はなぜ起こるのでしょうか?
歴史を振り返っても、これまで同じような論争は繰り返し行われてきました。いたずらに表層的な論争を繰り返すのではなく、日本の教育を少しでも前に進めていくためには、課題や論点の整理が不可欠といえます。そこで今回は、気鋭の哲学者・教育学者であり、『どのような教育が「よい」教育か』の著者である苫野一徳氏をお招きし、教育問題を哲学問題ととらえ直し、現代教育の行き詰まりを根本から考え直す機会にしたいと思い企画いたしました。


これまで教育は、たとえば、いじめ事件や学力低下など、表面的な議論をされてきました。しかし、苫野氏は、哲学の認識の原理から、人類の歴史まで掘り下げて、底の底から考えた教育の根本原理を提示されました。

「どのような考え方をすれば、誰もが納得できるような考え方といえるか?」

たとえば、「先生に厳しく指導されたから、今、立派になった。だから厳しく教育すべきだ」など、人は自分の考えや経験を一般化してしまいがちです。これを苫野氏は、「一般化のワナ」と呼び、気をつけるようにと指摘します。

また、たとえば、「厳罰主義か、感傷主義か?」、「教えこむべきか、主体性を重視すべきか?」など、どちらかが正解かのような問いの立て方を「問い方のマジック」と呼んでいます。つまり、答えは二者択一ではなく、目的や状況によって変わりますし、それ以外の選択肢を無視してしまうからです。

「どのような考え方をすれば、誰もが納得できるような考え方といえるか?」

もう一度、考えてみます。

たしかに、「これこそが正しい教育だ」という答えはありません。相対主義が台頭し、建設的な議論ができない時代が続きました。しかし、他者の意見を受け止め、そこからお互いの納得のいく考え方を作り出していこうとすることはできるはずです。

苫野氏は、この誰もが納得できる原理として「自由の相互承認」を提示しました。ホッブズ・ルソー・ヘーゲルと社会を構想した哲学をたどり、ヘーゲルの「人間の本質は自由である」という考えを基礎としています。

教育の原理は、「各人の〈自由〉および社会における〈自由の相互承認〉の〈教養=力能〉を通した実質化」であると、苫野氏は示します。

各人の自由を保障する「権利」や他者の自由を侵害しない「ルール」、一部の人のみならず、すべての人の自由を実現するための「一般福祉」を重要と考えています。

より「良い」教育のあり方や方法は、その「目的」を達成するために、「状況」に応じて選択・組み合せ・創造されるものです。

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講演の要旨をまとめてみると、ごく当たり前の話で、拍子抜けしてしまうかもしれません。「良い」教育とは、◯◯である、と断言してもらったほうが、ご利益がありそうな気がします。しかし、実際の社会は複雑で、多様であり、それぞれの状況に応じて、目的達成のために対応していくという考えは、納得できるものではないでしょうか。

状況を把握するために社会科学が必要となり、目的を明確にするために哲学が必要となります。

教育問題を論じるときに、「一般化のワナ」に陥っていないか?、「問い方のマジック」かかっていないか?、を自問自答し、自由の相互承認の実現という観点で考えてみたいと思います。



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2013年11月19日

子どもの声から学び、社会に活かす

今日はネクスファでストーリーテリングのプログラムを実施。子どもたちの成長は目覚ましく、人の話を聴く姿勢と人前で話す姿勢が身についてきました。
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話の内容も深まってきました。「学校で勉強しないで遊んでいたい」という声に対し、「勉強しなければ学校の意味がない」という意見が出て、「学校の意味は?」といった問いから、「勉強しないと大人になれない」という意見、「大人にならなくてもいい」という意見、大人になりたくないかどうかの話合いが展開し、大人の定義について考えました。子どものままでいたい大人の増加している社会問題にも通じるテーマだった気がします。「放課後の理想的な過ごし方」について、川などでの外遊び、家を作る、お手伝いしてお金を稼ぐ、本を読む、夕食の手伝いなどが出てきました。外遊びについては、治安や自然環境などが課題です。夕食の手伝いについても、夕方に親が家がいて食事を作るという当たり前のように思える家庭環境が、当たり前ではないのかもしれないと気づかされました。 
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実は私にとっても、毎月この時間は貴重な学びです。子どもの声を直接聴くことができるからです。私は、常々、子どもの視点をいかに市政に取り入れるか考えています。子育て支援政策と言っても、親など大人の要望がベースになっており、当事者の子どもの意見とずれている場合も多々あります。子どもと信頼関係を築き、少しずつ本音を聴かせてもらえるようになれば。文字通り、子ども学ばせて頂いています。
子どもの声を聴くにも、言葉の話せない小さい子どもの声は、大人の想像力や自分事とした真摯な感性にかかってくるとのご助言を頂きました。そういった感性も磨いていきたいと思います。
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2013年09月24日

