教育格差

2014年03月19日

未来を創る教育の力

未来を創る教育の力

【希望の教育学】

私の学生時代、授業で紹介されたパウロ・フレイレの『被抑圧者の教育学』を読み、教育のあり方やその役割を考えるようになった。フレイレは、貧しい人々に識字教育を行い、自らの境遇を自ら理解し変化させる、そのような教育を実践した人物として有名である。

日本でも、自分たちの生活を見つめ、より良いものにしていこうという生活つづり方運動や生活記録運動が、大正時代から戦後にかけておこっている。下町での職人の生活を記録した『綴(つづり)方教室』や山形県の山村で無着成恭先生が実践した『山びこ学校』は、戦後の教育に影響を及ぼした。

フレイレは、晩年に『希望の教育学』という本も書いた。そのタイトル通り、教育は希望である。彼は、教育の力で、人間の潜在能力が十分に発揮できるような、平等で公平な社会を実現しようとしたのだった。

【貧困連鎖を断つ】

 2013年の春に、釧路市の生活保護受給者自立支援プログラムを視察した。人口の約1割(18 人に1人)が生活保護受給者の釧路市では、就労体験のほかに、高校進学の学習支援を実施。地域のNPOと協力し、学習指導だけでなく、子どもたちの居場所ともなっている。埼玉県でも、無料の学習教室と家庭訪問による教育支援を行っている。足立区では、民間の学習塾を活用し、学習教室を実施している。

 柏市では、退職校長を中心とするNPO法人教育支援三アイの会が、生活保護を受ける家庭で育った子どもの高校進学支援を柏市と協働で行っている。

今日、高校を卒業していないと就職して働くのが難しい。生活保護を受ける家庭で育った子どもの4人に1人は、大人になって再び保護を受けている現状がある。しっかりと学び、高校を卒業すれば、職業選択の幅も広がる。そのような考えから、教育支援が行われている。

 高知県では、発達障がいなど特別な支援の必要ある子どもたちに、組織を横断して対応している。その保護者にも不登校の経験や発達障がいの可能性も多く、基本的な生活習慣や学習習慣が身についていない場合が多い。地域をあげて家庭教育を支援し、発達障がいやその背景にある貧困の連鎖を断ち切ることを最終的な目標にしている。

【教育の機会を保障するために】

教育格差が次世代に引き継がれてしまう状況を解決するために取り組んでいるティーチ・フォー・ジャパンという団体がある。アメリカで成果を上げたティーチ・フォー・アメリカの日本版だ。

ティーチ・フォー・ジャパンは、経済や家庭環境に関係なく、すべての子どもたちが質の高い教育を受けることのできる社会を実現するための仕組みを提供している。具体的には、教員を選抜・育成し、2年間学校現場に派遣し、派遣された教員の研修・サポート、キャリア支援を提供している。派遣された教員は、任期を終えるとそのまま教員を志望する場合もあるが、企業や行政に就職する。教育現場で得られたリーダーシップや現状の把握をもとに、将来、社会のリーダーとして活躍し、教育現場に還元することが期待されている。

【子どもの居場所】

 待機児童が課題として取り上げられているが、学童保育や子どもの居場所についても深刻な課題である。子どもが安心して過ごせる場所が少なくなってきている。共働き家庭も多い。地域にもよるが、地域で見守る近所の大人も少なくなった。小学生になると放課後の子どもの預け先が質・量ともに不足していて、結果として仕事を辞めざるをえない。小1プロブレムと言われ、社会問題になっている。

 こういった課題に取り組む事例を紹介したい。

 長野県佐久市にある岩村田本町商店街が開いた「岩村田寺子屋塾」。ここでは、小学生に「読み・書き・計算」を中心に教えるほか、お稽古事も教え、商店街の活性化と地域の課題解決に取り組んでいる。

 民間では、放課後NPOアフタースクールが、子どもの放課後の居場所作りに取り組んでいる。柏では、高齢者など地域の大人の力を活かしたネクスファという民間の学びの場がある。身近にある環境や社会の課題を生きた教材に、未来を作っていく力を育てている。

柏市では、学童保育や放課後子どもルームがあるが、福祉部と生涯学習部の担当部署や学校とのさらなる連携や、質・量の充実など、求められるところが沢山ある。

【地域で支える教育の場】

 土曜の授業や部活動のあり方などの議論を通して、地域に開き、地域の大人の力を借り、学校運営をしていこうという動きが出てきている。授業の見守りや図書館指導員、花だんの整備、部活動のコーチ、地域の昔ながらの遊びや読み聞かせなど、地域のボランティアが学校を変え始めている。
 日本では、コミュ二ティ・スクールといって、生徒、教員、保護者、地域が一体となって学校を運営する仕組みがある。保護者や地域の経験や知恵が学校に活かされ、教員や保護者の意識が変わり、生徒にいい影響を与える。多様な価値観にふれることができ、「生きる力」を育む。学校が地域コミュニティの中心となり世代間交流はもちろん、地域の大人同士の交流の機会をつくり、新しい地域のプロジェクトが生まれるきっかけにもなる。さらにその結果として治安もよくなる。教育が生活に根ざすことで地域の力になるのだ。



