授業
2013年05月01日
高校で英語の授業が英語で行われることについて
平成25年4月1日の入学生から、
その中で、
新学習指導要領には、
改訂の趣旨を読んでみると、
そこで、この改訂について、学校現場の声を聴いてみました。
・ 授業を英語で行うとなると教員の負担が増えるのではないかという声について。高校の英語の教員は、いわば英語の専門家です。まったく負担がないわけではありませんが、対応できるでしょう。
・ 心配なのは、生徒側です。特に、学力が高くない学校では、厳しいと予想されます。アルファベットすら、身につけていない生徒がいるのが現実です。
・しかし、学習指導要領で定められた以上、英語で授業を行っていくという事に関して、無理だと言っている場合ではなくなりました。アルファベットを身につけていない生徒は、基礎的な会話からはじめ、日常生活での会話は身につけさせられます。
・ 小学生5、6年生でも英語の授業が行われており、下地はできつつあります。最初は、混乱が予想されますが、長い目で見る必要があると思います。
・ これまで、学術論文のスキルとしての文法に偏りすぎていた。アルファベットが書けないような生徒には、まずは、日常生活で使用する会話の習得が大切。
お話をお聞きし、授業を英語で行うことに関する議論は、方法論に過ぎないと感じました。英語の学習内容が、文法などを中心とした読み書きスキルから、議論や対話スキルへと広がっているのです。
書簡から、電話。メールから、スカイプなどのテレビ電話。文字だけではなく、音声や映像による媒体が増えてきました。通信手段や伝達手段も多様化しています。このような背景があるのです。
これからの英語の授業は、海外との恊働を行っていくのが良いと、私は考えます。英語は手段です。その英語を使って、何を学ぶかが重要となってきます。
たとえば、海外の学校とメールやテレビ電話を使い、共通のプロジェクトに取り組んでいくというプログラムがあります。
私が訪問したオランダのホフスタッド・リセウムでは、ドイツやヨーロッパの高校と提携し、実際に起業をするという共通のプロジェクトに取り組んでいます。その他にも、水問題やアフリカに学校を建てるなどのプロジェクトも行ってきています。
英語を使って、メールのルール、ディスカッション、計画立案、対話、まさに生きる力を学んでいるのです。
この学習指導要領改訂が、これからの日本の英語学習が、新たなステージに進むきっかけとなる事を願っています。
2012年05月21日
イエナプランの授業風景‐オランダ報告3
リヒテルズ直子さんのご案内で、イエナプランの学校を中心に見学した。イエナプランの教育は、学年の違う子供たちを混合してクラスを編成し、学び合う共同体を作る。自分で学習計画を立て、各自で課題に取り組む。一方で、対話や観察を中心とした授業が展開されている。自立学習と協同学習を組み合わせたものである。
私が見学した20名のクラスでの学習風景を紹介する。3つの学年が1クラスに在籍。1学年6名が先生の周りに座り、算数の説明を受ける。1回の説明で理解した児童は、自席に戻り、課題を取り組み始める。もう一度、先生は、かみくだいた説明をする。児童が、分かるまで繰り返される。そして、次の学年が先生の周りに集まった。
説明を終えると、先生は教室を歩き、質問を受ける。みんなの前で質問するわけではないので、内気な児童でも大丈夫である。また、教室に備え付けられているPCの教材で調べている児童もいる。同じ班の先輩から教わる児童もいる。先輩も教えることで、理解が深まる。異学年混合クラス編成の利点だ。
日本の塾で行われている個別教育の良さと、教室という社会の中で学び合う良さの両方が生かされた教育であった。
これで、学習は身についているか?そんな心配は不要である。全国模試のようなテストを行っている。点数を競うのではなく、今後の学習や指導の指針となる。本来の意味でのテストだ。結果によっては、心理学など専門家によるサポートも受ける。自由な教育が認められる反面、教育監督局の指導を受けており、自由放任なわけではない。
※訪問校 ’t Kompas ヘト・コンパス小学校
Vlaardingen(フラールディンゲン)という都市にあるプロテスタント系の小学校。イエナプラン校ですが、ピースフルスクール・プログラムという、現在シチズンシップ教育のメソッドとして先端を切っているプログラムを採用している。
http://www.jenaplan-tkompas.nl/
※訪問校 ドクター・スハエプマン小学校
イエナプランの優良校の賞を取った学校。この学校は、4月13日に日本テレビで放映されるアナザースカイで、尾木直樹さんとともに訪れ紹介した学校です。
http://www.schaepmanschool.nl/
オランダは、移民も多く、多様な社会である。教育も、多様である。フレイネ、モンテッソーリ、シュタイナーなどの進歩的な学校やイスラム教の学校など、様々な教育が行われている。このイエナプランも、その中の一つに過ぎない。当然、オールドスクールと呼ばれ、教壇で先生が板書して、教科書を読む画一的な学校もあるということも触れておく。
2012年03月06日
授業の改革が、学校を変える。
先日、市内の中学校を見学し、授業や施設を見させていただきました。
その中学校は、以前は、少し荒れている印象を私は持っていたのですが、今は落ち着いた、しっとりとした雰囲気に包まれていました。
校長先生に、今の落ち着きを取り戻すために取り組んだことを質問したところ、校長は、授業の質を改善させることを徹底したと答えられました。生活指導の強化や集会での説教ではなく、しっかりと授業に取組む姿勢を、全教職員に徹底させたそうです。これがボディブローのように効き、今があると振り返られていました。
理科の実験では、全員が授業に参加し、生き生きと、学ぶ生徒の表情を見ることができました。安全面に、教員の細心の注意が払われています。
また、特別支援学級を、できるだけ閉ざさないよう、教科担当の先生が授業する時間や所属の学級に戻って授業を受ける時間を組み合わせていました。
相談室では、空き時間のできた教員が授業を受け持つ。相談室通いの生徒に対しても、しっかりと学習してもらう熱意を示している。教員の負担は大きいと思うが、成果は出てきていると説明してもらいました。