ストーリーテリング

2015年02月04日

自分たちの居場所は、自分たちで作っていく

子どもたちの第三の居場所である民間学童のネクスファにて、毎月、ストーリーテリングのプログラムを実施しています。

今日は、「理想のネクスファ」について話し合いました。先月は「理想の学校」に引き続いて、自分たちの居場所は、自分たちで作っていくという意識を育てていくことを目指しています。
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それぞれのアイデアを、みんなの前で発表し、意見交換しました。アイデアを否定するような質問では、積極的にアイデアが出にくくなってしまいます。
質問はアイデアをブラッシュアップしていくためのものであるという建設的な姿勢を提案しました。

話し合いのファシリテートや質問に対しての受け答えができるようになり、成長を感じます。
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今、ネクスファでは、来年度、同じ建物にある空き部屋を借り、新しい場所作りに向けて取り組んでいるところです。
そのための作戦会議を、これから行っていくところでした。建設的な話し合いをしていくために、今日の学びを生かしてもらえたらと思います。
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新しい場所作りについて、クラウドファンディングでご支援を募っています。
https://readyfor.jp/projects/nextph
こちらも、よろしくお願いします。


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2015年01月18日

こども哲学のすすめ

【こどもは哲学的】

 70年前の11月22日、手賀沼で多くの若い女性教員がお亡くなりになった。研修のために、船で手賀沼を渡ろうとした時に、突風のために船が転覆してしまった。当時は、戦時中。男性教員は少なく、まだ10代、20代の女性教員が学校現場を支えていたのであった。

 昨年の11月22日に開催された慰霊式にて、遺族の方のお話をお聴きした。父親が戦死し、母親も事故で失った。事故そのものの悲惨さだけでなく、その後の生活の大変さが伝わってきた。戦争は、多くの人びとの人生を変えてしまった。二度とあってはならないと思った。

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 小学生のこどもの感想のようになってしまった。しかし、かえって、こどもの方が真剣に考えていることもある。そういえば、私も、こどもの頃には、学校の先生や親の話やテレビから、環境問題や財政が、このままではいけないと危機を覚え、居ても立ってもいられなくなったことを思い出す。

 また、こどもの素朴な疑問は、本質的な問題を指摘している場合もある。大人になるにつれ、現実との兼ね合いの中で、見て見ぬふりをしていたり、疑問を感じなくなってしまう。

 フランスの経済的に恵まれない地域での幼稚園のこどもが、哲学的な対話を繰り広げるドキュメンタリー映画『ちいさな哲学者』が話題になった。いま、こどもが哲学的に対話する実践が注目されている。

 

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【こども哲学とは】

 これからの社会は、これまで以上に変化が激しくなると予想される。小学校で覚えた知識は大人になったら役立たない場合もあり得る。知識ではなく、学び方や考える力を身につけることが大切になる。

 社会課題は複雑になり、一つの組織だけでは解決できなくなる。たとえば、環境問題は、国や世代を超えた対話や消費者のライフスタイルの見直しが必要となる。組織や立場を超えた対話が求められる。

 社会は、ますます多様になる。他者を認め合い、様々な価値観が存在するのは、持続可能な社会の実現につながる。そのためにも、対話が必要となる。 

 そこで、これからの教育として注目されているのが、こども哲学である。

 こども哲学とは、対話によって、こどもが考えを深めていく活動である。大人が答えを教えるのではなく、子どもたちで問いを立て、それぞれの経験をもとに話し合う。情報の更新が激しくなり、知識を得ることより、適切な問いを立て、他者と協働する力を身につけることができる。

 哲学というと、専門家が難しそうに言葉遊びをしているイメージがあるかもしれない。本来、哲学は、私たちが生きる上で大切な様々な問題を深く考えるものだ。こども哲学は、誰もに開かれた、具体的な生活の中にあるテーマを取り上げ、いろいろな人と話し合うものである。

