2011年11月15日

創造都市の発展‐まちとアートのコミュニケーション

「創造都市の発展‐まちとアートのコミュニケーション」をテーマに、まちデザインシンポジウムが開催されました。
http://kashiwa-art.com/blog/archives/708

熊本市現代美術館館長の桜井武さんと、各地でアートプロジェクトを手がけてこられた芹沢高志さんの基調講演。コーディネーターは、柏市役所の秦明生さん。

桜井さんからは、パリのポンピドゥーセンター、スペイン・ビルバオのグッゲンハイム美術館、ベネチアのプンタ・デラ・ドガーナなど、世界の現代美術館についてお聴きした。
現代アートによって、都市が生まれ変わった事例を紹介してもらった。
ポンピドゥーセンターの分館であるポンピドゥー・メスの開館式には、サルコジ大統領自ら出席して、演説されたとのこと。それだけ、文化・芸術に力を注いでいる。

芹沢さんからは、横浜トリエンナーレと別府での現代芸術フェスティバルのご経験を紹介していただいた。
企画者の考え通りではなく、一つのプロジェクトから、新たなプロジェクトが自発的に生まれていくようなプロジェクトを作っていくのが良い。

CIMG1898

まちとアートの関係は、単にアート作品を設置しても、単にイベントを開くだけでも、まちの文化は再生されるわけではない。まちに生きる人間の生きる力が重要である。その意味で、想像力をかきたてるアートが必要となる。
アートは、「メシのタネにならない」ので後回しにされてしまいがち。
しかし、問題発見や課題解決を提案していく力がある。
だから、現代に生きるアーティストの作品である現代アートに意味があるのだ。

「創造都市」という言葉が、安易に使われている傾向がある。
今、創造都市とは何か?改めて、問い直していく必要もある。
創造都市には、創造性のある個人の集積である。
創造性のある個人とは、想像力のある、新鮮な目をもった、生きる力のある強い個人と定義してみる。
そのような個人が育っていくために、現代アートが果たす役割は大きい。

懇親会で、桜井武さんとから、熊本市現代美術館で開催された「井上雄彦 最後のマンガ展 重版」についてのお話は、本当に興味深いものでした。
http://www.camk.or.jp/event/exhibition/inoue/
アートラインかしわのメンバーについて、個性的で才能ある得難い方々が集まり、他のアートプロジェクトでは見たことのない集団だ、大切に育てていきなさい、と何度もご助言を頂きました。

まちは、人が大事。
メンバーに、創造性あふれる個人が集まっている柏は、面白いぞと言っていただいた気がして嬉しい夜でした。



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