2013年06月04日
読売新聞に柏まちなかカレッジを取り上げて頂きました。
街が教室 学びの輪 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20130602-OYT8T00848.htm?from=tw
街が教室 学びの輪
柏市の店や街角を教室に、特技を持つ市民らを先生に招いて様々なテーマの講座を開く団体「柏まちなかカレッジ」(まちカレ)が活動4年目を迎えた。これまでに150以上の講座が開かれ、先生となった市民も100人超。主宰する教育コンサルタントの山下洋輔さん(35)(柏市柏)は「学びの輪が人の輪になり、さらに地域に広がれば」と話している。(淵上隆悠)
まちカレは2010年4月、「柏に縁がある人の特技や趣味を街づくりに生かそう」と山下さんが発足させた。構想のヒントは、08年に市内で開いた座談会。「親子の意思疎通」をテーマに、自身や研究者、大学生らがパネリストとして受験や親子の会話などについて話したが、参加者が最も関心を示したのは大学生の話だった。山下さんは「当事者の話が最も人をひきつける」と強く感じた。
資金的に大きな会場を借りたり、有名な講師を招いたりすることはできないが、市内には面白い店や場所があり、様々な人がいる。「入社1年目の会社員でも、ほかの業界の人から見れば立派な専門家」と山下さんは説明する。
講座の内容は、花屋での店員によるフラワーアレンジメントや主婦が自宅で開いたキムチ作り、野鳥愛好家と市内を歩いてカラスについて学ぶなど多岐にわたる。先生役も、初期は山下さんが知人などに依頼することが多かったが、経験者の紹介や口コミで希望者も出始めた。講座がきっかけで親睦を深めるようになった参加者も多い。
先生役にとっても、講座は貴重な経験になる。浜松市公園課職員の堀野哲さん(24)は千葉大園芸学部の学生だった3年前、「手賀沼とエコツーリズム」をテーマに講座を開いた。手賀沼の水質の悪さや市街地からの交通手段の乏しさなど多くの課題について受講者と意見を交わし、「学生なりに勉強した知識を生かしながら、新しい発見もできた」と振り返る。その経験は卒業論文や就職活動にも生きたという。
ふとした話題が新たなイベントに結びついた事例も。まちカレが毎週市内で開く読書会で、先生役の飲食店店員行政翔平さん(29)が街中で開かれる古本市に関する本を紹介すると、「柏でもできるのでは」と盛り上がり、11年から柏市柏3丁目周辺の店舗の軒先を借りた古本市「本まっち柏」が始まった。今では年2回の恒例イベントとなり、行政さんも「たまたま話しただけなのに、多くの人や街を巻き込む形になった」と驚く。
目に付きにくい人や地域の魅力を引き出すまちカレだが、山下さんの目標はその発展的解消という。その代わり、「街全体が学びの場となり、自然と誰もが先生や生徒になる柏になれば」と山下さんは願っている。
「システム思考」をテーマにした講座で学ぶ山下さん(左から4人目)ら(JR柏駅近くの飲食店で)