 こども哲学は一九二〇年代にドイツで芽生え、一九七〇年代にアメリカの哲学者M.リップマンによって唱えられた哲学の教育方法だ。

 こども哲学によって、“稟重思考、∩和づ思考、5じい、思いやるケア的思考の三つの思考力が身につけられる。

 

【探求の共同体を育てる】

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 これまで、「ルール」、「嘘をつくこと」、「動物の権利」、「環境問題と100年後のための思いやり」、「理想の学校」についてのテーマを話し合ってきた。 私は、ネクスファという民間の学童保育で、子ども哲学の実践であるストーリーテリングという教育プログラムを毎月実施している。人前でしっかりと自分の意見を発表できるようになることを目標としている。そのためには、人の話を聴く姿勢がなくてはならない。人の話を聴く時にはおしゃべりし、人前で発表する時にはモジモジと黙ってしまう。聞き手は自分の意見を受け止めてくれるという安心感のある話し合いの場となるよう心掛けている。

 子どもの哲学は、1人で取り組むわけではない。それぞれの経験をもとに、話を深め合う。この過程から探求の共同体が育ってきている。

 

【民主的な市民を育成する教育】

 こども哲学は、公民教育やシチズンシップとも呼ばれる市民を育成する教育にもつながる。自分たちの生き方やこれからの社会のあり方を真剣に考え、異なる意見も受け入れ対話を進める。自ら問いを立て、自分の意見を主張する。こども哲学は、民主主義の土壌を耕す活動でもある。



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2014年09月04日

民主的姿勢を身につけるこども哲学対話

子どもたちの第三の居場所である民間学童保育のネクスファで、毎月ストーリーテリングのプログラムを提供しています。/佑力辰鯆阿、⊃輿阿嚢佑┐鮓世Α↓自分の経験を組み立てる、は斥的に説明する、ヌ閏臈姿勢を身につける、といったことを練習しています。
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今日は、民主的な姿勢を身につけてもらいたいという思いから、「ルール」について対話しました。
まず、みんなの知っているルールについてあげてもらいました。交通関係が多かったです。ルールとは、安全や子どもたちを守るためのものという意見も出ました。
そこで、なぜルールや法律があるのか?映画館でおしゃべりしてはいけないことについて話が盛り上がりました。小さい声だったら話してはいけないという意見とおしゃべり禁止という意見。それぞれの考えを提示してもらいました。
ネクスファの中で決められたルールについても振り返りました。たとえば、氷は五つまでしか食べてはいけないというルール。子どもたちの健康への配慮と、みんなに氷が行き渡るようにという考えから決められたものだということがわかります。
そしてiPad使用のルールについて。実は、今日の真の本題でした。先々月に、このストーリーテリングのプログラム内で話し合って決めたルールでしたが、最近は守られなかったり、うまく運用されていないと聴いていたのです。みんなにルールを意識してもらうとともに、あらためて、修正すべき点やどうしたらうまく運用されるかについて意見を出してもらいました。1人15分のルールは時間を延長。アラームを設定するというアイデア。ちゃんと守るという覚悟。そんな意見が出ました。
1人あたりの時間を延長すれば、1日に使える人の人数が減ります。iPadを使う側だけでなく、待っている側に立って考えることも必要となってきます。ルールだけでなく、どうしたら守られるかについても考えなければなりません。
学校も、学年も違う、いろんな考えの人が集まって放課後を過ごしています。できるだけ多くの人が納得するような形を、みんなで作り上げてもらいたいと考えています。
社会契約説を学ぶというと難しくなりますが、身近なテーマで話した経験は、大人になっても生きてきます。教育哲学者のデューイの代表作のタイトルは『民主主義と教育』です。このストーリーテリングのプログラムも、デューイの考えを受けて、実践しています。


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2014年02月08日

プレゼン授業としてのストーリーテリング

2008年度学習指導要領改訂により全教科で「言語活動の充実」が明記された。それにともない、プレゼンテーション授業が注目されるようになった。日本経済新聞2014年2月7日夕刊での記事を紹介したい。

