2015年01月19日
英対話、花開く
ネクスファという未来を創る力を育てる、学習塾・学童保育が一体化した学び舎で、教育プログラムを提供しています。
そのネクスファの前身となるサス塾に、「英対話」というプログラムを開発し、提供いたしました。
今、「英対話」は、ネクスファでの高齢者生きがい就労プロジェクトが注目される中で、花開いてきました。
「会話」は、人間関係を維持することを目的とすることが多い一方で、
そのネクスファの前身となるサス塾に、「英対話」というプログラムを開発し、提供いたしました。
今、「英対話」は、ネクスファでの高齢者生きがい就労プロジェクトが注目される中で、花開いてきました。
「会話」は、人間関係を維持することを目的とすることが多い一方で、
「対話」は相手の主張に耳を傾け、相手と自分の価値観を探求するスキルです。
同様に英語が母国語でないアジア新興国の学生に比べ、
日本人は英語を使っての対話力が弱いといわれています。
ビジネスでの場面などイメージされるとよいかもしれませんが、この力の優越は
大きなハンデとなります。
「英対話」は、発音や文法に過度にとらわれず、ものおじせず自分の考えが表現できる力を身につける
「英対話」は、発音や文法に過度にとらわれず、ものおじせず自分の考えが表現できる力を身につける
ことを目的としています。
私は、知り合いのお誘いでフランス大使館のパーティーに参加したことがありました。
まったくフランス語は話せません。
自分の名前と、簡単なあいさつと、日本はどうですか?という質問と、よい旅をという言葉を調べ、会場までの道中に覚えました。
会場では、会う人会う人に、覚えた内容を話し、30人くらいとお話しできました。
周りで見ていた私の日本人の友人は、私がフランス語ペラペラのように見えたそうです。
フランス語を話すことができるのに話そうとしない日本の友人が沢山いました。
文法や発音だけでなく、文化を越えたコミュニケーションの力の大切さに気付いたのです。
英対話のプログラム開発には、異文化交流実践講座Cross-Cultural Distance Learningでの学びが活かされました。
対話力や異文化理解を深めることを目的とし、海外の交流大学(台湾、韓国、中国)のクラス間をネットワークで結び、リアルタイムでディスカッションを行うものです。 英語を母国語としていない学生同士のコミュニケーション。それぞれの文化背景も異なる中、自分の考えを正確にかつ説得できる形で伝え、相手の意見に耳を傾け、双方が納得できる まで議論を展開させる訓練を積みました。
※私の体験談について
※私の体験談について
取材の様子はオランダ国営放送でも取り上げられたそうです。
教育視察に訪問しているオランダの国王夫妻にも伝わり、光栄です。
※参考
日経BP社のAGING Webの『矢部武の「孤立死」から「自立死」へ Vol.22』にて紹介されています。
元商社マンの人生再設計〜塾の英語講師デビュー 2013/07/24前回のコラムで紹介した高齢者の生きがい就労プロジェクトの受け入れ先の1つに、学習塾「ネクスファ柏」(千葉県柏市)がある。ここでは、海外経験豊富な商社マンやプラントエンジニアなどの退職者が、小・中学生に海外で通用する英語能力や国際感覚を身につけさせるための授業を行っている。
「日本の未来をつくるために高齢者の力が必要」と言い切る塾長のもとで、子どもたちは楽しみながら英語の対話力を身につけ、シニア講師は新たな生きがいを見出し、生活リズムを取り戻している。高齢者の人生再設計のテーマも踏まえながら、シニア講師の生活を追った。
「英語対話」を重視した授業
元商社マンの江木隆之さん(65歳)は毎週金曜日の夕方、ネクスファ柏で小学5〜6年生と中学生に英語を教えている。大学院生の講師が、いわゆる受験英語を教え、江木さんらシニア講師は外国人と対話できるようにするための「英語対話」の授業に力を入れる。
江木さんは、英語絵本の読み聞かせをしたり、絵が描かれたパネルを使って生徒にその状況を英語で説明してもらったりするほか、自身の米国での体験談をいろいろ聞かせる。
例えば、テネシー州ナッシュビルの空港でこんなことがあった。航空会社の職員に「今からアトランタへ行きたい」ということを、「アトランタ、アトランタ」と一生懸命言っても、「トロント?トロント?」と聞き返されるばかりで全く通じない。そうしている間にアトランタ行きの便は出てしまった。そこで、「アトランタ」と紙に書いて渡すと、職員はやっと、「オー、アッランタ」と理解してくれた。
英語で「t」は「ト」ではなく、「トゥッ」と軽く発音するので、「アトランタ」は「アッランタ」のように聞こえる、それを日本語風に「アトランタ」と言うと、「トロント」に聞こえてしまう。そういう話をすると、生徒たちは皆、「ほー」と納得したような顔をするという。
江木さんはこう指摘する。「コミュニケーションは相手の立場になってものを考えることが大切です。自分の言いたいことを英語で言えるようにするのは大事ですが、相手が理解してくれる英語を話さなければならない。マクドナルドのハンバーガーを日本語風に言っても通じない。それと、時にはジャスチャーや立ち振る舞いでコミュニケーションをとることも大切です」。
ネクスファ柏の杉浦正吾塾長はシニア講師を雇う理由を、「社会の厳しさや交渉術などいろいろな経験をされているシニアの方には、パーケージ化された教材を使っての授業だけでなく、自身のキャリアに基づいた英語を教えていただきたいのです」と説明する。
江木さんは米国の文化・習慣、米国英語と英国英語の違い、TOEICが企業でどう活用されているかなどについても教えている。商社ではTOEIC何点以上取らなければならないなど、その試験内容はどちらかといえば米国英語に近いといった話をすると、特に中学生は目を輝かせるという。
