哲学への権利

2011年07月02日

「哲学への権利」上映・対話会 @柏まちなかカレッジ

7月2日14時から17時、東葛飾高校地学室にて、
映画「哲学への権利」の上映・対話会を開催しました。

私が、『哲学への権利』(勁草書房、2011/2/17)というDVD付きの本を読み、
amazon.co.jpに書評を書いたことがきかけで、著者・監督である西山雄二氏(首都大学東京准教授、国際哲学コレージュ・プログラムディレクター)と知り合うことになり、実現した講座です。

映画「哲学への権利――国際哲学コレージュの軌跡」(84分)の上映会。
その後、休憩をはさみ、この映画監督である西山氏および東葛飾高校生徒との討論会を行いました。
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【今日の趣旨と柏まちなかカレッジにいて語る学長の山下洋輔】

この上映・討論会は、哲学を専門とする世界各国の大学で開催されてきましたが、
今回は、私たち「まちカレ」の地域の方々と高校生が参加するということで、
「本来は、こういう形で開催したかった」と監督の西山氏が言って下さりました。

この映画は、1983年に哲学者ジャック・デリダらがパリに創設した半官半民の研究教育機関「国際哲学コレージュ(CIPh)」をめぐる初のドキュメンタリーです。

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【映画を真剣に観る受講生】

国際哲学コレージュは、柏まちなかカレッジと共通するところが多く、
私たちの活動を、より深く知ってもらうために、ぴったりの講座です。

「柏まちなかカレッジ」は、哲学カフェやサイエンスカフェの流れをくむ地域活動です。
「柏まちなかカレッジ」は、誰でも先生になれ、年間カリキュラムもなく、入学資格もなく、スタッフも無報酬です。

そんな私たちの特徴や可能性だけでなく、課題も参考になります。
現在の教育制度への問い直し、経済原理と価値、場といったテーマは、
国際哲学コレージュや柏まちなかカレッジのみならず、ビジネスや地域など現代社会においても重要なものと感じました。

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【補足の話や問いを投げかける西山先生】
高校生に向けて、フランスの大学受験やフランスと日本の大学について話してくださりました。
フランスでは高校三年生になると週に8時間「哲学」の授業があります。
テキストにもとづいて、対話形式で行われます。
大学入試では、「哲学」は4時間の論文試験です。
初日に行われ、歴史や文学に比べて、配点が高くなっています。重要な科目と位置付けられているわけです。
学生に徹底的に考えることを要求します。

映画から、「無償性」と「場所」についての問いが投げかけられました。
ここから繰り広げられる哲学の世界に、高校生は素直に質問し、大人は自分の経験などをもとに考えを進めようと真剣に参加しました。

今回、自由に考える機会を得られたわけですが、これは当たり前のものではないということにも気づかされました。
ここから先は、考えてはいけないという領域が設けられている社会もあります。
自由に考えることが許される社会。
そういった社会を守っていく大切さに気づかされました
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何より、上映・討論会という場を作りながら、哲学の可能性を問い直している西山氏の活動に心を打たれました。
柏まちなかカレッジを通して、個人の長所、地域の魅力を引出していく場を作っていこう
と、私たちも初心に帰ることができました。



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2011年03月26日

学びの場つくり‐『哲学への権利』を読んで

ジャック・デリダたちが創設に関わったフランスの「国際哲学コレージュ」。
これは、大学ではなく、哲学研究や哲学教育の市民団体です。

この本は、「国際哲学コレージュ」の関係者へのインタビュー記録とそのドキュメンタリー映画と、著者の西山雄二氏のエッセイ。

「国際哲学コレージュ」には及びませんが、「柏まちなかカレッジ」は、哲学カフェやサイエンスカフェの流れを汲む地域活動です。
 私自身、大学院の博士課程にて哲学(教育思想)を研究していた身でもあったので、
この著者で監督の西山氏の人文学への問題意識には、共感いたしました。

 「柏まちなかカレッジ」も、誰でも先生になれ「教える権利」が確保され、
年間カリキュラムもなく、入学資格もなく、学位授与もなく、スタッフも無報酬で、国際哲学コレージュと共通する部分も多く、理念から組織の抱える問題まで、具体的に参考になりました。

現在の教育制度への問い直し、経済原理と価値、場といったテーマは、国際哲学コレージュのみならず、ビジネスや地域など現代社会においても重要なものと感じました。
 そして、何より、上映・討論会という場を作りながら、哲学の可能性を問い直している西山氏の活動に心を打たれました。






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