プレゼン授業、生徒は真剣
  
「自分の考えしっかり伝えたい」 商品提案や時事問題 テーマ幅広く
自分の考えを分かりやすく説明し、聞き手に理解してもらう「プレゼンテーション能力」を磨く授業が、各地の小中学校で広がっている。テーマは新商品のアイデアから時事問題までと幅広い。新たな試みに戸惑いながらも真剣に取り組む子供たち。「意思を的確に伝える力を身につけ、国際的にも活躍できる人材に育ってくれれば」。教育現場の期待は大きい。
2014/2/7 日本経済新聞 夕刊より


私は、
未来を創る力を育てる学習塾と学童保育が一体となった学び舎のネクスファにて、
毎月、
ストーリーテリングのプログラムを行っている。
目的は、しっかりとコミュニケーションでき、自分の意見を人前で主張できるようにすること。
四月からはじめ、写真でもわかるように、聴く姿勢は身についてきた。

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昨日(2014/2/5)のテーマは、ネクスファ児童会の選挙演説。
自分たちの学び舎をどのようにしたいか、していくかについて、プレゼンしてもらった。

考える時間も真剣に取り組み、順番を争うようにプレゼンを行う積極性に、これまでの成果を感じた。

やはり人前で主張するのは緊張するようだった。これも貴重な経験である。

私たち大人でも、いざ発表するチャンスの時に恥ずかしがって尻込みし、
かえって恥かしいことになっていることがある。

ストーリーテリングで学んでいる子どもたちは、堂々と話せるようになってきている。

ストーリー・テリング@ネクスファ
小学生が思い描く理想の学校



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2013年01月05日

ストーリー・テリング@ネクスファ

あらためて、ストーリー・テリングについて書かせて頂きます。
この「ネクスファ」で、私は、毎月1回、「ストーリーテリング」の講座を担当しています。
一人ひとりの持っている経験は貴重なもの。「ストーリー・テリング」では、どんな話も、その人の経験から生まれたかけがえのない物語と考え、相手の話を尊重して、聴くという姿勢を身につけます。そして、聴いてもらえたという経験は、生きる自信につながります。もちろん、人前で、自分の考えを、はっきりと自由に、恥ずかしがらずに話す力や、物語を組み立てる力がつきます。


前回の記事に出てきた「ネクスファ」という放課後サポートと学習塾が一体化した新しい学びの場があり、地域の大人たちが関わり、学び合うことが大切にされています。

http://next-ph.jp/about.html

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以下の二つの力を身につけることを狙っています。

自己肯定感
⇒話を聴いてもらうことで、自分の存在を認めてもらえたと実感でき、将来の自信につながります。

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⇒他の人に説明することで、人に伝える力が身につきます。また、人の話を聴くことができるようになります。

http://next-ph.jp/program.html

まずは、難しく考えずに、話を楽しんでもらえるようサポートしています。



上記の2つが一般的な説明ですが、さらに重要なねらいがあります。
それは「子どもの物語作りをサポートすること」です。
※私の指導教授である藤井千春氏のエッセイを以前に紹介いたしました。
「教育とは、子どもの物語作りをサポートすること」

私自身、大学院博士課程では、教育思想・哲学の研究室に所属し、「自分史」をテーマに、自分との対話について、研究していました。教育学では、「成長とは、他者との相互作用」であるとされています。私は、さらに進めて「成長とは、他者との相互作用の結果におこる自分自身との対話」と考えました。「自分史」を書くことで、自分を振り返り、過去をどう捉えるかということを研究したのです。

現在の自分が、過去の自分をどうのように考えるか。そして、どのように今の自分と結びつけるか。つまり、どのような物語を作るか。
ストーリーテリングでは、子どもの物語作りを観察し、成長の様子を把握し、それぞれに合ったをサポートをします。私との対話を通し、子どもの成長に必要な内面・自分自身との対話を深めるのです。

