2007年06月16日

大切にされた子ども

 大切にされた子ども
 寺子屋

母と子 春信子宝遊

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本公文教育研究会HP掲載の浮世絵 

http://www.kumon.ne.jp/kumon/

 

 江戸時代末期の開国後、来日した外国人は、日本が「子どもの楽園」であると一様に驚いている。たとえば、モースは『日本その日その日』で「世界中で日本ほど子どもが親切に取り扱われ、子どものために深い注意が払われる国はない。ニコニコしているところから判断すると、子どもたちは朝から晩まで幸福らしい…そして、祭礼などでは、いかなる時にでも大人が子どもと一緒になって遊ぶ」と記している。

江戸時代は、家族形態も直系の親子を単位とする小家族が一般的となり、それまで以上に、子どもは家族の愛情のなかで育てられるようになっていた。それまで公家や武家の儀礼であった子どもの成長を祝う行事が、民間にも普及した。子どもを大切に育てるための育児書や教育書も数多く刊行された。

 また、町人の活発な経済活動の展開で、職人や商人に読み書きや計算の素養が必要とされるようになった。その結果、庶民教育への関心が高まり、庶民教育の場として寺子屋が普及した。多くの子どもたちは、6〜10歳を過ぎる頃までの間に「読み書きそろばん」の初等教育を身につけ、奉公や修行に出た。幕末期の識字率が非常に高かったのは、寺子屋教育の役割に負うところが大きかったといわれている。

遊びの世界でも、江戸中期から玩具が種類・数ともに増え、子ども向けの本も出版されて、子どもの世界を豊かに彩ったのである。

   

      

                                               



トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