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2013年05月21日

釧路市 子どもの学力保障条例

釧路市役所にて、議員から提案された「釧路市の子どもたちに基礎学力の習得を保障するための教育の推進に関する条例」と「生活保護自立支援プログラム」を学んできました。
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地域経済の停滞、仕事がない、生活保護の増加など、学校だけではなく社会が一体となって取り組まれています。
釧路市の基礎学力習得を保障するための条例に対して、賛否両論ありました。努力目標ではあるが、具体的な数値で結果を示すことへの評価。一方で、テストの点数主義に陥り、子どもの学習意欲を削いでしまうという反対。
基礎学力を「読み書き計算」と定義したことで、創造性や思考力、コミュニケーションなど、これから必要とされる学力を育むことが軽視されるのではないかと、私は危惧しました。大学と提携し、創造性などを評価するテストを開発し、市独自のテストを実施していくことについて、考えてみました。
何はともあれ、釧路市の危機的な状況が、この条例を生んだのだと思います。生活保護世帯が多く、教育格差が広がっている現状があります。掛け算が出来ない従業員がいると嘆く経営者もいるそうです。教員の勤務状況についても、外部からのチェックが必要でした。
立場の違うメンバーで視察すると、同じものを学んでも、違う考えを聞くことができます。視察メンバー同士の意見交換も貴重です。

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2012年10月09日

西水恵美子さん(前世界銀行副総裁)から学んだリーダーシップ

昨日の東葛リベラルアーツ高校生版リーダーシップ研修特別編で、西水美恵子・前世界銀行副総裁から学んだことは、これからの私の力になると確信しています。


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「貧困」について、どんなイメージを持っているか、西水さんは、ワークショップの冒頭で、高校生に問いかけました。その時、私も、考えました。私が、思い描いたのは、アフリカや遠い国のことでがありませんでした。借金の返済に苦しむ家庭、日々の生活でいっぱいいっぱいの家庭、会話もなく、すさんだ毎日。その状態への恐怖。そんな、ごく身近に、あり得る「貧困」でした。

懇親会で、私のイメージした「貧困」を、西水さんにお伝えしました。
西水さんは、今の日本の貧困は深刻な状態であるという考えを示されました。
今の日本の貧困は2世代目で、世代を超えて引き継がれている。
今、対処しなければ、貧困が固定化した状態が続いてしまう。
教育格差を改善しなければならない。
そんな話になりました。

以前(2009年4月)、「ペアレントクラシーと学力格差」という記事を書きました。
http://goodman.livedoor.biz/archives/51426546.html

最近になっても、教育格差について、議論したところでした。
OECDの対日経済審査報告書2011概要でも、日本の貧困や教育格差について指摘されています。
http://www.oecdtokyo2.org/pdf/theme_pdf/macroeconomics_pdf/20110421jpnsurvey3.pdf

あらためて、私は、学校現場の外から、教育に働きかけていかなければならないと使命を感じました。

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西水さんは、世界銀行改革についても、話して下さりました。
世界銀行の株主は、国民一人ひとりである。直接、国民の声を聴き、政府をチェックしていく。
国民から聴いた声は、ちゃんとフィードバックしていく。そこから信頼関係を築く。
世界銀行の支援を通して、国の不正を改めさせ、より良い社会を作っていくものだと説明されました。

この世界銀行の役割は、地方自治体の議会と似ています。
市議会議員は、市民の声を聴き、市役所をチェックしていく。
市民から聴いた声を、フィードバックしていくことで、信頼関係を築く。
議会での質問などを通して、不正を改めさせ、良い事業を推進していくことで、より良い社会を作っていく。

西水さんに、この共通点を話したところ、まさに、それが西水さんの伝えたかったところでした。
市民の声を聴き、市民の立場に立った政治を。
草の根の広がりと力は、すごい。
地域に一番近い市議会議員の可能性を教わりました。

【目は曇っていないか?】
政治家は、権力に毒されてしまう人が多い。
政治家は職業ではない。
いつでも、辞められる覚悟や土台が必要。

腐敗してしまわないために、気を付ける工夫。
心と頭がつながっている真っ裸の状態を保つために、
朝起きたら、自分の顔を鏡でチェックする。
1分くらい、じっと向き合う。
目が曇っていたら危ない。心と頭がつながっていないと、気分が悪くなってしまう。

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相手の身になって、考えられること。
信念を持って、情熱を持って、行動すること。
どんなに小さな行動でも無力ではなく、チームとなて大きな力を発揮する。



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