見直そう!日本の教育

2015年01月27日

退職校長の勉強会で講演

退職校長の勉強会「東葛の教育を語る会」に講師としてお招き頂き、柏市の教育施策の現状についてお話ししました。

人口減少、コミュニティの変化、教育格差と子どもの貧困などの課題と、柏市の具体的な教育施策とこれからの教育について、議会から見た教育についてを中心にお話し致しました。

子どもや親御さんの考え、教育現場や行政のことがわかる議員に、議会から柏市の教育を支え、より良いものにしてもらいたいと元・教育長にも激励して頂きました。
私は、参加された先生方から、多くを学ばせて頂きました。
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不登校児童生徒の支援、図書館指導員、特別支援教育、理科教育など全国に先駆けて取り組んだ柏市の教育実践の話や、戦後すぐに発足した教員の研究会など、先人の汗と涙の上に今があると気づかされます。
すぐれたシステムや教材の大切さもさることながら、何よりも、教育は「人」であること。

東葛地区の、いや日本の教育文化を語り継いでいくことが、若手としてこの会に参加させて頂いた私の役目の一つだと思います。


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2014年09月24日

楽しみながら算数を学ぶ教育プログラム

身近な生活から学びを深めていく教育プログラムを企画している。体験し、問いを立て、探求していけるような形を取る。身近な生活から、日本の文化への理解も深められることも考えている。
 そこで、和算に注目し、『塵劫記』を読み直す。
 生活経験から数学を学べる一方で、体系立てられている。商業、土木や測量に必要な実学のほか、趣味、教養、道楽として好まれ、殿様、武士から商人、職人など庶民まで、あらゆる階層の人々が学んでいた。楽しんでいたのだ。世界に誇れる和算の文化が生まれた。
 現代版の『塵劫記』が求められている。
 ※『塵劫記』国立国会図書館の和算資料ライブラリー
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いろんな本を趣味で読んできたが、『算法少女』は、オススメ。少年少女向けの歴史小説の名作です。当時の雰囲気、幅広い階層に定着した和算、その限界など生き生きと描かれている。



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2014年03月03日

ピア・サポート・プログラム(Peer Support Program)

前回、フィンランドのいじめ対策プログラムをご紹介しました。
http://goodman.livedoor.biz/archives/52063512.html
日本では、ピア・サポート・プログラムという子ども同士が支え合い、ともに伸びて行けることを目的とした教育プログラムがあります。

ピア・サポートPeer Support)のピア(peer)とは、仲間や同じ立場の人といった意味です。
教員が介入しなくても、同年代の子どもたちが友だちをサポートできるような人間関係を育てていきます。
子どもたちが困ったときに相談する相手の多くは同年代の仲間です。
ピア・サポートはそういった子どもたちの特徴を生かして、友だちをサポートしようとする子どもたちを積極的に育成し、クラスや学校に思いやりの風土を形成していくプログラムです。

千葉県教育委員会では、いじめ対策が課題となる中で、平成19年度から、小・中学校でピア・サポート・プログラム(「豊かな人間関係づくり実践プログラム」)の活用を推進しています。
豊かな人間関係づくり実践プログラム」は、「あいさつ」「助け合い」「コミュニケーション能力」等、人間関係づくりに必要な基本的な力を育むことをねらいとして、千葉県教育委員会が作成したものです。
http://www.pref.chiba.lg.jp/…
自己理解、他者理解、コミュニケーションスキル、対決解消スキル、守秘義務などを
ロールプレイなどの体験も交えて、学んでいきます。
私が見学した時は、感情を表す言葉についての授業でした。

ピア・サポート・プログラムを実施し、学校に思いやりの雰囲気が広まり、子どもたちの安心感がみられたとの声を聴きました。何かあったときに相談相手がいることは、子どもの安心感につながります。
いじめ加害者ー被害者でない第三者のサポーターの支援活動も育てています。
支援活動は、「一人でいる子に声かけして遊ぶ、けんかの仲裁をする、相談ポストの相談にのる、保健室に来た子をやさしく迎える、あいさつをする、新聞を作る」などです。
サポーターの子どもたちが「無理なく自分でできる範囲で何ができるか」をできるような成長が出てきているそうです。