修学旅行や林間学校、これからの宿泊学習のあり方について

修学旅行林間学校などこれからの宿泊学習のあり方について。
修学旅行とは文字どおり学をおさめるという旅です。
そういった意味では、ヨーロッパの貴族が行っていたグランドツアーといったものがあります。書籍で得た地理、歴史の知識を史跡めぐりなどによって実地で学び、文化的な教養を身につけていきました。パーティーなどに参加して社交を学んでいき、人脈も広げていきました。地元を離れて庶民の生活を知り、自国での政治に生かしていきました。ロシアのピョートル大帝の事例などが有名であります。
日本では講を組み、お金を積み立て、数名が村から送り出されていったお伊勢参りの伝統もありました。
近代になってからも一般の庶民の所得が低かったころは、なかなか遠方へ旅行へ行くこともできなかったため、見聞を広めることが修学旅行の大きな目的とされているところはあると研究の中でも言われております。
しかし、現在では海外を含め遠方へ旅行に行く家庭も多くなってきたところから、修学旅行の存在意義を問う声も一部にはあります。
修学旅行費用の捻出が困難な家庭の存在、入試や部活動の大会との兼ね合い、授業時間の確保、旅先での不祥事など、課題は多いものです。しかし、一方でその意義は長年の実績からも認められております。
そこで、この授業時間の確保が難しい中や旅費の積み立ても大変な中、実施する修学旅行のあり方について考え直す時期にきています。
柏市では、小学校は日光へ、中学校は京都・奈良へ修学旅行先としております。歴史文化を学ぶ上で妥当なものと考えております。
一方で、物見遊山ではなく、本来の文字通りの学をおさめる学習活動を市の目的としてフィールドワークや地域調査や取材活動など、レポートをまとめるような活動をしている学校もあります。
今、児童にとって必要なことは、例えばこの農家の民泊など地域の文化を体験し、つながりをつくっていくことではないかと私は考えております。
都市と農村、山村、漁村、あるいは農村と農村、山村と漁村などの交流など、ふだんからの地域の交流は一生の財産となります。
私が高校でで歴史の授業を行っていて感じたことは、農業の発達を説明するにしても、
「くわなど農具のことがわからない」、「水田を見たことがない」、大人にとって当たり前のことがイメージできない子供がいるということがあります。
これからますます当たり前と感じているこの日本の生活に触れる、触れられる機会は減ってきています。
京都で寺社をめぐる旅は、家庭でも企画できますが、農村の暮らしを体験するには、学校の支援が必要なのが現状であります。

修学旅行に農家民泊を取り入れることは意義があると考えています。
また、林間学校や校外学習で市内の農家に農業体験を行うことについても、ぜひとも実行していってほしいものです。

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2013年06月26日

スクール・ソーシャルワーカー

子どもたちが、健やかに成長していくためには、学校や家庭が安心・安全に生活できる場であることが不可欠です。しかし、いじめ、養育困難、家庭内暴力など様々な事情で、その安心・安全が確保できず、不登校や学校内外における問題行動を引き起こすなど、子どもが抱える課題は複雑化しています。
このような課題に対して、学校や家庭、地域を含めた子どもたちを取り巻く環境に着目し、その調整を図るのがスクール・ソーシャルワーカーです。
いじめ、不登校など教育の諸問題は、こども本人の問題のみならず、家庭・地域・社会・経済の問題と密接に関わるものであると考えます。つまり、児童生徒本人が抱える問題は、学校や本人のメンタルの問題だけではありません。
そこで、東京都でも30の自治体が、スクール・ソーシャルワーカーを導入し、学校や児童生徒を取り巻く問題に取り組まれています。
スクール・ソーシャルワーカーは、県、政令市、そして、中核市において、事業を申請できるとのことです。
柏市は、スクールカウンセラーメンタルフレンドなど教育相談事業に取り組まれていますが、スクールソーシャルワーカーの導入も検討すべきと、私は考えます。

