2010年03月27日
イギリスのコーヒーハウス、フランスのカフェ、そして・・・。
サクラを待ち望み、希望あふれるこの季節。
4月はじめ、もうすぐですね。
つい先日、知り合いから教わり、山納洋さんが著された
『人と人とが出会う場の作り方 コモンカフェ』を読みました。
百聞は一見にしかず。
大阪(中崎町)にあるコモンカフェに行ってきます。
今、人とのつながりや出会い、コミュニティといったものが、
大切にされていると感じます。
そんな中、3月11日の日経新聞夕刊に興味深い記事がありました。
柏まちなかカレッジ副学長の福島先生にも、電話でお知らせました。
話し合っていることが、現実に起こってきている。
まさに、そんな感じでした。
WEB上でも見かけたので、紹介いたします。
社会人、なぜか各地で茶話会の輪、
ゆるい対話が心地いい、人とつながる魅力(生活)
【仕事・お酒抜き】
お茶だけでゆっくり対話する社会人の「ゆるいコミュニケーション」が広がっている。喫茶店でのおしゃべり会や哲学論議の輪。参加者は会社の枠にとらわれず自由に語り合う。ビジネス上の目的はなく、出入り自由な拘束力の弱い交流。今なぜ「ゆるコミ」に彼らはひかれるのか。
「喫茶の会」というおしゃべり会が東京を中心に数を増やしている。2008年1月にJR恵比寿駅(渋谷区)近くで「恵比寿喫茶の会」がスタートしたのを皮切りに、地名を冠した同様の会が汐留、目黒、大崎さらには京都市など全国約40カ所に広がった。これまでの参加人数はのべ3000人を超えた。
旗振り役はネット市場調査のコンサルタントをしている新井潤さん(55)と企画・デザイン会社を経営する星僚太郎さん(37)だ。
恵比寿喫茶の会で知り合った2人は遊び心から「全国喫茶の会」をつくった。新井さんが会長、星さんが事務局長となり開催希望者を募った。
(1)月1回、決まった喫茶店で定例会をする(2)参加人数は10人程度(3)お酒はなし。お茶をしながら会話を楽しむ――など同会のルールを守る人をリーダー役の喫茶長に“任命”。会のロゴ入り名刺も配った。
会に集まるのは男女ともに30代が中心。起業家や営業の仕事をしている会社員、出版関係者らが目立つ。
おしゃべりのテーマは特に決めない。例えば2月末の平日夜に開かれた「浅草喫茶の会」。「この人は歴史にすごく詳しいんです」「エー、私も興味がある」。名刺交換をしながら、ひとしきり趣味の話題で盛り上がった。仕事の話より、人柄がわかる会話に興味を持つ参加者が多いようだ。
□ ■ □
喫茶の会はなぜ増えたか。星さんは「お茶だけという特徴が人を引きつけた」とみる。よくある異業種交流会はアルコールが入ると盛り上がりすぎて、騒がしい。参加費も3千〜5千円。酒を好まない人は参加に覚悟が必要ともいう。
だが、喫茶の会の費用は1人200円の参加費とコーヒー代。それが参加しやすさ、友人の誘いやすさにつながると星さんはみる。
ネット上で見つけ、会に顔を出した生命保険会社の男性(28)は「仕事以外の場で、いろんな人と知り合う機会はこれまでなかった」と話した。不況で人脈や知人を求める気持ちは強まるが、普通に過ごしていては人間関係が築きにくい。だからこそコーヒー1杯を仲立ちにした出会いに期待をかけるのかもしれない。
関西では哲学カフェという集まりが活発だ。毎月大阪や神戸の喫茶店など何カ所かで開かれている。フランスの哲学者がパリのカフェで、日常生活に役立つ哲学をめざして開いた対話の会が始まりだという。
大阪大学の大学院にいた00年から「カフェフィロ」というグループに参加、哲学カフェにかかわった明治学院大学の寺田俊郎准教授は02年から東京でも哲学カフェを主宰している。「自由とは何か」など、ふだんは立ち止まって考えることがないテーマを論じ合う。こちらの参加者は学生から年配者まで多様だ。
□ ■ □
直近の1月例会では東京都千代田区の喫茶店に30人が集まった。テーマは「募金に応じるのは偽善か」。「議論が盛り上がり、次の会では『偽善は悪いことか』を話し合うことになった」。寺田准教授は喫茶の会の広がりと、哲学カフェには共通点があると分析する。
出入り自由で、喫茶店というくつろいだ雰囲気の場所を選んでいること。参加者間に直接の利害関係がない。最も重要な点は、明確な目標や達成課題を掲げていないことだという。
ビジネス上の成果を急ぐ異業種交流や同好の士の集いとちがい「何かを目的とした集まりではない。だから互いの発想を掘り起こし、耕すような感じの会話が生まれる。それが緩いコミュニケーションになる」(寺田准教授)。
会社人生に変化をもたらしたいという願望は強い。東京の会社員、原田弓子さん(38)は勤続18年。夜はお酒とカラオケ、自宅ではテレビばかり見る生活に嫌気がさして横のつながりを求めた。ちょうど離婚も重なった。09年から月に1回、友人らに呼びかけて土曜のランチ会を始めた。職場近くの喫茶の会にも参加した。人と話すと生きている実感がわくという。そんな状況が多様なコミュニケーションの場を生む背景にもなっているようだ。
(編集委員 須貝道雄)
【心の“よろい”脱いで】
喫茶やカフェのリラックス作用。そこに着目した「ワールドカフェ」という米国発の会議手法がある。カフェのような場で対話をすると、より創造的な発想が生まれるとして、最近は企業や地域活動でも活用されている。09年11月にはコンサルタント会社など18団体が参加して東京、大阪などでイベント「ワールド・カフェ・ウィーク2009」が展開された。
実行委員会の代表を務めた大前みどりさんは企業の教育ビデオなどを手掛ける映像制作者。各種の研修の現場などで感じるのは「多くのビジネスパーソンが武器を携え、よろいをまとった姿」と語る。競争・成果主義の強まりで「他人からの評価を必要以上に恐れ、自分の意見をストレートに表明する人が少ない」。
数人のグループに分かれて席替えをしながら、一つのテーマを自由に語り合うワールドカフェは「よろい」を脱がせる効果があるという。これも「ゆるコミ」がもたらす一つの変化といえそうだ。
【図・写真】コーヒーを飲みながら情報交換する「恵比寿喫茶の会」のメンバー(東京都渋谷区の恵比寿三越パパスカフェ)
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この記事へのコメント
ワールドカフェウィークの仕掛け人、大前さんとは、最近ある対話系セミナーでご一緒しました。
これからは、こうしたカフェやサークルのような
ものはたくさん立ってくる。そこで、ファシリテーターとしてどのような準備が必要か、どのような場づくりをするかということを意識することが重要ですよねということで、意見があいました。
企業の組織開発、コンサルタント、いわゆるファシリテーターのプロの方の意見などを参考にしながら、あまり肩ひじ張らずに柏にもカフェを立てていきたいものですね。
場作りとなると、教員の役割と共通してくると思います。
教育界に対話の技術を意欲的に取り込んでいく福島さんの実践を楽しみにしております。
柏まちカレとの相乗効果、期待してます。