2008年11月05日
子どもと親とのコミュニケーション講座への感想―O先生からのお手紙
私どもの講演会には、多種多様な方々が参加してくださります。
毎回、講師である私も、話し合いや感想・意見などから多くを学ばせて頂いています。
10月25日の親子のコミュニケーションに関する講座では、
古代の書物に書かれた内容との共通点について、
O先生からお手紙で貴重な発見を示して頂きました。
以下、その手紙の内容を紹介していきたいと思います。
コミュニケーション講座の内容と共通する教えが、
『千文字』の中に書かれています。
これは、千の異なった漢字を四字句の韻文で
構成した四言の古詩二百五十句のもの。
百済の王仁が論語とともにわが国に持ってきたものと言われています。
その中に、「聆音察理 鑑貌辯色
(れいぼうさつり かんぼうべんしょく
=音を聞いて理を察し、貌(かお)を鑑(み)て色を弁(わきまえ)よ)」
というのがあります。
つまり、相手の話をよく聴いて意味を悟り、
相手の顔色を見て感情の動きをわきまえなさい、
ということだそうです。
応神天皇の時代に伝わった書物にある句が、
数千年後の今に生きているのですね。
また、『大蔵経』に「一月三舟」という言葉があります。
これは、1つの月を見るにも、
3隻の舟から眺めると、それぞれ異なって見える。
教える道は同じでも、
人によって異なった受け取り方をするものだという意味です。
人それぞれ、異なった価値観を持つということが
仏陀の頃から指摘されていたのですね。