2012年08月18日

自分で問いを立てる力と「それいけノンタック」‐オランダ報告8

私の幼いころ、NHK教育テレビで「それいけノンタック」という番組がありました(1985年‐1992年に放送)。
のんびり屋の少年ノンタックが、大好きなおばあちゃんにもらった魔法のめがねの力で、「おでこのめがねでデコデコデコリーン」とおまじないを言って、住んでいる町や学校などの身の回りにあるさまざまなモノたちに話しかけ、社会の仕組みを学ぶように製作されていました。
参照 http://www.st-nova.jp/movie/tvnontakku.html

オランダの授業風景を見て、ノンタックを思い出しました。
わからないことを教員に質問すると、教員はすぐに答えを教えずに、観察するように促すのです。
たとえば、クモについての学習では、「どうやってクモの巣を作るの?」と生徒が聞くと、教員は「クモに聞いてごらん」と答えるのです。
これは、「物事それ自身に問いかけるという原則」に基づいた教育方法です。

さらに、生徒がクモについて知っていること、感じていることなどを、輪になって共有します。
CIMG3067
その時、「クモさん、あなたに聞いてみたいことがあるんだけど・・・」と質問形式で、発表するようにしています。
これは、自分で問いを立てる訓練になるのです。

変化の激しい今日、知識は重要ではなくなってきます。
自分で課題を発見し、その解決法を探求し、実行する力が大切だと認識されるようになってきました。
これからの時代は、ますます、自分で問いを立てる力が求められているのです。

余談ですが、私たちがアムステルダムの街を歩いているとき、どの建物の壁も傾いているのが気になりました。本やネットで調べることもできたのですが、「この建物に聞いてみよう」と観察していました。すると、間口や階段が狭いことから、荷物を揚げ降ろしするために使うことがわかりました。
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