2012年10月08日

西水美恵子さん(前世界銀行副総裁)、東葛飾高校に!

東葛飾高校で開催されている東葛リベラルアーツ高校生版リーダーシップ研修特別編で、西水美恵子・前世界銀行副総裁をゲストにワークショップに参加する機会に恵まれました。

柏まちなかカレッジの副学長でもある福島先生が、東葛リベラルアーツを主催されています。社会人の経験など生きた知識を高校生に伝える企画で、柏まちなかカレッジでも参加させていただいていました。東葛飾高校は、私の母校でもあります。



最初に、西水さんは、参加者に、「貧困」のイメージを思い描くよう、投げかけられました。

少し考える時間を持ち、目をつぶって、西水さんのお話を聴きました。

それは、パキスタン・カシミール地方で、西水さんがホームステイした家のお母さんの話でした。朝早くから、水を汲みに山を上り下りし、食べるものは最低限で、貧しい毎日の繰り返し。
”This is not life. This is just keeping body and life. ”



そのお話を聴いた高校生の感想を西水さんは、引き出していかれました。

パキスタンの女性に身を重ねて考えている高校生の姿勢を評価されました。

「その人の立場、気持ちに重ね合わして考えること」それが、リーダーシップであると示されました。

このお話をお聞きし、私は、チェ・ゲバラの言葉を思い出しました。

「世界のどこかで誰かが不正な目にあっているとき、 いたみを感じることができるようになりなさい。 これが革命家において、最も美しい素質です。」



貧困は、自然現象ではなく、人間の仕業。

先生はおらず、教科書は行き渡らず、空っぽのコンクリートの箱に過ぎない学校。

不正が横行している途上国の現状やテロ活動へ参加していく若者の怒りを知りました。



「もし、この村の住民だったら何をするか?」

そんなテーマで高校生は話し合いました。さまざまな意見がでました。

海外からの支援を求めたり、留学や出稼ぎといった外圧を使う方法。

私立・村立の学校を作ってリーダーシップを養成していく方法。

これらは、現場でも動いている話です。



特に、お金だけではなく、学校を建てるため知識が欲しいという村人のための、教育プログラムを実施しているNGOの話も聞きました。

教育と健康管理など、途上国の生活水準を改善する、「 援助ではなく、民間による事業 」で途上国支援を行うプロジェクト、バングラデシュのNGO・ブラック(bracNet)。

http://www.allianceforum.org/developing/bracnet/

有名なグラミン銀行のお話も紹介いただきました。

http://jp.grameencreativelab.com/live-examples/grameen-bank-the-mother-of-grameen-social-business.html



最後に、カシミールからホテルに戻った西水さんの話には、熱いものがこみ上げてきました。極限の生活から、豊かなホテルに戻った時、どのように感じるか。吐き気を催してしまうくらいの罪の意識。そんな気持ちに考慮し、ベルボーイ、メイド、スパ、レストランのウェイターが、チームとなって西水さんをケアしてくれたそうです。

このケアがなかったら、その後の西水さんの世界銀行の改革はなかったかもしれないと振り返られました。

「どんな小さなことでも無力ではない。チームとなって大きな力を発揮できる。」

情熱を持って、信念をもって、行動すれば、無力ではないと教わりました。



その場でしか話し合えない、深まりのある時間でした。東葛飾高校の生徒へ、西水さんからリーダーシップのあり方を示して頂きました。

西水恵美子さん

http://www.sophiabank.co.jp/japanese/about/partners/nishimizu.html

世界銀行とは

http://www.worldbank.org/


西水さんのご著書「国をつくるという仕事」、「あなたの中のリーダー




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