社会福祉の専門家であるスクール・ソーシャルワーカーの支援は必要なことと考えているとのことです。
現在、柏市では、家庭の問題、児童虐待の問題を抱えている児童生徒への対応は、東葛飾教育事務所に1名配置されているスクール・ソーシャルワーカーや家庭児童相談室、児童相談所等と連携を図りながら児童生徒の支援を行っています。
また、社会福祉士の資格はありませんが、教育分野に精通し、千葉県のスーパーバイザーが、社会福祉の知見も有しており、相談活動や他機関とのコーディネートをしていただいている方を市教委で雇用しているとのこと。市教委としては、まずは教育と福祉の両面にわたり知識と技術を持って活動しているこのスーパーバイザーの方のお力をかり、教育相談体制を整えていきたいと考えているそうです。
加えて、千葉県教育委員会に対しては、スクール・ソーシャルワーカーの増員を要望していくとの議会での答弁がありました。

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2013年06月25日

いじめ対策としての学校仲裁所制度

学校仲裁所制度についてご紹介します。これは、仲裁所を建設するというのではなく、児童・生徒の間で生じたもめごとや問題を、当事者である児童・生徒自身が話し合いで解決していくための仕組みです。
当事者同士が話合いによって、相互理解を深めていきます。

ノルウェーのオスロ市で実践され、いじめ対策としても有効であると評価されています。
仲裁委員は、児童生徒の中から選出され、研修を受け、活動を開始します。
学校仲裁所をサポートする教員は、他校の担当教員と情報共有し、話し合いを行っています。

オスロ市の小学校で仲裁委員になった子どもからは、次のような感想が出ています。
・自分より小さなこと遊んであげます。校庭でみんなと遊んでいるときに意見が合わなかったり、摩擦など観察します。深刻な紛争、ケンカがあれば、仲栽室へ連れて行きます。誰も一人ぼっちになってはいけないのです。
・いじめを止めて、学校を楽しくしたいと思いました。
・お父さん、お母さんからも「誇りに思う」と言われた。また、クラスメートからは「格好いい」と言われた。
・将来は、弁護士になりたい。お医者さんになりたい、など将来を語る。

この学校仲裁諸制度は、いじめ対策のみならず、これから生きていくうえで必要不可欠な対話力を育て、子どもの自治、子どもが主人公、子どもの権利をベースにした公民教育・シチズンシップ教育です。

こういった教育を受けた子どもが、大人になり、主体的に社会に参加していくことになると期待されます。
この学校仲裁所制度を日本の小学校において、生徒会活動や学級活動など、何らかの形で生かしていくことについて、柏市の市議会で提案いたしました。

「いじめ対策等としての学校仲裁所制度」について調べていたところ、ノルウェー;オスロ市「ディーセン小学校」の実践が、北海道議会の視察報告で紹介されていました。http://www.gikai.pref.hokkaido.lg.jp/_/jyohoukoukai/grp/2010-8-26houkokusyo.pdf


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2013年06月20日

柏市のメンタルフレンド事業-大学生の力を活かした教育相談

柏市には、不登校や長欠の教育相談事業の中に、「メンタルフレンド」事業があります。

メンタルフレンド事業とは,教員を目指している大学生や大学院生を中学校に週1回配置し,事情があり教室に入れなくなってしまった生徒に,別室において学習支援を行ったり,話し相手になってあげるというものです。

これは、教育分野を志望する大学生にとっても、中学生にとっても、そして学校にとっても有意義なものだと、私は思います。大学生にとっては、実地で生徒と向き合う経験になります。中学生にとっては、教員や親や友達には話せないことが、メンタルフレンドの大学生には話せるかもしれません。

