自分史

2013年01月05日

ストーリー・テリング@ネクスファ

あらためて、ストーリー・テリングについて書かせて頂きます。
この「ネクスファ」で、私は、毎月1回、「ストーリーテリング」の講座を担当しています。
一人ひとりの持っている経験は貴重なもの。「ストーリー・テリング」では、どんな話も、その人の経験から生まれたかけがえのない物語と考え、相手の話を尊重して、聴くという姿勢を身につけます。そして、聴いてもらえたという経験は、生きる自信につながります。もちろん、人前で、自分の考えを、はっきりと自由に、恥ずかしがらずに話す力や、物語を組み立てる力がつきます。


前回の記事に出てきた「ネクスファ」という放課後サポートと学習塾が一体化した新しい学びの場があり、地域の大人たちが関わり、学び合うことが大切にされています。

http://next-ph.jp/about.html

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以下の二つの力を身につけることを狙っています。

自己肯定感
⇒話を聴いてもらうことで、自分の存在を認めてもらえたと実感でき、将来の自信につながります。

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⇒他の人に説明することで、人に伝える力が身につきます。また、人の話を聴くことができるようになります。

http://next-ph.jp/program.html

まずは、難しく考えずに、話を楽しんでもらえるようサポートしています。



上記の2つが一般的な説明ですが、さらに重要なねらいがあります。
それは「子どもの物語作りをサポートすること」です。
※私の指導教授である藤井千春氏のエッセイを以前に紹介いたしました。
「教育とは、子どもの物語作りをサポートすること」

私自身、大学院博士課程では、教育思想・哲学の研究室に所属し、「自分史」をテーマに、自分との対話について、研究していました。教育学では、「成長とは、他者との相互作用」であるとされています。私は、さらに進めて「成長とは、他者との相互作用の結果におこる自分自身との対話」と考えました。「自分史」を書くことで、自分を振り返り、過去をどう捉えるかということを研究したのです。

現在の自分が、過去の自分をどうのように考えるか。そして、どのように今の自分と結びつけるか。つまり、どのような物語を作るか。
ストーリーテリングでは、子どもの物語作りを観察し、成長の様子を把握し、それぞれに合ったをサポートをします。私との対話を通し、子どもの成長に必要な内面・自分自身との対話を深めるのです。

決められた教材を提供するのではないので、私も真剣勝負で臨んでいます。
子どもは正直です。
その結果、毎回、私自身も学ばせて頂いています。
学校を離れ、私自身が授業を担当することがなくなりましたので、貴重な機会です。


 



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2010年05月04日

キャリア教育としての自分史

自分史を書き、自分の価値観を明確にすることができます。
過去を振返っていても、見つめているのは現在の自分なのです。

この考えをもとに、4月に1つ論文を書き上げました。

内容は、私の授業実践をもとにした生徒の自己再評価を支援する進路指導の一提案です。


以前、自分史を活用した日本史の授業を行いました。
私が担任した学級は、推薦入試やAO入試での受験が中心であったため、生徒の興味・能力・経験・価値観などを明確にしていく必要性を感じていました。

生徒が自分史を書くことにより、生徒自身の経験を再構成し、生徒の自己理解の手助けになります。それにより、生徒は進路選択のための判断を得ることができます。

同時に、教員は自分史の指導を通して、生徒理解を深め、進路指導のために役立てることができます。


日本では、多くの学校で、総合的な学習の時間を中心として「キャリア教育」が実施されています。アメリカでは、「キャリア教育」の提唱者たちが、教科指導の中で「キャリア教育」を行うことを主張し、新たに独立した特定領域を追加する必要のないことを強調しています


教科指導と進路形成支援の統合という考えをふまえ、このような授業を計画しました。

社会が、そして生徒が多様化している状況において、本稿が進路指導の一つの提案になれば幸いという思いで書きました。

 



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2010年03月09日

聴き屋、再開

一昨年前、キャリアカウンセラー講座を一緒に学んだ仲間たちとの勉強会での話です。
 
ある仲間が温めてきたビジネスアイデアを検討しました。そのアイデアは、社会を変える力を持った魅力的なものでした。しかし、まだ解決できない部分もあり、もう少し練り直す必要があるということになりました。