本プログラムは、小・中学校9か年にわたる体系的プログラムで、各学年4時間の授業展開となっています。
教員用に1時間ごとの指導案、授業台本(細案)、教材が準備されており、
県内のどの学校で、どのクラスでも、同じ授業が展開されるようになっています。
教員による主観が入ることなく、一定の質も保つことができるわけです。

オランダの学校を視察して、教育プログラムの充実に驚いたのを思い出します。
日本では、学習指導要領がしっかりとしていますが、
各教員が教材研究に励み、授業案を作成している印象があります。
私自身もそうでした。
教員の事務作業を削減したら、「児童・生徒と向き合う時間を増やす」か「教材研究の時間を増やす」教員が日本には多いと感じます。
しかし、教員独自の教材というのは、当たり外れがあり得ます。
一方、1時間ごとの指導案、授業台本(細案)、教材が準備されているのは、授業の質は確保されます。
自由な教育方法が認められているオランダの学校では、
教育研究機関や民間教育事業者による教育プログラムを採用し、
教育行政の 監督のもと教育の質が保たれていました。
教育委員会などで、教育プログラムを開発し、それを管轄の学校で実施していくのは、合理的であると言えます。
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 ※写真 オランダ・ハーグ市の教育センターでの教材展示
2014年1月に視察した高知市教育研究所から 、「 あったかプログラム」という人間関係プログラムが市内の小中学校で実践されていると説明を頂きました。
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2013年07月16日

山びこ学校と課題解決学習

学童保育や学習塾など放課後の子どもの居場所であるネクスファにて、ストーリーテリングの授業を行いました。
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生活綴方の社会科教育で有名な、無着成恭先生の「山びこ学校」の文集を扱いました。
山びこ学校の実践は、読み書き計算ではなく、「このミカンはどのように栽培され、お店に並ぶのか?」、「先生が教えるいい子と親の考えるいい子は違うが、どうしてか?」、「なぜ、私たちの生活は貧しいのか?」など身近だけれど、答えの出ない問を考える中で学んでいきます。子どもたちが考えた結果を文集にまとめ、他地域の友達と意見交換していました。
この授業に参加している子どもたちも、他地域の子どもと交流できる機会を作っていきたいと考えています。柏の都市部の児童が多いので、たとえば、山村や漁村の子どもたちと交流する機会を持つことは、貴重な経験になると思います。
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今日の授業の中で、一年生から四年生が混じって、一緒に国語辞典を調べたり、地図帳で位置を確認したり、何年前の出来事かを計算したり、教科を横断した勉強になっています。これからは、手紙やメールを書いたり、相手に説明するための写真や絵を用意したり、大人になっても役立つ学びを身につけていきます。

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2011年11月08日

地域に支えられる小学校

11月5日、柏市立手賀東小学校の収穫祭を見学しました。

学校の畑で、自分たちで育てたお芋を焼き、みんなで食べます。
エデュブル・スクールヤード(食育菜園)というアメリカの中学校での活動を思い出しました。
料理人のアリス・ウォーターさんが、子どもたちと校庭のアスファルトをはがし、無農薬で野菜を作り、それをみんなで料理して食べると、荒れていた学校がみるみる立ち直っていったそうです。
手賀東小の子どもたちが心優しく感じたのも、こういった日々の積み重ねなんだと思います。
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もち米が、おもちに変わっていくのは不思議。子どもたちは、熱心に観察しています。
入学前から学校の先生と接することができ、1年生になってスムーズに学校生活が送れそうです。
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お餅つき。学年を超えて、助け合う。
親も先生と間違ってしまうくらい、地域の方々が協力しています。
みんなが、子ども一人ひとりのことを知っていて、育てていこうという意思を感じました。
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つきたてのお餅と焼きたてのお芋を、みんなで食べました。
お餅やお茶を持ってきてくれたり、座る場所を作ってくれたり、小学生に接待?してもらいました。
大人と話したり、気配りしたり、これも社会勉強ですね。
地域の高齢者の方々も、子どもたちの元気な姿に触れられ、嬉しそうです。

小学生の代表が、地域の方々へ感謝の気持ちを伝えています。
校長先生は、一つの思い出が、小学校時代のすべての印象を良くしてくれることがあるとも話されました。
大人になって聴くと、しみじみと吸収できます。