メンタルフレンドとして中学校に配置された大学生のコメントを紹介します。
貴重な「メンタルフレンド」体験
https://u-times.jp/categories/international/detail_1045.html

柏市議会にて、私、山下洋輔が、このメンタルフレンド事業について質問し、以下の答弁が返ってきました。

平成24年度は,1年間で14の中学校に17人を配置し,合計303日の勤務がありました。
この事業の成果としましては,不登校気味の生徒へのきめ細かな支援が増えることにより,学習意欲が戻ったり,メンタルフレンドの勤務日だけは登校できるといった生徒が増えたりしております。
 
また,今年度は,昨年度からの課題であった人員の確保に向け,14の大学に拡大して募集をかけ,現在のところ要望のあった中学校には全てメンタルフレンドを配属しているとのこと。
「週1回ではなく,より多くの日数を」という声が、中学校から多く聞かれているそうです。柏市は、それに伴う人材確保,予算の確保に努めていくとの答弁でした。

開かれた学校を目指し、地域・社会の人材・資源をどんどん活用し、より良い相互作用が起こっていくことが望ましいと考えます。


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2013年05月21日

釧路市 子どもの学力保障条例

釧路市役所にて、議員から提案された「釧路市の子どもたちに基礎学力の習得を保障するための教育の推進に関する条例」と「生活保護自立支援プログラム」を学んできました。
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地域経済の停滞、仕事がない、生活保護の増加など、学校だけではなく社会が一体となって取り組まれています。
釧路市の基礎学力習得を保障するための条例に対して、賛否両論ありました。努力目標ではあるが、具体的な数値で結果を示すことへの評価。一方で、テストの点数主義に陥り、子どもの学習意欲を削いでしまうという反対。
基礎学力を「読み書き計算」と定義したことで、創造性や思考力、コミュニケーションなど、これから必要とされる学力を育むことが軽視されるのではないかと、私は危惧しました。大学と提携し、創造性などを評価するテストを開発し、市独自のテストを実施していくことについて、考えてみました。
何はともあれ、釧路市の危機的な状況が、この条例を生んだのだと思います。生活保護世帯が多く、教育格差が広がっている現状があります。掛け算が出来ない従業員がいると嘆く経営者もいるそうです。教員の勤務状況についても、外部からのチェックが必要でした。
立場の違うメンバーで視察すると、同じものを学んでも、違う考えを聞くことができます。視察メンバー同士の意見交換も貴重です。

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2013年05月09日

自治体の教育委員会は、文科省の言いなり?

「自治体の教育委員会は、文科省の言いなり」だという意見を聴きますが、単純にそういうことでもありません。基礎自治体(市町村区)の教育委員会は、どのような権限があり、どのような仕事を行っているか整理しておきたいと思います。

 基礎自治体(市町村区)の教育委員会には、人事権がありません。教職員は、基本的に、都道府県の教育委員会の管轄です。採用や懲戒は、都道府県の教育委員会が行っています。

 
 基礎自治体の教育委員会は、施設に関すること、そこで働く教職員の服務監督を行っています。人事権はありませんが、異動を行うことはできます。

 
基礎自治体の教育委員会の中で、課題になってくる大きなテーマをいくつかあげてみます。

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⊂中学校の統廃合

6疑Πの年齢構成のアンバランス

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たとえば、柏市では、今から30−40年ほど前に、人口が急増し、同じ時期に校舎が建設されました。同じ時期に、校舎の老朽化が進み、立て替えや改修に多額の費用がかかります。

 

教職員の年齢構成のアンバランス

教職員の年齢構成は、50−60代と20代にピークがくる二こぶラクダの背中のようになっています。30代の教職員が、きわめて少なく、学校経営を担う人材が足りなくなると予測されます。団塊の世代の大量退職により、ベテラン教員の経験の継承も課題です。一方で、退職教員の再任用により、組織の若返りが図られないという課題もあります。

 

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今後、人口が減少すると予測され、税収も落ち込む中、どのように公共サービスを維持していくかが、行政の課題です。しかし、学校は、教育機会を保証する役割を担い、また、卒業生の心のふるさとでもあり、地域コミュニティの核となる、きわめて公共性の高いものです。学校の統廃合、あるいは、地域と共に学校運営を続けられるような体制作りが課題となっています。