その話し合いの中、その日のテーマとは全く関係のないところで、私はある試みを思いつきました。勉強会の醍醐味は、こういう+αですね。

その試みとは、お話を聴くサービスです。
とりあえず、聴き屋(仮)として始めました。

最近、疲れてストレスのたまっている人も多いでしょうから、
「聴き屋に愚痴でも聞いてもらおう」と
駅で10分マッサージしてもらうみたいな感覚です。

ホストやキャバクラは好きじゃないし、
カウンセリングって大げさだし、
教会で告白したりする習慣はないし、
「王様はロバの耳」みたいに穴を掘って吐き出すのも・・・
という方を対象に。

ただの思いつきを真剣に考えるきっかけになったのが
辻仁成『代筆屋』です。
読んで、電車の中で、ボロボロ泣いてしまいました。
手紙を代筆するには、話を聴かなければなりません。
過去のうしろめたいこと、忘れたいこと、辛かったこと、・・・
話すことで自分の経験に意味をみつけていきます。
「私の人生には立派な意味がついたよ」
とおばあさんは書いていました。
そういえば、辻の書いた『サヨナライツカ』も
終盤の沓子の手紙で、人生の意味づけについて語られています。

私の研究テーマの自分史とも関わるものです。

個人的なことなので、内容は紹介できませんが、
子どものことについての相談や仕事の相談など様々でしたが、
つきつめると自分自身の問題と向き合うことになります。

また、あらためて聴き屋を再開してみようかと考えています。

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2010年02月16日

「断面の世代 」by 束芋

日本経済新聞・土曜夕刊の「芸文余話」を楽しみにしています。
2010年2月13日の記事、「断面の世代、その心は」をご紹介します。

1975年生まれのアーティスト・束芋さんは、
70年代生まれの自分たちを「断面世代」と呼びました。

「70年代生まれの私たちは、いわば太巻きの一切れ。卵焼きやかんぴょうといった確かな部分ではないけれど、薄く切った断面にはすべてがある。ペラペラな存在でしかなくても、すべてを見通せる断面でありたい」

氷河期世代、貧乏くじ世代といった表現ではなく、強い意志が感じられて、グッときました。

「この個だけは守り抜く。断面の世代の表現には、そんな決意を感じる。『私たちは個に執着し、どんな小さな差異にも丁寧にスポットライトを当てる』(束芋)」

私の自分史研究の原点も、この断面の世代の表現に通じるものがあります。
生活者一人ひとりの歴史を大切にする「自分史」。
個に執着した結果であります。

このような考えを基礎に構想した柏まちなかカレッジは、
有名ではない一人ひとりの経験を尊重して、スポットライトを当てています。
だからこそ、「断面の世代」の方々に支持して頂ける面もあるのかと実感しました。

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2010年01月31日

自分史活動へのメッセージ

自分史研究および自分史教室へのメッセージを頂きました。
ご紹介いたします。

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社会のシステム化の拡大やインターネットの普及による情報化社会に代表される「大きな文脈」に対して、それに取り込まれないための工夫。
 
もしかすると自分一人にしか通用しない「小さな文脈」としての自分史。
自分の人生が大きな物語に回収されない。
ただひそやかに「自分」でありさえすればいい。
自分史研究のあり方はそのことを伝えると思われます。
  


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2010年01月06日

自分史教室テキスト改訂中

一昨年の夏、日本キャリアデザイン学会にて発表する機会を得ました。

内容は、「自分史を書くことで経験が整理され、自己の成長へとつながる」といったものです。昨年、この内容をゼミや学会の諸先生方からご指導いただきました。その過程で、気づいたことをふまえ、大幅に自分史教室のテキストを改訂しています。

 

今までは、「自分の人生に意味を持たせるストーリー作り」のメカニズムが、ほとんどでした。

この部分は教室のエッセンスであることには変わりませんが、書き始めるための材料と書いた後の発表方法も加えました。

改訂版は、年表・辞典類の知識、図書館活用法、インタビュー方法、ブログの書き方、製本の方法、出版への道などHow to本のような内容が増えた部分です。

以前の版は、歴史学の考え方が多かったことを反省しました。

加えた部分は、感謝されたアドバイスから選びました。

 

実際に書くのは自分です。

しかし、書く機会を作ったり、内容を深めたりすることは一人では難しいものです。

自分自身の資源を掘り起こし、自分だけの花を咲かせましょう。

就職活動や起業の準備にも自分史は活用されています。



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