校長の荒木先生は、人間味あふれる魅力的な方です。
校長が、地域に根差した学校でありたいという意思を示し、地域の方々の協力を得て、学校運営されています。

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2010年02月14日

武士道と教育

最近、柏での話題は、武士道。
ラーメン屋さんですね。

開店にあわせてというわけではありませんが、
友人に誘われて武士道の勉強会に参加しました。

礼儀、思いやりの心、責任感、公共の精神。
日本人の良いところが、つまっています。
そもそも武士道という言葉は、明治になって言われ始めた実体のないもの。発表者の1人は、精神教育として構えて行うべきものではない、と言われていたのが印象に残っています。日常会話や生活の中で、自然に伝えていくのものであるということです。

道徳教育の論議でもそうでしたが、
話し合いの争点がずれてしまうことがあります。
礼儀作法や公共の精神といった社会生活上の知恵としての有効性を認める一方で、思想教育への反発があります。
武士道という言葉が独り歩きしてしまい、そのイメージについての論議におちいりがちです。
そこで、武士道の内容について、あらためて見直してみようと考えています。
現在、あらためて新渡戸稲造『武士道』を読んでいます。
その他、『葉隠』、内村鑑三『武士道』、山岡鉄舟『武士道』もチェック中。
岩波文庫のお陰で、簡単に古典に触れられ、感謝しています。

余談ですが、山岡鉄舟は、剣の達人。
私は、東中野にある禅寺・高歩院の鉄舟会にて、直心影流剣道の稽古に通っていました。このお寺は、山岡鉄舟の邸宅跡で、鉄舟の精神を受け継ぎ、今に至っています。大森曹玄老師の高弟・市川孟先生には、本当にお世話になり、その教えは今でも私の人生を支えていると言っても過言ではありません。


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2009年12月04日

郷中教育と柏まちなかカレッジ

大久保アップ私の父は鹿児島出身です。
今、私の弟は鹿児島で勤めています。
弟の結婚式の際に、鹿児島の史跡を見学しました。

その中で、明治維新で活躍し、近代日本を築きあげた人物を輩出した郷中教育について紹介いたします。

郷中教育(『ごじゅうきょういく』、または『ごうじゅうきょういく』)とは
地域コミュニティによる青少年教育システムです。
年長者は年少者を指導すること、年少者は年長者を尊敬すること、負けるな、うそをつくな、弱い者をいじめるなということなどを、人として生きていくために最も必要なこととして教えました。

この郷中教育は、文禄・慶長の役(1592〜98年)の時、残された子どもたちの風紀が乱れないように始められたと言われます。
ボーイスカウトは、ベーデン・パウエルが、薩摩の郷中教育の制度を研究て創始したと伝えられています。  
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先生に指導されると反発するものです。
しかし、先輩の言うことなら、聞かざるを得ません。

柏まちなかカレッジは、受講生同士の学び合いを大切にしています。
講師も学ぶ。
きっかけを与えてくれますが、受講生と講師は対等です。
教科内容だけでなく、生き方を刺激しあうような場に、柏まちなかカレッジがなれればと願っています。
桜島



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2009年08月23日

鍵盤ハーモニカの魅力

小学校で習った鍵盤ハーモニカ。

「子供向け」楽器として、ちょっと低く見られてしまいがちです。

そんな楽器にスポットをあて、その奥深い魅力に気づかせてくれたのが鍵盤ハーモニカクラブ「はもけん」。

 

先日、「はもけん」の事務局、広報担当者、部員(Studio WUU代表)の方々とお話できました。

「はもけん」は、柏駅東口駅前にあるStudio WUU認定のクラブ活動です。

音楽歴、年齢も様々。

プロレベルの人もいれば、小学生以来楽器に触れたことのないメンバーの方もいます。

 

みなさん上達が早いのが驚きです。

入会数ヶ月で、かなりのレベルに到達されています。

シンプルな楽器、メンバー同士の切磋琢磨、発表のチャンスなど、

音楽的にすばらしい環境なんだと思います。

 

鍵盤ハーモニカで、サックスのようにかっこいい演奏ができそうです。

敷居が低く、ライバルも少ないので、世界に羽ばたけるチャンスもあるかもしれませんね。

 