 

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教育内容は、学習指導要領で定められています。しかし、何を教育目標に定め、どのような教育内容に重点を置いていくか、自治体の姿勢が表れます。「文科省の言いなり」という表現を耳にしますが、地域の特色ある教育を実践する枠組みは、用意されています。

ビジョンをもった予算の配分が期待されています。

※中核市、政令市の場合
都道府県の教育委員会から、人事や研修などの権限を委譲される自治体の教育委員会もあります。
たとえば、政令指定都市の千葉市では、人事権を委譲されました。この場合、教職員の人件費は、千葉市が支払うことになります。また、中核市である柏市は、研修事業を独自に行うことができるようになりました。



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2013年05月01日

高校で英語の授業が英語で行われることについて

平成25年4月1日の入学生から、学習指導要領が適用されます。
その中で、高校の英語の授業を英語で行うことについて、意見などを求められることが増えてきましたので、このブログでもコメントしたいと思います。


学習指導要領には、生徒が英語に触れる機会を充実するとともに、授業を実際のコミュニケーションの場面とするため、授業は英語で行うことを基本とすることが明記されています。

改訂の趣旨を読んでみると、その心意気は評価できます。


そこで、この改訂について、学校現場の声を聴いてみました。

 授業を英語で行うとなると教員の負担が増えるのではないかという声について。高校の英語の教員は、いわば英語の専門家です。まったく負担がないわけではありませんが、対応できるでしょう。

 心配なのは、生徒側です。特に、学力が高くない学校では、厳しいと予想されます。アルファベットすら、身につけていない生徒がいるのが現実です。

しかし、学習指導要領で定められた以上、英語で授業を行っていくという事に関して、無理だと言っている場合ではなくなりました。アルファベットを身につけていない生徒は、基礎的な会話からはじめ、日常生活での会話は身につけさせられます。

  小学生5、6年生でも英語の授業が行われており、下地はできつつあります。最初は、混乱が予想されますが、長い目で見る必要があると思います。

  これまで、学術論文のスキルとしての文法に偏りすぎていた。アルファベットが書けないような生徒には、まずは、日常生活で使用する会話の習得が大切。

 

お話をお聞きし、授業を英語で行うことに関する議論は、方法論に過ぎないと感じました。英語の学習内容が、文法などを中心とした読み書きスキルから、議論や対話スキルへと広がっているのです。

書簡から、電話。メールから、スカイプなどのテレビ電話。文字だけではなく、音声や映像による媒体が増えてきました。通信手段や伝達手段も多様化しています。このような背景があるのです。

 

これからの英語の授業は、海外との恊働を行っていくのが良いと、私は考えます。英語は手段です。その英語を使って、何を学ぶかが重要となってきます。

たとえば、海外の学校とメールやテレビ電話を使い、共通のプロジェクトに取り組んでいくというプログラムがあります。

私が訪問したオランダのホフスタッド・リセウムでは、ドイツやヨーロッパの高校と提携し、実際に起業をするという共通のプロジェクトに取り組んでいます。その他にも、水問題やアフリカに学校を建てるなどのプロジェクトも行ってきています。

英語を使って、メールのルール、ディスカッション、計画立案、対話、まさに生きる力を学んでいるのです。

 この学習指導要領改訂が、これからの日本の英語学習が、新たなステージに進むきっかけとなる事を願っています。



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2013年01月24日

いじめ-柏における相談機関

いじめ問題には、犯罪、格差、地域性・社会性など、学校だけではなく関係機関とともに取り組むべき問題があります。
柏市内には、どのような関係機関があるか、紹介いたします。
教育委員会が作成した「いじめ問題対応の手引き」より引用いたします。

★子どもが直接相談できる機関

〇24時間いじめ相談ダイヤル 0570−0−78310(ナヤミイオウ)

〇柏市補導センターやまびこ電話 04−7166−8181(ロクロクハイハイ)

〇千葉県警少年センター 0120−783497(ナヤミヨクナル)

