2009年12月29日

ニジェール「みんなの学校」と柏まちカレ

ニジェールみんなの学校ロゴ

「まちがキャンパス」、

「まちの人が先生」、

生徒も先生も一緒になって講座を作る「新しい学び合いのスタイル」。

これが、柏まちカレの特徴です。

 

教育の分野で国際協力に携わっている方に、柏まちカレの話をしたところ、

「アフリカなどの学校運営に応用したい事例」という答えが返ってきました。

常日頃から世界平和を願っていますが、今の活動で貢献できるかもしれません。

 

もともと、私は、日本の教育を世界に発信するために、大学院に進学しました。

授業記録や授業記録、教員同士の学び合い。

そういった綿々と伝わる日本の教育実践を世界に紹介し、普及させたいという思いがあります。

今回、思わぬきっかけで、柏まちカレの活動が世界に広がりそうです。

 

アフリカのニジェールで「みんなの学校プロジェクト」がJICAによって実施されています。

これは、住民が学校運営に参加することで教育への意識を高めていこうというものです。

 

世界銀行をはじめ各国の支援により学校建設は進められ、ハード面は充実しました。

しかし、教員の質や親の意識は低いままです。

そこで、教育のソフト面の充実と親の意識改革が求められています。

また、海外からの支援がなくなっても、地域で自立的に学校を運営できることも必要です。

このような背景から、「みんなの学校プロジェクト」は、ニジェール政府の政策と連動してスタートしたのです。

 

柏まちカレは、校舎は必要ありません。

柏まちカレは、まちの人が先生なので、住民参加型の「みんなの学校」と共通します。

柏まちカレは、先生・生徒同士で講座を作る新しい学び合いスタイルです。

環境は異なりますが、遠く離れたアフリカの地で「みんなの学校」が頑張っていると思うと、勇気付けられます。

姉妹校の関係になりたいと、個人的には望んでいます。

 

写真は、公募で選ばれたウセイナちゃんの作品です。

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以下、「
JICA みんなの学校プロジェクト」からの引用です。

http://www.jica.go.jp/project/niger/6331038E0/

 

【プロジェクト要請の背景】

ニジェール国(以下「二」国)は、サブ・サハラ諸国の中でも最貧国の一つであり、UNDPの人間開発指数(2001年)によれば、全世界162ヵ国中の161番目にランク付けられ、国民の6割が11ドル以下で生活している。一貫した教育政策の不足、政府財政の逼迫等により初等教育の総就学率は34%(2000年)(サブ・サハラ諸国の平均は74%)と世界でも最低水準にある。また初等教育に関する地域間格差、男女格差も大きい。

このような状況を改善するため同国政府が策定した「教育開発10カ年計画(PDDE 2003-2012)」では、総就学率を2000年の34%から2012年には70%まで向上させることを目標として、「就学機会の拡大」を最優先課題として取り組んでいる。同国の初等教育における低就学率は、複数の阻害要因が複雑に絡んでいるものの、その主たるものは「学校数(教室数)の絶対的不足」と「教育に対する親の低い意識」の2要因と考えられる。これら課題に対する対応策として、「学校数の不足」についてはPDDEに基づき、世界銀行をはじめ各国ドナーの支援によって約3,000教室の建設計画が予定されており、我が国も無償資金協力による校舎の増改築を来年度より実施予定である。

一方、「親の教育に対する意識」への対策として、「二」国政府は、地域住民の学校運営への参加を通じて教育に対する信頼を回復することを図っており、そのための手段として、校長、教師代表、保護者会代表、コミュニティー代表、村長、宗教指導者等から編成される学校運営委員会(以下COGESとする)の設置が20022月より240校を対象として実験的に開始されている(2004年は追加で760校の実験校を設置、2004年以降も順次追加予定)。同計画の最終段階では住民や地域コミュニティーを学校運営の中心的担い手として位置付け、計画策定から運営管理、教材等の調達に関する責任を担わせることとしており、親への啓発活動に関してもCOGESが中心的な担い手となる。一部の実験校では、COGESの主導により、教室の清掃、校舎の小規模な補修、机・椅子の修理、藁小屋教室の建設等が行われる等一定の成果を挙げているものの、20039月に行われたCOGESの評価会では、多くの実験校でCOGESが十分に機能しておらず、研修の充実、女性の巻き込み、法令の整備、政府・県・視学官レベルでの支援体制強化を今後行っていく必要があるとの意見が出された。

このような状況を踏まえ、地方教育行政と地域住民の連携の下、COGESの運営モデルを提示するとともに、それに関わる地方教育行政官のキャパシティービルディングを目的とする「住民参画型学校運営改善プロジェクト」の要請が出された。

これに対し、JICACOGESを活用した学校運営の改善により、教育に対する信頼回復を通じた就学機会の拡大が期待できることから、本プロジェクトの実施を決定した。また、ニジェールでは初等教育カリキュラムの中に「生産実習活動(APP)」が組み込まれており、地域の実情を反映した生産活動(農業、手工業等)を通じて社会生活に役立つ知識・経験を身につけることが期待されているが、十分機能していない状況である。APPは学校運営への住民参加を進める端緒として有効と考えられることから、学校運営計画の重要な要素として活用をはかる計画とする。



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この記事へのコメント

1. Posted by 福島 毅   2009年12月30日 23:32
ニジェールの話、興味深いですね。

日本には資源がないから、何で世界貢献できるかというと、ひとつは先進技術とか環境技術。最近では鉄道システムとかアニメ文化とか・・・

そしてこれからは、こうした教育インフラの設計・開発なんてのがあるのかもしれません。そうした意味で、このまちカレとかプチ勉強会とか、ノウハウやマインドをある程度マニュアル化するなり言語化して、世界の皆さんに使ってもらえるといいですよね。大事なポイントは、わかりやすく言語化するってとこだと思います。
2. Posted by 教育コンサルタント 山下洋輔   2009年12月31日 12:15
教育コンサルタントとして、教育のソフト面での貢献ができればと考えています。
このまちカレの精神やノウハウを言語化し、書籍化できるよう働きかけてみます。
スカイプなどを使った世界の方々との交流も進めていきたいですね。

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