2014年02月10日

青年センターと教育研究所の複合施設アスパルこうちを視察

高知市青年センター教育研究所複合施設である「アスパルこうち」を視察。
教育研究所事業、特に、不登校やいじめに対する取り組みをお聞きした。
オランダで視察した教育サポートセンター機能を地方自治体で実現できないか検討しています。自治体の教育委員会には、教育研究所という機関があり、そこで自治体内の教育の質を保つような機能を担えば可能ではないかと考えています。
IMG_6307【目的】 目的の一つは、教育センターのあり方を考えるためである。
柏市は、中核市なので教職員研修を行っている(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第59条「中核市に関する特例」より)。
しかし、教育センターがなく、教職員が集まって研修を受ける場所がないという声を聞いている。中核市で、小学校41校、中学19校、高校1校と柏と同規模の高知市は、参考になると考えた。
 目的の二つ目は、教育研究所のありかたを考えるためである。
教育センターという箱物を作るだけでは仕方がない。その役割や具体的な事業を研究する必要がある。
 目的の三つ目は、青年センター教育研究所複合施設の運営の様子を、実際に足を運び、見ておきたかったからである。
不登校などの子どもたちと青年センター利用者である若者とが、どのように交流し、相互作用しているか?指定管理者制度への声などを教えていただいた 
 
教育研究所について】
  教育研究所は、教育相談班、特別支援班、教職員研修班の3つ機能を有している。
 教育相談版では、不登校やいじめ、帰国・外国人児童生徒、学校改善プラン、スクール・ソーシャルワーカーなどの事業を行っている。
 特別支援班では、障害による特別な支援に関することに取り組んでいる。
ことばの教室、就学前相談、出前研修、調査・研究、各部署との連携、LD,ADHD通級指導教室などの事業を行っている。
 教育研究所は、昭和29年に高知市役所内に設置され、幾多の移転を繰り返してきた。
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 スクールソーシャルワーカーは、平成20年から開始し、今年度・平成25年度では、7名を派遣してる(23,097千円。国3分の1、県3分の2負担)。
26年度には、2名増員し、9名の体制をとっている。虐待や経済的困窮など家庭環境に起因する深刻なケースについて、学校と関係機関を結ぶネットワーク構築をはかり、保護者・児童生徒をサポートしている。
教員やスクールカウンセラーにできない学校の外に出て支援していく仕事であり、評価されている。
Q-Uテストは、平成16年から実施しているが、現在は小3から中3までで年に一回の実施である。
財政的な理由から回数が減っている。
その分、高知市オリジナルの不登校予防のための学級経営・人間関係づくりの「あったかプログラム」と「あったかアンケート」を開発し、実施している
IMG_6241【施設について】 平成10−11年に議会にて提案がなされる。平成12年から高知工科大学へ基本構想が委託され、ワークショップや障害者団体への説明が行われ、進められる。平成19年2月に開館。
 アスパルこうちに入っている高知市青年センターと教育研究所は、個別の条例で制定されている。
 整備費は1,645,441千円。整備の財源は、合併特例債。
 指定管理者については、たとえば、教育研究所も入る公共施設にふさわしくないという意見が予測される。
施設を利用している教育研究所の職員に質問したところ、「不便を感じることはなく、むしろ、子どもたちのことを考えて優先的に使用させて頂いている」との答えが返ってきた。
指定管理者制度導入と言っても、運営を丸投げしたのではなく、市の指針をしっかりと示していることがポイントである。
 施設の予約無断キャンセルについての規定が興味深かった。
柏市でも、近隣センターのキャンセルについて、罰則を作るべきではないかと、市民から改善の声を頂いている。
厳重注意、施設の清掃、予約制限、使用禁止と、段階を追って罰則を科している。
「行政ではできないことだ」と市職員は話していた。
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写真 各社の教科書や教材を閲覧できる
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写真 電話相談は静かに集中して対応できる部屋がある
【課題】 アスパルこうちの課題として、不登校支援と複合施設活用についての二点があげられた。
 教育研究所での支援が充実しており、教育研究所のクローバー教室からの進学率も昨年は九割であった。学校の担任が見に来るなど、学校に戻るようなきっかけは準備しているが、戻らなくても教育研究所内で教育が完結してしまっている。痛し痒しの感あり。
 不登校などの子どもたちと青年センター利用者である若者との交流はない。今後、互いの成長に良い形で交流する機会を作っていけたらと考えている。
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高知市は、アンパンマンの作者やなせたかしさんが幼少期を過ごした地。


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