★ 関係諸機関との連携
いじめの問題の解決には,学校だけでなく,医療,福祉,警察等の諸機関がそれぞれの専門性を生かしつつ,状況に応じて下記のような関係諸機関と相互に支援協力する体制を確立することが必要な場合があります。

○柏市教育委員会            04−7191−1111

・指導課(生徒指導)          04−7191−7369

・柏市立教育研究所(教育・発達・不登校)04−7131−6671

○柏市地域生活支援センターあいネット  04−7165−8707

○千葉県教育庁東葛飾教育事務所     047−361−4103

○千葉県親と子どものサポートセンター  043−207−6028

○柏警察生活安全課           04−7148−0110

○千葉県警東葛地区少年センター     04−7162−7867

○柏市少年補導センター         04−7164−7571

○柏市役所家庭児童相談         04−7167−1458
法務省「子ども人権110番」           0120−007−110



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2012年08月24日

小規模校の特性を活かした教育‐少子化時代の教育

千葉県柏市では、「小規模校の特色を活かした個別教育について」に取り組みます。
柏市には、マンション建設や住宅地開発
で急激に児童生徒数が増える学校がある一方で、全校生徒が数十人という小規模校も存在しています。そこで、柏市では、児童数の少ない手賀東小学校に、小規模特認校制度を活用し、他学区からも児童の受け容れを行うことにしました。
小規模校に通わせるのは、大勢の中でもまれる機会に恵まれず、全国的なレベルに遅れてしまうのではないかという不安が持たれています。(写真は、柏一小との交流会。2年生が柏一小と交流を深める会を実施しました。
まずは体育館で学校紹介とゲームをしました。小規模校のデメリットをカバーする取り組みの一つ。手賀東小HPより)
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ただ、小規模校ならではの強みがあります。
少人数クラスで、教員の目が行き届き、きめ細やかな指導が可能に
なります。やはり、担任する児童生徒数が少ないと、採点・面談・通知表等の所見・生活記録チェック・連絡などなど、教員は一人一人に手厚くなり(負担も軽減され)、じっくりと子どもに向き合うことができます。授業も、黒板に板書して、学習内容を伝達する一斉授業ではなく、児童生徒に問いかけながら、一緒に学んでいく授業が可能になります。アクティブラーニング」や「学びの共同体」といった能動的な学びは、今、世界の流れで、日本の学校でも求められている最先端の授業形態です。
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(写真は、手賀西小での英語学習。協働的な学びが実現されています。手賀西小ブログより)
今、手賀西小や手賀東小では、少人数の特性を活か
した英語学習が注目を集めています。自然観察など体験的な学びの機会を増やす余裕も生まれてきます。
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(写真は、手賀西小での農業見学。手賀西小ブログより)
小規模校は、学校全体が家族的な雰囲気があります。学年を越えた交
流があります。核家族化が進み、世代を超えた交流が持ちにくい都市部とは一味違った、地域の方との交流も期待されます。(写真は、手賀東小での収穫祭。地域の方も協力して開催。)
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少子化が進むこれからの時代、小学校の統廃合という課題が出てくることは確実です。しかし、自分たちの母校がなくなってしまうのは、コミュニティ・アイデンテティや地域への愛着という、これから時代に必要とされる地域資源を損なうことになります。
また、競争も激
しく、勢いのある都市部の大規模校がある一方で、少人数でじっくりと学び合う小規模校が存在するというのは、多様な教育体制が整った、深みのある自治体であると、私は考えます。柏市での小規模特認校の取り組みを、全国の先進的な事例として、これからの日本の教育の一つのモデルになると期待しております。