クレヨン絵画もそうですが、小学校で学んだことは、大人の世界にも通用するものです。

世界に誇れる日本の教育でもある、と見直されるきかけにもなって欲しいと思ったりもしています。

 

http://www.youtube.com/watch?v=_cYYnBSQ_js

 

   



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2007年07月08日

自ら考える力

 

 これは、私が部活動の顧問をしていた時の手記である。

 

「最近、学校教育について騒いでいますけど、日本の部活動は世界に誇る教育だと思いますよ」。これは、ある国で出会った日本人青年の言葉である。その青年は、野球部出身で、日本の企業から現地の大学に派遣されている会社員であった。私たちは、それぞれの部活動に対する考えを語り合った。

 部活動から学ぶことができる多くのことを明確にし、今、指導者として生徒に学んでもらいたいことは何か、私の考えを述べていきたい。

 部活動の目的は、生徒、部、学校、地域、時代などによって違う。今日の軟式野球部部員生徒の目的は何か。やはり、全国大会出場し、優勝することである。しかし、全国大会優勝は一つの過程に過ぎず、最終目標は自己の成長であると私は考えている。その目標実現のため、今年度は、生徒たちに自分で考える力を身につけられるよう指導してきた。

 試合中に監督がサインを出さない。生徒たちで相談して、戦略を決める。試合中の短い時間で、だ。これは、日常の練習で戦い方を模索し、意思統一ができていなければ難しいことである。関東大会では、この生徒たちの生き生きとした野球が高く評価された。

 生徒たちは、強制的に入部させられたわけでも、練習させられているわけでもない。すべて、自分の意思で野球しているという気持ちがある。監督が、勝つ方法を教え込むこともしない。自分たちで研究し、試行錯誤し、成功したり、失敗したり。成功しても忘れてしまったり。2年と少しの限られた部活動において、効率が悪いように見える。しかし、私は、それでいいと思う。実際に、自分の考えを試す機会というのは少ない。現代社会では、失敗してしまうと大変だという雰囲気がある。そういう意味で、生徒たちには、失敗を恐れず、自分たちの野球を創っていってもらいたい。

 顧問は、このような生徒の活動を支え、考える力を身につけることの手助けをしていく。そのために、ミーティングの回数を増やし、部活ノート等を活用して、各自の考えを明確にしていくよう努めたい。そして、何より顧問である私自身も部活動を通して、自己成長の機会を与えられていることに感謝して止まない。

 仲間、先輩・後輩、顧問、好敵手、保護者を筆頭に応援してくださる人たちとの人間関係。苦しみ、悲しみ、怒り、そして喜び。競技を通しての実体験。これらは、いくら本を読んでも、話を聞いても得られないものである。

 



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2007年06月16日

大切にされた子ども

 大切にされた子ども
 寺子屋

母と子 春信子宝遊

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本公文教育研究会HP掲載の浮世絵 

http://www.kumon.ne.jp/kumon/

 

 江戸時代末期の開国後、来日した外国人は、日本が「子どもの楽園」であると一様に驚いている。たとえば、モースは『日本その日その日』で「世界中で日本ほど子どもが親切に取り扱われ、子どものために深い注意が払われる国はない。ニコニコしているところから判断すると、子どもたちは朝から晩まで幸福らしい…そして、祭礼などでは、いかなる時にでも大人が子どもと一緒になって遊ぶ」と記している。

江戸時代は、家族形態も直系の親子を単位とする小家族が一般的となり、それまで以上に、子どもは家族の愛情のなかで育てられるようになっていた。それまで公家や武家の儀礼であった子どもの成長を祝う行事が、民間にも普及した。子どもを大切に育てるための育児書や教育書も数多く刊行された。

 また、町人の活発な経済活動の展開で、職人や商人に読み書きや計算の素養が必要とされるようになった。その結果、庶民教育への関心が高まり、庶民教育の場として寺子屋が普及した。多くの子どもたちは、6〜10歳を過ぎる頃までの間に「読み書きそろばん」の初等教育を身につけ、奉公や修行に出た。幕末期の識字率が非常に高かったのは、寺子屋教育の役割に負うところが大きかったといわれている。

遊びの世界でも、江戸中期から玩具が種類・数ともに増え、子ども向けの本も出版されて、子どもの世界を豊かに彩ったのである。

   

      

                                               



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