2009年12月20日
年末ジャンボと宝くじの起源
宝くじを買う習慣が私にはないのですが、銀行内で販売している方から「今日は大安ですよ」と言われ、買ってみました。
買ってみると、当たってからの妄想が膨らみます。
そういえば、大学四年生のとき、教員採用試験の前夜、
夏の暑さと緊張からか寝付けませんでした。
その時、なぜか、宝くじが当たったら何に使おうかと考えていううちに夜が明けてしまいました。宝くじを買ってすらいないのに、図々しい話です。
こんなどうしようもない話は、江戸時代からあったそうです。
上方落語に「高津の富」といお噺があります。
江戸時代には、寺社の維持の資金収集などのために、富くじ・富突が行われていました。くじに当たる人間の心理をリアルに描いています。
その噺の中に、2等に当たると妄想する男性も登場します。
今にも通じる笑いと人間の心性を楽しめます。
私の生まれた箕面(大阪府)にある瀧安寺は日本宝くじ発祥の地とも言われ、2009年秋から古式にのっとった富突きが行われています。
江戸時代、他の寺社や民間においては金銭が当たる富くじが氾濫し、幕府より「人心を乱す」として再三に渡って富くじ禁止令が出されました。そのような中、箕面富については、起源も古く、金銭に関係しない福富であるということで禁止されることはありませんでした。
「お金は減っていく有限のものだが、お守りから得られる功徳は無限のものである」という考えは、考えせられるものがあります。
先輩である滝口正哉氏が、江戸時代の寺社や庶民の関係を研究され、その中に富突きのことも描かれていますので、ここに紹介させて頂きます。
滝口正哉著 『江戸の社会と御免富―富くじ・寺社・庶民』