決められた教材を提供するのではないので、私も真剣勝負で臨んでいます。
子どもは正直です。
その結果、毎回、私自身も学ばせて頂いています。
学校を離れ、私自身が授業を担当することがなくなりましたので、貴重な機会です。


 



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2013年01月03日

小学生が思い描く理想の学校

柏中学校の近くに、「ネクスファ」という放課後サポートと学習塾が一体化した新しい学びの場があります。ここでは、地域の大人たちが関わり、学び合うことが大切にされています。

http://next-ph.jp/about.html

この「ネクスファ」で、私は、毎月1回、「ストーリー・テリング」の講座を担当しています。
一人ひとりの持っている経験は貴重なもの。「ストーリー・テリング」では、どんな話も、その人の経験から生まれたかけがえのない物語と考え、相手の話を尊重して、聴くという姿勢を身につけます。そして、聴いてもらえたという経験は、生きる自信につながります。もちろん、人前で、自分の考えを、はっきりと自由に、恥ずかしがらずに話す力や、物語を組み立てる力がつきます。私が教育学博士課程で研究した内容をプログラムに活用しました。まずは、難しく考えずに、話を楽しんでもらえるようサポートしています。

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この日のテーマは「自分たちが思い描く学校」。

はじめに、トットちゃん(『窓際のトットちゃん』)の通っていた学校の話をしました。電車の車両が教室など、うらやましい話が出てきました。次第に、それぞれが理想の学校に話に広がりました。
「世界一ゴージャス」、「校舎がお城」、「土日だけ学校」、「サスケのアトラクションがあり、練習できる」、「魔法を学ぶ」、「手下がいる学校」、「ホワイトハウスが学校」などなど、発想が自由すぎます。


一方で、学びの当事者である小学生自身が思い描く理想の学校は、私も勉強になりました

●「自由」という声が多かったです。これは、教育者が理想としてきたものです。

●「ずっと休み時間」、「遊びばっかり」という本音は、デューイがLearning by doing(体験から学ぶ)と通じるものがあります。先進的な教育では、「遊び(play)」と学びを切り離していません。

●「時間割なし」→学びは、教科・科目によって区切られるものではない、と考えられます。

●「理科実験し放題」、「体育ばかり」、「算数だけ」→自分の好きな科目に集中したいという意見です。

●「先生いない」→学びの主体は子どもたちです。「先生は必要な時だけ」→教員はあくまでサポート役。「宿題なし」→やらされる勉強は、嫌という声。

●「1人から10人の学校」、「一人だけの学校」、「一人につき先生が一人」→少人数・個別教授を求める声も。

●「家のような校舎」→生活と学びを切り離さない教育と共通した考えです。(※例、イエナプランでは、教室はリビングルームとしている)

●「泊まることができる」、「家とくっついている」→イギリスなどの寄宿学校があります。ただ、通学が大変という声でもありました。

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「児童の権利に関する条約
(子どもの権利条約)」は、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約です。1989年の第44回国連総会において採択され、1990年に発効しました。日本は1994年に批准しました。

\犬る権利、⊆蕕蕕譴觚⇒、0蕕銚⇒、せ臆辰垢觚⇒の4つが柱となっています。もっと、子どもの目線に立った教育や政治が必要だと思います。
せ臆辰垢觚⇒に関しても、考えていかなければなりません。子どもたちは、自分に関係のある事柄について自由に意見を表したり、集まってグループを作ったり、活動することができる。

「政策の決定、立案及びそれらの過程への関与方法を考える上で、小さい児童や若者が有している物理的、社会的環境に関する権利を十分に満たすことを優先して取り組むべきである」とロンドン宣言でも謳われています。


子どものころには、哲学的なことも考えているもの。いつしか、大人になって忘れてしまった人も多いのではないでしょうか。大人と比べて未熟ではあっても、子どもの視点は、社会に有益な気づきを与えてくれます。



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