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2012年08月16日

教育委員会の教科横断プログラム開発

堺市教育委員会では、「子ども堺学」モデルカリキュラムを構築し、主体的参加型学習を実現させようとしている。学習カリキュラム・プログラムを、教育委員会が音頭を取って、広く知識を集めて開発することに意義を感じている。
 掛川市の生涯学習都市宣言に基づく掛川学、金沢市の外国語学習など、地域素材を活かした横断的な学習の取り組みは、他でもあった。
 教科を横断した学習のカリキュラムの実施は、学習指導要領との兼ね合いが難しい。一教員が、意欲的な試みを実践しても、負担は大きいが、広がりがない。周囲に妨害されることも多いのが現実。教育委員会が、叡智を結集し、研究開発特区も視野に入れながら、モデルを作り上げて欲しい。
 オランダで痛感したのは、教育プログラムを、教育センターのような機関が開発し、教員が活用していること。学校は、教員の教材研究の負担を軽減するだけでなく、良質で生徒に安定した教育内容を提供できる。

http://www3.sakai.ed.jp/weblog/index.php?id=sakai159&type=2&category_id=1048&date=20120331&optiondate=201106

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2012年08月03日

柏市内のいじめの把握状況について

【柏市内のいじめの把握状況について】

8月3日、柏市議会教育民生委員会にて、柏市内のいじめの把握状況についての報告があった。
柏市では、以下のような取り組みがなされている。

平成24年度1学期にいじめ調査を実施(結果は、本文末尾に掲載)。
調査後、指導主事による学校訪問を実施。
聞き取り。教職員への指導・研修。

上記の報告に対し、私は以下の質問を行った。


Q1調査方法は?
A1アンケート調査、生徒-教員の面談、生活ノートの取り組み、教員・担任同士の連携。


Q2アンケート調査の質問文は、文部科学省や教育委員会が作成したものか?
A2各学校で作成。内容については、・・・


Q3教員への指導・研修とあるが、どのようなものか?
A3人権に関する研修、いじめを見抜く感性を鍛えるリーフレットや実践事例集の作成・配付、道徳教育での授業研究・・・・


Q4これらの教員への指導・研修は、大津での事件を受け、従来の研修に追加されたものか?
A4・・・(研修内容の説明などの答弁)


Q5 この質問の意図は、指導・研修を徹底せよというものではない。いじめの報道を受け、現場の教員の負担が増えることを危惧している。いじめ調査でも行われていたように、生徒との面談や生活ノートを通した指導をきめ細かくできるよう、教育委員会としては、教員の負担を軽くし、生徒と向き合える時間を確保するように取り組んでいただきたい。以上。


※平成23年度問題行動調査によるいじめの状況
小学校113件、中学校184件
(区分)
解消しているもの-小学校85、中学校139
一定の解消が図られ、継続支援中‐小学校21、中学校31
解消に向け、取り組み中‐小学校6、中学校14
転学、退学‐小学校1、中学校0



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2012年04月05日

柏市教育振興計画

柏市の教育振興計画が公表されました。

柏市教育振興計画は、地方自治体が取り組む、これからの教育が一通り網羅されています。
それだけでも、なかなか読み応えがあります。

さらに、柏の地域性や考えが書かれた部分を読み取っていくと、お子様が受けている教育の意味、さらには、私たちが働きかけていかなければならない部分が見えてきます。
立派な計画の作文に終わらせず、しっかりと計画通りの教育が実践されているか、チェックしていく必要もあります。
http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/280100/p011179.html

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2011年05月09日

みんなで作る博物館-吹田市立博物館

市民が企画運営に携わる吹田市立博物館を見学しました。
大阪府吹田市は、万博公園のあるまちです。
特別展「万博市民展」に関わる多彩なイベントや講演が開かれていました。
市民で作るという観点だけでなく、見学会など博物館がまちに出ていくこと、草の根の国際交流企画が、ほかの市町村立博物館にも役立つポイントになると感じました。

平成22年の特別展「災害から地域遺産をみなおす」では、災害から地域遺産を守り、次世代に伝えていくとはどういうことなのか、どうすればいいのかといった災害と地域遺産について考えられています。震災後の今、大切な提言だったと振り返っています。


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2011年03月25日

地方分権型の教育


金沢市は、2004年から世界都市金沢・小中一貫英語教育特区として、08年からは教育課程特例校として独自に英語教育を推進している。 地域の歴史文化を世界に発信できる英語力を目指した教材を入手できた。 英語圏の歴史文化を知るとともに、 やはり、自国の、自分の住む地域のことを語れなければ、片手落ちになる。 地方分権型の教育活動として、柏市の教育にも参考にしていきたい。

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