単に英語を話せるようにするためだけなら、外国人の講師を使えばよい。でも、海外経験豊富で英語堪能な退職者を使うことで、生徒たちは英語というツールを通して異国の文化・習慣を知り、かつ高齢者と触れ合うことができる。
2011年4月から、小学5・6年生での英語授業が必修化された。また、公立高校の入試にはリスニングが導入され、英語に対する関心やニーズは高まっている。2011年3月にオープンしたネクスファ柏でも、それは例外ではない。江木さんが働き始めた約1年前、生徒の保護者の間では「今度来たシニアの講師ってどういう方なの?」「アメリカ滞在12年の商社マンらしいわよ」というような話で盛り上がったという。
江木さんは2011年6月、63歳で大手商社を定年退職した。ヒューストンやシカゴなど米国に12年滞在し、主に鉄鋼部門の営業部を担当。国際ビジネスマンとして最初から英語が堪能だったのかと思いきや、実は入社した当時、英語は嫌いだったという。
入社試験の面接で、「キミ、英語は?」と聞かれ、「僕は英語は大嫌いです」と答えた。すると面接官が驚いて、「英語が大嫌いで、なぜ商社を受けたのか」と聞いてきた。その頃は鼻っ柱が強かったという江木さんは、「この会社は英語ができないと働けないのですか」と逆に聞き返し、入社したという。
しかし、商社に入ると、英語は好き嫌い以前の問題で、仕事をするためのツールとして必要だった。江木さんは見よう見まねで必死に頑張り、なんとか海外でのビジネス交渉で使える英語を身につけたという。
生活リズムと人のつながり
江木さんは退職する前は、ゆったりとしたリタイア生活を送りたいと考えていたが、退職して3〜4カ月もすると、毎日の生活に少し物足りなさを感じるようになった。そして外に出て何かしたいと思い始めた頃、高齢者の生きがい就労プロジェクトの案内を見てセミナーに参加した。ちょうどいいタイミングだった。
就労先としては介護施設、農家、幼稚園などもあったが、自身の海外経験などを活かせそうな塾講師に決めた。ボランティアではなく、少しでも賃金をもらって英語を教えるというのも気に入った。長く組織で働いてきた人間としては、対価をもらった方がきちんと仕事をしなければいけないという気持ちになれるからだという。
「ボランティアだったら、“今日は風邪をひいたから、休もうかな”となるかもしれない。でも、対価をもらうと、自分が必要とされている度合いが少し違うような気がします。自分を律することができ、それが結果的に生活リズムにもなります。週1回塾に行くだけでも、電車に乗って外の景色を見ることになる。家の庭で四季折々の変化を楽しむのもいいが、場所を変えてものを見るのはいい刺激になります」。
江木さんは金曜日の塾の他、週末はゴルフか卓球(学生時代は卓球選手だった)を楽しみ、週1回は母親の入居している施設を訪問している。週の中で決め事があると、生活リズムが出てくるという。
学生時代から宵っ張りで朝は苦手というが、今は朝早く起きて6000歩を歩き、ラジオ体操もしている。健康維持のために努力しているのだ。また、時々奥さんと一緒に買い物に出かけ、家事の手伝いもしている。奥さんにも生活リズムがあるので、お互いに尊重しながらリタイア生活を送っている。
江木さんは塾で小中学生や大学院生の講師との触れ合いを楽しんでいる。また、生きがい就労プロジェクトを通して知り合った高齢者の仲間たちと飲み会をするようになった。さまざまな経験をした人たちと情報交換、意見交換するのはとても有意義で楽しいという。
会社人間としてずっとやってきた中高年男性の中には、退職して時間ができても地域に出ようとせず、家に引きこもる生活を続ける人がいる。こうした人たちに対し、江木さんは、「地域になかなか出ていけないのは、退職後も自分の存在や評価の拠り所を昔勤めていた会社に求めているからではないか。退職したら現役時代とは違うのですから、意識を変えて自分から地域に溶け込む努力をしないとだめです」と助言する。
未来をつくるために高齢者の力が必要だ
高齢者の生きがい就労プロジェクトはテレビで何度か取り上げられ、江木さんも他の参加者と一緒に番組に出た。その後、番組を見たという同世代の友人、知人などからメールがたくさんきたが、それを読んで、「元気なのに何もしていない。できれば何かしたいと思っている高齢者がたくさんいる」ことを強く感じたという。
そこで江木さんはこう提案する。
「学習塾などはもっと高齢者を使えばいいと思います。若い講師にとっても人生経験を積んだ高齢者と一緒に働くのは刺激になるでしょう。高齢者を使うメリット、デメリットはあると思うが、とりあえず試しに雇って、これは使えるとなればどんどん雇えばいい。もちろん塾としても経済性に見合わない人を雇うことはできないので、高齢者の方もそれなりの能力や心構えが求められますが」。
ネクスファ柏の杉浦塾長は言う。
「塾にとって高齢者を雇うメリットは非常に大きい。今は小・中学生向けだが、将来的に高校生や大学生、社会人を対象にした授業も考えています。今年度から高校の英語の授業は基本的に英語で行うことになりましたが、現場では全く対応できていないようです。高齢者の力を活用すれば、このような状況を改善できるでしょう。高齢者が世の中にあふれているから使うのではなく、日本の未来をつくるために彼らの力が必要だから使うのです。少なくとも私はそう思っています」。
もちろん高齢者を雇う上での課題はある。例えば、突然体調を崩して仕事を休まなければならないようなケースだ。だが、ネクファ柏ではワークシェアリングで対応しているので問題ないという。もし江木さんが病気などで来られなくなっても、他のシニア講師が代役を務められる体制を整えているということだ。